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第16話  悪魔の子

 家は建った。本当にあっという間だったなぁ。


「すごい・・・。綺麗・・・」

「私、ここまでしろって言ったっけ?」

「もはやお城ですね」


 なんだか、海岸の城が出来上がっているのだけれど? おっかしいなぁ・・・。

 まあ、部屋の数が増えたから、もうちょっと奴隷増やしてもいいかな。

 このままだと、世界を救うことは不可能だろうし。そしたら、殺されちゃうでしょ?


「ま、今日はもう寝よっか。洞窟行って疲れたでしょ?」

「そうですね・・・。マスターと寝るのは、今日が最後ですか?」

「まあ、明日には家具を買いに行くつもりだよ」

「シルシィ姉ちゃん、なんで露骨にがっかりするんだよ」

 まあ、いつも通りだね。






「お願い、この子を・・・」

(は・・・?)


 暗い部屋に一人、女の人が立っている。縋る様な目で私を見て、何か言っている・・・?

 うーん・・。何かを持っているようにも見える。何か、抱いているのか・・・?


「この子を、お願いします・・・!」

 えっ?!



「うわっ!」

「ふぇ? あぁ・・・。今日は早起きなんですね、マスター、おはようございます」


 朝・・・。夢かぁ。で、でも、なんだったんだろ、さっきの夢。

 女の人は、よく見れば顔が爛れていて、手も骨が見えていた。もはや屍人グール・・・。

 そんな人が、小さな女の子を差し出してくるんだ。怖くない? え? そうでもない?


「なんか、やだな・・・」

「やっぱり変な夢でも見ましたか? 大丈夫です?」

「今日は、一人になりたくない・・・」


 シルシィはぴたりと動きを止めて、運動着に着替えるのをやめる。

「では、今日は走るのは止めましょう。みんなが起きるまで、一緒に居ますね」

「あ、ありがとう・・・」

「怖がり方が、異常で、こっちが心配になってきます」


 あはは・・・、そうかも・・・。

 まあ、シルシィがいても、あれが来たらどうしようもない気がするが・・・。



「うわあ?! ちょっと、朱璃姉ちゃん!」

「な、何・・・?」

 怖いなぁ・・・。今日は呼んで欲しくなかった。

 これで女の子とかだったらどうする? 本気で怖いじゃないか。


「うっ、うっ、お母さん・・・・・・」

「まじで・・・」


 歳は・・・。5、6歳? 小さな女の子が、モノクロのメイド服のようなものを着て泣いている。

 頭にはリボンが2つ。少しだけ紫色の髪を結ばれていて、あとは垂らしてある。それから、口には牙があって、羽と尻尾が生えている。


「あ、あれ? お姉ちゃん、誰ぇ・・・?」

「えっと、どうしたのかな?」

「怖いお兄さんが、エリヴェラのこと売ろうとして、怖くて、逃げてきたの・・・」


 えぇ? とにかく、奴隷商人に売られそうになってたんだな? で、逃げてきたと。

 よく見れば、肩に魔法陣がある。これは、まずいんじゃ・・・。

 でも、発動している様子はないなぁ・・・。こんな事になって発動させないとは思えない。まだ、魔力込めてないのかも。


「えっと、エリヴェラちゃん?」

「そう、だよ・・・。悪魔っ娘って、みんな言う・・・」


 あ、悪魔かぁ・・・。なんか、夢が鮮明に思い出されてしまうじゃないか。

 でも、あの子供も、これくらいだったんだよなぁ・・・。って、えっ?!


