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第31話  蒼泉くん

 やっとパソコン返ってきました。テスト終わりー!

 で、どこまで書いたのか全く覚えていないボクです。あわわ・・・。

 あと、入れようと思っていた挿絵を入れ忘れていたので、後であげておきます。入れたらまた書いておきますね。

 それと、日数分書かなくちゃ、ってことで、ちょっと適当になっている所の訂正もしたいと思います。ちょっと変わるかもしれません。

 そんな感じでしょうか? 長々とすみません!

「ご主人、入る」

「クローリク・・・。いいよ」


 クローリクはそぉっと扉を開けると、トコトコ歩いて隣に座る。珍しく、手足に毛が生えてて肉球のある姿。随分久しぶりに見た気がする。

 その手で、クローリクは私の額をぽふぽふ触った。肉球が気持ちいい。


「今日は動いちゃだめ。ゆっくりしてないと、怒る」

「えぇ?! クローリクは・・・。もう。仕方ないなぁ。私だって怒られたくはないよ」

「じゃあ、ちゃんと寝てなきゃだめ」


 クローリクはそう言うと、扉を開けて出ていった。

 今は何時? 大体8時くらいか。朝だね。私、今起きたところだし。

 今日は動いちゃだめって言うけど、そんなに寝てられるのかなぁ? それが気になるけど。


 暫くすると、クローリクは鍋を持って部屋に入って来た。今度は普通に人の姿。

 クローリクはその鍋をテーブルに置く。その後、かちゃかちゃと食器の音がした。

 くるりとこちらを向くと、少し起きられるかと訊いてくる。大丈夫だと答えると、クローリクは私の手を取って椅子に座らせた。


「今日は、みんなでレベル上げに。エリヴェラが、鎌使いたいだろうし」

「そっか。よろしくね。くれぐれも同じ事にならないように」

「わかってる。今度は離れない」


 クローリクは鍋の蓋を取った。ふわりと白い湯気が上がる。誰が作ったのか知らないけれど、一緒に汁の香りがした。うどんのようだ。

 それを、丁寧に小皿に取り分けて、箸と蓮華と一緒に私に渡した。いや、実際は少し溢した。まあ、気にしないでやろう。


「どう?」

「ん、美味しいよ」

「よかった。滅多に料理なんてしないから」


 あ、クローリクが作ったんだ。そう言えば、心花の手伝いしてる事とかあったもんね。

 みんなはどうしたんだろう。この子はここに居ていいんだろうか?

 クローリクの事だし、みんなは朝ご飯食べてるのに、とかいう事もありそうだしなぁ。


「今みんなはどうしてるの?」

「コノハが朝食作ってる。だから、多分待ってると思う」

「あ、そう。ならいいか・・・」


 にしても、別に辛いとか何もないのに、今日一日ここで寝てなきゃいけないって言うのは嫌な物だ。

 うぅ・・・。昨日、動かなければよかったよ。



 窓の外に、大きな鳥の影が見えた。

 あれは何だろう。ジズ、なのかな。もしかしたら、颯也の時に力を借りた、あの鷲みたいのかもしれない。ここからだと、距離感が分からない。だから、大きさもよくわからない。


 結局、お昼前に起きちゃったから、ベッドに座って外を眺めている。さっき熱を測ったら、もうほとんどなかった。

 いや、訂正しよう。こいつが煩いから、「外見るから黙ってて」といったから外を眺める羽目になったんだ。だって、何もすることないなら寝てろって煩いんだもん。


「はぁ・・・。暇なのって、こんなに辛いワケ?」

「<そりゃ、お前が最近忙しすぎたのさ>

「そうなのかな・・・。どうでもいいけど、何かやる事が欲しい」

<しりとりでもや>

「やらない!」


 なんでこいつとそんなことする必要があるんだよ。大体、考えた事読み取れるこいつとしりとりなんて成り立つものか。

 なんて外を眺めていると、こいつが「そう言えば」と喋り出す。


<お前って、前の世界ではどんな感じだったんだ?>

「そうだなぁ・・・。いじめられてたよ。私も、あんまり人に興味なかった」

<人に? って言うか、いじめられてたのか?>

「うん、色々あってね・・・。気にする必要はないよ」

<じゃあ・・・。お前って、好きな人とか居いたのか? まあ、そう言う事興味なさそうだけど>

「居たよ・・・。昔だけど」

<マジで! ほんとか?! 暇つぶしに教えろよ!>

「いいけど・・・。でも、誰にも言わないでよ?」

<おい、よく考えろ。この体じゃ言えねぇよ>


 それもそう、か。じゃあ、いいか・・・。



 私さぁ、元々、結構いい所のお嬢様でさ、昔は、それこそ、婚約者フィアンセがいたんだ。お譲さまって言っても、次女だけど。まあ、つまりは嫁ぐ家が決まってたわけ。別に、おかしなことはないでしょ?

