勇者の地獄の夏休み 上
時は遡り、ハジメ達が機工界に来訪した直後から半日ほど経った頃合い。
「世間一般だと、今は夏休みの時期なんだよね」
壁に背を預けて座り、足も投げ出して、実にリラックスした様子で世間話に興じる光輝の姿があった。
高層ビルの一角にある部屋で、一部には壁がなくテラスのように屋外に通じている。高い場所なのもあって風通しが実に良く、景色も良く見えた。
そんな光輝の正面には、ある種の絶景を背にした美女が二人。
「そ、そうなのね。そう言えば、美月がいろいろ予定を立てていたわね」
「そ、そうなのですね。夏休み……なんだかとても素敵な響きだと思います」
モアナとアウラロッドだ。
夏休みの概念がなかった世界の出身である。しかも、どちらも戦時中を生きてきたので休暇とは縁遠い人生を送ってきている。
いまいちピンッと来ないのか、それとも別の理由か。顔を見合わせ、なんとも言えない表情になりつつも光輝に相づちを打つ。
「ああ、美月ね。うん、あの時は機嫌を取るの大変だったなぁ」
また旅に出ると話した時のことである。
春休みも夏休みも兄がいない。せっかく大変な旅を終えて帰ってきたというのに、しかも、その旅を終えてなんだか人として成長したというか良い感じになったというのに、家族旅行にも一緒に行かないというのである。
それはブラコン気味な美月ちゃんからすれば不機嫌にもなろうというもの。
お買い物に付き合ったり、ソウルシスターズ活動を支援したり、完全に行動を読まれた挙げ句なんだかんだ多忙なハジメの良い息抜きになっただけと理解して屈辱に震えているところを慰めたり、八つ当たりの腹パンを受けているヌイグルミ(おねだりされて白目を剝きたくなる金額を費やして取ったクレーンゲームの景品)をどうにか救助したり……
「でも、平和だった。愛しき日常っていうのは、ああいうのを言うんだろうね」
「光輝……ちょっとセリフが大袈裟というか……まるでもう取り返せない過去に思いを馳せている老年の戦士みたいというか……」
「ま、まぁ、兄妹仲が良いことは大変素晴らしいことだと――」
アウラロッドの言葉が止まった。いや、止まってはないが聞こえなかったというべきか。
轟音が響き渡ったから。まるで砲撃でもぶち込んだような爆音だ。ちょっと空が明るくなった気もする。あと地響きも。
パラパラと落ちてくる砂埃を気にした様子もなく、光輝は遠い目をする。
「天竜界は良かった。そりゃあ、出会い頭に陛下からビンタを食らったり、四六時中、南雲のことを聞かれたり、どこへ行っても南雲の話ばかり聞かされたりしたもんだから、極光竜を出して薙ぎ払ってやろうかとも思ったけれど……」
実は最初に新生アーヴェンスト竜王国に来訪した際、ローゼちゃんはうっかりハジメとの再会だと勘違いして光輝に抱きついてしまった、なんて事件が起きていたりする。
で、顔を上げて、お互いに「え? 誰?」となり、一拍。
――イヤァアアアアッ、貴方、誰よっ!!
と、戦士の女王の張り手が飛んできたのである。
もちろん回避は簡単だったが、後を追ってきた軍人らしき人達がローゼの悲鳴を聞いて血相を変えていたので、話がややこしくならないよう光輝は敢えて受け入れたのだ。
その後、平謝りする女王陛下の姿と恐縮しまくる竜王国の方々を快く許して和解したことで、一気に打ち解けることができたので結果オーライではあったし。
「何より、ここと違って空気が良い! たくさんの竜達とあの世界の空を飛ぶのは気持ちが良かった……。ほとんどバカンスみたいなものだったよ」
「確かに、BD号に乗って併走も良かったけれど、竜の背に乗って飛ぶのも最高だったわね」
「妖魔でもないというのに賢い子達でした。なんとなく、私が人間ではないと察していたようで――」
思い出話の途中に割り込む断末魔の絶叫。そして、愉悦に満ちた奇怪でおぞましい嗤い声。
更に遠目に無数の火球が流星群のように降り注ぐ光景も。
だが、動じない。光輝は動揺一つしない! それどころか、まるでお天気の良い日に丘の上でピクニックにでも興じているような雰囲気で穏やかな微笑を浮べる。
モアナとアウラロッドはしきりに振り返っては、外の様子を引き攣り顔で確認しているが、そんな二人の様子にも言及しない! 本当に何事もないかのように!
