埃の積もる納戸の奥で
妙にリアルで不思議な、だけれど辻褄があう夢を私はたびたび見るのです
どんな?ってデジャヴをひしひしと感じる夢を
納戸の掃除を言い渡されたので裸電灯に手を伸ばし点けてみた
あっちもこっちも綿状の埃が積もってる
雑巾も持たずの掃除
何のどの罰だかも判らないこんなこと端からやる気など無い
取り敢えず入口に提げられていた手箒で手近な所から掃っていこうか、と奥の方の行ける所まで入って行く
窓なんて無い
箒を掛けたらきっと舞い散る塵を吸い込んでしまうわ
一番奥の壁の胸元の高さに10㌢くらいの幅で木製の枠が渡してある
こんなの何に使うのだろ?
上には掌サイズの人形みたくな物とそれより小さいミニチュアの機材?のようなのが点々と置かれている
その上にはやはり綿のような埃が
どこから始めるか考えるのも面倒臭さく思うし此処から片せていこう
あまり埃が立たないようそろそろとそれを掃っていく
人形に触れたら驚いたように人形が起き上がった様に見えたが気にせずどんどん掃いて埃を下に落としていく
「やっと来たのか」
「この人が来るとは思わなかった」
「あの娘は可哀相だ」
「しかし照らさぬわけにもいくまい」
聞こえるのは誰の声?これらの人形?まさか…
「待っていたのだ、訊かなくともお前には分かるだろう、とにかく私と一緒に」
一際若く凛々しい男の人形が私を鼓舞するように伝えて来た…胸の奥の郷愁を感じる部分に…それは響いた
_そう、私が行かなければ! 何処に?
私は人形たちを瞬時に見回した
人形が丁度携え易そうなライフルが揃えて立て掛けられている
男の人形に言われる…否、伝わってくるままにそれとその人形を片手で鷲掴みして後ろを向けば
人形の世界が拡がっていた
そこへ男の人形を置いた途端に、私はその世界へと入っていった
人形の世界に同化している私も人形になったのか?
否、何度も足を運んでいる世界だ、忘れているだけ
そうだ、私はこの世界に降り懸かる問題を解決する為に喚ばれるのだ
人形の世界では無い
現実とは別のしかし並行に流れているリアルな世界=人とは違う住人の暮らす世界
そこには私を待ち望む人達と待っていてくれる愛おしい人が生きている