「お母さん、人間に、殺されちゃった。悪魔の牙とか、爪とか、羽とか、尻尾とか錬金に、使えるんだ」

「そんな! そんなひどいこと・・・! って、ああ!」

「殺し方も、ひどいんだもん。エリヴェラ、忘れらんないよ」


 また泣き出してしまった。どうしたものか・・・。

 それ以前の問題で、この子はあの子に間違いない! あの人、背中と手と口、怪我してた。羽、尻尾、爪、牙だ・・・。


「おや、これはこれは兎のお嬢さま」

「うっ・・・。奴隷商人・・・」


 にやっと笑って私を見てから、エリヴェラちゃんを見る。間違いない、こいつが売ろうとしたんだろう。そうじゃなくても、間違いなく関与している。


「いえね。前に奴隷として使ってた人が、この子を売ろうと持ってきたのですが、逃げ出してしまって」

「はあ」

「買いませんか? 金貨七百枚で負けましょう」

「もう・・・。なんなのよ。シルシィ、持って来れる?」


 シルシィは私が言った通りにお金を持ってきた。私はそれを奴隷商人に投げる。

 にやっと笑って去っていく奴隷商人。エリヴェラちゃんは安心したようにその場に座り込んだ。


「お母さん殺した人が、エリヴェラをあの人に売って、誰かが買ったんだけど、また売られちゃった」

「なにか問題でもあるのかな・・・」

「エリヴェラね、天使と仲が悪いの。前の人、天使いたから」


 そういうことならいいけれど。大丈夫かな。

そんなことを考えていると、エリヴェラちゃんが私の袖をしっかりと握った。

「売らないで・・・」

「え? 大丈夫だよ? ほら、他にもたくさん奴隷、いるんだよ」


 私はエリヴェラちゃんの魔法陣に魔力を込めた。これで、この子は私の奴隷になるはず。後回しにすると、何か不安。今すぐやりたい。

「じゃあ、中入って。もう一回自己紹介してもらうからね」



「エリヴェラだよ。歳は、えぇと・・・? にひゃく・・・」

「うえぇ?! どういうこと?!」

「え? エリヴェラ、悪魔だもん」


 どうやら、寿命がない悪魔や天使の類は、成長が遅いらしい。

 イメージでは、二百とか言ってるし、五十歳上がって見た目的には一歳あがる、って感じか? 


「エリヴェラ、悪魔魔法使えるよ。だから、よろしくね」

「悪魔魔法って、なんですか?」

「んー? エルフのお姉ちゃんじゃわかんないよね。ワープ系が得意なんだ」


 どうやら、五ヶ所まで場所を記憶しておけて、記憶した場所にはいつでも飛べるらしい。ついでに、パーティの人なら一緒に飛べるとか。他の人も、まあ、出来なくはないそう。

 だから、冒険者は一人くらいは悪魔を連れていることが多い。一瞬で帰って来れるし、同じ場所に行くのも、一瞬だから。


「じゃあ、心花ちゃんのレベル上げたら、行ってみようか? 冒険」

「い、行きたいです! マスター、具体的には何レベルです?」

「うーん、そうだなぁ・・・。じゃあ、一週間後、っていうのはどう?」


 シルシィは顔を輝かせる。そんなに行きたいか。

 見れば、颯也も同じ顔をしている。心花もちょっと楽しそうだ。


「よろしくね、エリヴェラちゃん」

「うん、よろしく! 頑張るね!」


 こうして、また一人仲間が増えたのだった。



「コノハちゃん、今何レベルですか?」

「うぅ・・・。えっと、50です・・・」


 シルシィのスパルタ特訓。心花ちゃんを連れてドラゴンを狩りまくりました。

 まあすごいことに、一瞬でレベルが上がるんだ。


 朱璃 14歳 ランクC パーティ『宝積』 パーティランクD

 レベル80 ダメージ1350 マジックパワー900 スタミナ1000 力800

      魔法1500 守備810 速さ2000

 タロットカード入手可能 召喚成功率小UP タロットレベル3 短剣レベル2 ドロップ率UP 魔物使いレベル2 魔力レーダー 鞭レベル3 使役レベル5 エルフ魔法レベル1