 まさか、私がお譲さまだったなんて、思いもしないだろうけどさ。勉強毎日やらされて、習い事で一日潰れるような、そんな生活してたんだよ。それも、テーブルマナー、社交ダンス、礼儀、ピアノ、なんてね。


 あ、ごめん。話し戻すよ? 私、婚約者フィアンセの事が好きで、毎日一緒に居られるわけじゃないけど、一緒に遊んだりしたとき、本当に楽しかったんだ。

 彼も、私の事を可愛がってくれたよ。でも、ある意味、妹だと思ってたのかもしれない。そこまでは、もう知ることも出来ないしね・・・。

 これからも、ずっとずっと、一緒に居るんだと思ってたよ。だって、そうでしょ? 婚約者フィアンセだもの。


 それなのにさ、5年生の時、私は、親に捨てられた。なんでかって? 家が傾いたんだ。2人は養っていけなかったんでしょ。

 児童養護施設に入れられて、ろくにやることも無いような部屋で、一日中・・・・。ずっと一人だったよ。

 学校には、行けなかった。行けば、同年代の子もいたんだろうけど、私、家で家庭教師が教えてくれてたから、学校なんて行った事なくて、怖くて、行けなかったんだ。しかも、ずっと上の事やってたし、学校行っても暇だっただろうしね。

 そんな隔離されたところに居たからさ、知らなかったんだ。


 一ヵ月後、私を引き取るって人が現れた。数日前に、孤児院を見に来てね、私を見て、一目で決めたらしいよ。

 その人は、夫は居るけど、ずっと別居してるからか子供がいない人でね、私の事を、本当に、利益目的じゃなくて、娘として、欲しがった。

 今思えば、不思議だよね・・・。こんなに大きい子を、引き取るかなぁ? 普通、赤ちゃんとか引き取らない? もしかしたら、もう年もそこそこだったからかも。


 久しぶりに、社会に戻った。それで、初めて知ったんだよ、私の婚約者フィアンセが、行方不明になってて、誘拐も視野に入れて、捜索してる事。私が捨てられて、すぐのことだった。

 もしかして、私のせいかな、そう思った。でも、そんなのどうでもいい位、ショックだった。

 孤児院を出て、せっかく会えると思ってた彼が、どこに居るかも分からない、それこそ、この世に居るかも分からないなんて・・・。


 本当に悲しかった。神様なんているなら、殺してやりたい、なんて思って。だって、彼の事、本気で好きだったんだもん。養母は、その事、知ってたから。慰めてくれようとしたけど、でも、私、どうしても、立ち直れなかったよ・・・。


 1年かかった。中学校の入学で、ちゃんと学校に行く気になったよ。私が行く気になった時のため、って、準備してる養母見たらさ、行こうかなって、思ったよ。


 でも、なんでかな、すぐに知れ渡っちゃった。私が行方不明の彼の婚約者フィアンセで、同じ時期に超金持ち『だった』親に捨てられて、1年前、養子として引き取られた事なんて。どこから分かったんだろね? 何にしろ、私、完全に、いじめの対象になっちゃった。