 奴隷1 シルシィ 颯也 心花 エリヴェラ

 スキルポイント75 振り分ける


 シルシィ 10歳 ランクC パーティ『宝積』 パーティランクD

 レベル90 ダメージ1550 マジックパワー1780 スタミナ1530 力990 

      魔法2180 守備1000 速さ1000 

 エルフ魔法レベル5 タロットレベル3 弓レベル2 魔力レーダー

 スキルポイント205 振り分ける


 颯也 9歳 ランクF パーティ―『宝積』 パーティランクD

 レベル75 ダメージ1900 マジックパワー750 スタミナ2300 力2000

      魔法600 守備2000 速さ1700 

 剣レベル5 槍レベル3 巨大剣レベル3

 スキルポイント110 振り分ける


 心花 9歳 ランクF パーティ―『宝積』 パーティランクD

 レベル50 ダメージ1200 マジックパワー800 スタミナ1200 力850

      魔法550 守備1000 速さ900 

 スキルポイント250 振り分ける


「コノハちゃんは、どのスキルが取りたいんですか?」

「えっと、そうだなぁ・・・」


 心花ちゃんが選んだのは、科学者というスキル。薬を使用すると威力が上がる、そういうスキルだ。

 それから、調合のスキル。こちらは、性能のいい薬が作れるようになる。


 心花 9歳 ランクF パーティ―『宝積』 パーティランクD

 レベル50 ダメージ1200 マジックパワー800 スタミナ1200 力850

      魔法550 守備1000 速さ900 

 科学者 調合レベル4

 スキルポイント60 振り分ける


「心花ちゃんのこと気にするのもいいけれど、シルシィはどのスキルを取る?」

「あっ・・・。そうですね、特殊パラメータの威力UPか、コントロールUPですね」

 そう言いつつ、シルシィは両方共取った。


 シルシィ 10歳 ランクC パーティ『宝積』 パーティランクD

 レベル90 ダメージ1550 マジックパワー1780 スタミナ1530 力990 

      魔法2180 守備1000 速さ1000 

 エルフ魔法レベル5 タロットレベル3 弓レベル2 魔力レーダー 魔法威力UP 魔法コントロールUP

 スキルポイント105 振り分ける


「くっ・・・。みんなに抜かれていくっ・・・!」

「朱璃姉ちゃん、心花ちゃんに抜かれそうだな・・・。まあ、気にしなくてもいいんじゃないのか?」

「そうですよ。朱璃様には、朱璃様のペースがあるでしょう」


 そうなのだけれど。でも、レベル30とか違うのに、パラメータ一緒とか嫌じゃん!

 兎獣人になってしまったのだから、諦めるしかないのだけれど。


「それより、シルシィはもうすぐ100いきそうだね」

「でも、上がりが悪くなってきました。ちょっと厳しいですよ」

「そうか? の割には追いつけないんだけど」


 確かに、シルシィはすごい量の戦闘をこなしている。追いつけるはずないんだろう。

 ちなみに、私はみんなの経験値をちょっと多くもらえるので・・・。半分ズルだろう? 比べるのはいかがなものか。


「じゃあ、今日は帰ろうか。心花ちゃんも疲れたでしょ?」

「はい・・・。うぅ、もう無理・・・」

「じゃ。行くよー、エリヴェラちゃーん!」


 向こうで一人、レベルを上げていたエリヴェラちゃんが、私の声に気がついて戻ってきた。


 エリヴェラ 265歳 ランクF パーティ―『宝積』 パーティランクD

 レベル60 ダメージ1500 マジックパワー1000 スタミナ1500 力900

      魔法800 守備1000 速さ900

 悪魔魔法レベル1

 スキルポイント295 振り分ける


「スキル振ってもいい?」

「いいよ」


 エリヴェラちゃんはとんとん、と操作してスキルを振っていく。

 悪魔魔法をマックスまで上げたエリヴェラちゃんがこちらを向く。


 エリヴェラ 265歳 ランクF パーティ―『宝積』 パーティランクD

 レベル60 ダメージ1500 マジックパワー1000 スタミナ1500 力900

      魔法800 守備1000 速さ900

 悪魔魔法レベル5

 スキルポイント90 振り分ける


「・・・、265歳・・・」

「んー? そういえば、そうだったかもー」


 っていうか、レベルが・・・。最初見たとき、レベル10だったのに!

 早すぎる。どうりでみんなのレベルがサクサク上がると思ったら・・・。この子が稼いでたのか。


「帰るんだよね。開門ー」

 エリヴェラちゃんが言うと、黒い大きな門が目の前に現れる・・・。



「ついたよー」

「あれ?! すごいね、それ」


 あっという間に家についてしまっていた。エリヴェラちゃんがにっこり笑って褒めて、と言う。

 頭を撫でてから家に入る。心花ちゃんはすぐにソファに倒れこんだ。


「うぅ、疲れたぁ。シルシィさん、強すぎですよ」

「ん? 私、ですか? そうでしょうか?」

「え?! シルシィ姉ちゃんは強いだろ!」


 なんだかそんな話し合いをしているのは無視して、心花ちゃんとエリヴェラちゃんの部屋に家具を設置していく。買ってはあったのだけれど、すぐにレベル上げに行ってしまって、配置していなかったのだ。


 それから、いつものようにキッチンに立つ。最近は心花ちゃんが手伝っていることが多かったから、やけに広く感じる。

 ん・・・? 本当に広くなってるんじゃない、これ?! おい、大工! あ! 明らかにリビングが広い! いや、広すぎる!


「朱璃姉ちゃん、今日の夜ご飯なに?」

「何がいい? ハンバーグでも作る?」

「マジで! やった!」


 颯也が向こうで騒いでいる。おかげでシルシィに怒られた様子。

 で、何故か私の隣にエリヴェラちゃん。ぼーっと私を見ている。


「どうかしたの?」

「なんか、お母さんに似てる・・・」

「え?!」


 だってほら、お母さんって言うと、昨日の夢の思い出しちゃうじゃん。

 まあ、元は綺麗だったんだろうな、って思うけど。夢にまで出てくるってことは、この子の事大切にしてたんだろうなぁ。なんて。


「雰囲気・・・。似てる・・・」

「だ、大丈夫? どうしたの?」

「気にしないで。見ていたいの」


 もしかして、この子のお母さんって・・・。

 いや、でも、そんなはずは・・・・・・。



挿絵(By みてみん)

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