 でも私、まだ、彼の事、忘れられない。怨むことだって出来やしない。

 まだ、好きなんだもん。


 会いたくて、そして、いじめが嫌で。私、何度も自殺しようとしたんだよ。そう、何度も。

 手首切ったり、部屋のベランダから飛び降りたり。首吊りやってみたり、理科室から薬盗んだり、ナイフで胸刺した事もあったっけ。

 そのたびに、養母がすぐに見つけて、私は病院送りさ。何度やってもね。結局助かっちゃう。胸騒ぎがするから分かる、だって。

 でもさ、何となく、死んだら、会える気がして。どうしても、止められなかった。二ヶ月に一回くらいでやってたよ。今思えば、それで余計にいじめられたのかもね。


 あ、今は好きな人いないよ。だって・・・。


 彼を超えた人に、私、まだ、一度もあった事が無いんだから。



<マジで・・・。なんか、悪い事訊いちまったか?>

「ううん、大丈夫。でも、今は思うの。生きてると良いなぁ、って」

<そうか。前向きになったな>

「そうかな。みんなのおかげだよ。あと、魔王様の」


 魔王様がこの世界に呼んでくれたから、私、ここまで変われたと思う。

 そうじゃなかったら。想像したくもないけど、まだ、あれ、繰り返してたのかなぁ。

 本当に優しかったんだよ。背も高いし、とっても強い彼は、弱虫で、小さな私を、いっつも庇ってくれた。それで、「朱璃は、僕が絶対守るよ」って。忘れられるわけがない。


 彼、どうしてるんだろう。私みたいに、異世界に転生しちゃったのかなぁ。そうだと良いなぁ。きっと、彼なら、上手くやってるだろうし。幸せだろうし。


<ふぅん、なるほどね・・・。だから男に興味が無いのか>

「興味が無いって言うか、単純に、惹かれない。それだけだよ?」

<ああ・・・。そんなところが、魔王は気に入ったのかもしれないな>

「そういうもの? でも、楽しい事、好きそうだよね」


ああ、そんな所は、彼にそっくり。常に楽しい事を探して、私に教えてくれた。ちょっと変わった事を言い出したりする子だったけど、それでも、会う日は楽しかった。もっと長い間会っていたい、そう思ったものだ。


蒼泉あおいくん、魔王様に似てる・・・」

<は? ああ、そのフィアンセか。そうなのか?>

「うん。会ってみたいなぁ」

<何言ってんだ? 二年後会うんだろう?>

「・・・は?」


 知らなかったんだ。こっちに来てから四年目に、魔王に会って、魔王の試練を受けながら強くなっていくなんて。なんで言ってくれなかったんだ、って言ったら『知ってると思ってた』だよ?

 でも、会えるんだ。蒼泉くんにそっくりな魔王様。私を救ってくれた、王子さま。


<結構嫌な性格の人だけどなぁ・・・>

「ふふ・・・。私の事、隠れてて、脅かして転ばせて、ついでに私、ドレス汚しちゃったから、蒼泉くん、凄い怒られたんだよ。そんな人だったよ」

<な、なんか、すごい似てる気がする>

「あとねぇ、蛙を手に隠して脅かしたり、飛蝗持ってたり。でも、木に登って木の実取ってくれるような、次期頭首とは思えないような子だった」


 今思えば、蒼泉くんの親は、それを止めさせなかったんだ? 不思議だなぁ。

 でも、そんな所も、全部含めて好きだった。



「マスター・・・、ん?」

「あれ、シルシィ? どうしたの?」

「どうかしたんですか? いつもと違うような・・・」


 その仕草を見ていて、ふと思った。

「蒼泉くんにも、シルシィに似たメイドがいたんだ」

<え? そうなのか?>

「うん。白髪で、青目。ロシアから留学してたんだけど、日本に居る間に親が死んじゃって、蒼泉くんの家が引き取ったの」

<ロシア? ニホン?>


 あ、そう言えば、知らないんだったね。うっかりしてた。

 にしても、本当に似ていた気がする。ご主人様! って言って付いて回ってた。

 あれ? おかしいなぁ、もしかして・・・。


「蒼泉くんの腹違いの弟と妹は颯也とエリー。お医者さんの娘は心花」

<え? そんなに似てたのか?>

「うん。そう言えば、あの子・・・。私の事お姉ちゃんって呼んでたなぁ。蒼泉くんの主治医の娘さんで、薬の扱いがうまかった子がいたんだけど、その子は茶髪の髪を三つ編みにしてた」


 偶々、かなぁ? なんか、凄いみんな似てるんだけど。蒼泉くんから始まって、シルヴィア、颯希そうき彩花あやは愛梨香えりか。ああ、みんなの顔を思い出したら、泣いちゃいそうだよ。


 幸せな時間を、取り戻してくれたみたいだよ。ここまでそっくりだなんて。

 それとも、私が、そういう子を呼び寄せてるのかな。


「どうしたんですか?」

「ううん、こっちに来る前の事だから。気にしないで」

「? でも、なんだか、とっても辛そう」

「そうでもないよ。大切な思い出」

 それに、似た子たちがここに居るから。

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