「不測の事態さえ起きてなかったら、天竜界で南雲達と合流して、あいつが散々自慢してきた豪華客船を堪能できた――」
不意に言葉を止め、サッと頭の位置をずらす光輝。
直後、ドンッという衝撃音と同時に槍のようなものが壁を貫いて飛び出してきた。一瞬前まで光輝の頭があった場所だ。
「「ひぇ!?」」
穂先が向いているのは当然、光輝の正面に座っていたモアナとアウラロッドである。
勢いからして、光輝が柄をキャッチして止めていなければ普通に壁を貫通していただろう。角度的に二人の間を通る軌道なので直撃はしなかっただろうが。
「――んだろうなぁ。マリ○カートのVR体験ができるとか……くそぉ、龍太郎達が羨ましいよ」
言い直すこともなく、一瞬止まった言葉の続きを何事もなかったみたいに口にしつつ槍を引き抜き、そのまま右側の壁に向かって投擲。
これまた銃弾の如き速度で飛んだ槍は、やっぱり壁を貫通して屋外に飛び出していく。
――ぐぇ!? おごごご……
なんか悲鳴が聞こえてきた。もしかしなくても、誰かに当たったのかもしれない。
心優しい勇者様なら、いや、普通の感性を持つ者なら、そんな状況は看過できるはずがないが……
「そうだ! モアナ、アウラ! 俺達も夏休みといかないか? 念のため時間差防止用のアーティファクトの設置だけしてさ! 南雲からは他にもいろいろ調査事項を伝えられているけど……まぁいいじゃないか! 天竜界に戻ってもいいし、なんなら地球のどこか空気の美味しい……そうだ、ビーチにでも行こう!」
「あ、あの、光輝……?」
「さ、流石にそういうわけには……あはは……」
サッと立ち上がって提案する光輝へ、モアナとアウラロッドは「気持ちは分かるけれど……」と困り顔になる。
と、その瞬間だった。
音が消えた。そして、強烈極まりない光が満ちた。と認識した直後には周囲の全てが吹き飛んだ。
思わず目を瞑って両腕で顔を庇う二人だったが、直ぐに一切の影響がないことを理解して目を開ける。
二人は空中にいた。純白に輝く四角形の結界の中で座ったまま。
そして、改めて見た。真っ赤に染まった世界を。
空気を清浄化するアーティファクトがなければ数十分も生きられない血風が吹き荒び、黒雲に覆われた空には稲光と業火が奔り、あるいは渦を巻いて雹を降らせている。
周囲にはボロボロに風化し、崩れ、壊れたビル群。一つとして無事な建物はない。
大地も荒廃し、見るからに乾いていて無数の亀裂が走っており、そこからマグマの如く火炎が噴き出している。
まさに、地獄。完全無欠のイメージ通りの地獄の光景が、そこにはあった。
というか、普通に〝地獄界〟だった。
「い、今のはシャレにならないわよっ」
「悪魔が私達を攻撃することはないはずでは!?」
直下には、今まさにガラガラと崩壊していく高層ビルが見える。
光輝達がいた六十階くらいのビルだ。先程の部屋も一部がごっそり抉られたように崩れていて強制テラス化していたくらい元からボロボロで、逆にどうしてまだ崩壊していないのか不思議なくらいだったが、今のが致命傷になったらしい。
そして、周囲には……
――ニンゲン?
――ニンゲンだ……ニンゲンがイる……
――ニンゲン……デハないのもイルゾ
――イイにオい!! 極上ノタマしい!!
――ニオい立つナァ……
無数の悪魔達が。
おそらく下級だろう。血混じりの砂でできたような様々な造形の悪魔が大半だが、地上にも空にも周囲の高層ビル群の中にもおびただしい数がいる。
中には実体を持った存在もチラホラ。中級以上も割といるようだ。
あれほど騒がしかった戦場が、嘘みたいに静まった。
彼等の視線が、意識が、光輝達に向いたのが分かった。
まるで飢えて乾いた砂漠の世界に、オアシスでも見つけたみたいな気配を発しながら。
「ごほんっ。えぇ、悪魔の皆さん。自分は天之河光輝と言います。勇者やってます。魔神・南雲ハジメの依頼を受けて、そう、あなた方のボスに! た・の・ま・れ・てっ!! ここに来ました!!」
風属性魔法で拡声しながら声を響かせる光輝。
笑顔だ。実に社交性に満ちた素敵な笑顔である。円滑なコミュニケーションの基本は笑顔! もちろん、悪魔相手でも丁寧な言葉遣いだって忘れない! マナーが人を作るんだ!
そんな光輝に、
――タマシィをヨコせぇっ!!
体の左半分が影、もう半分がエルフみたいな笹耳の美女が襲いかかった。
継続して展開していた結界の内部に空間転移してきたのだ。結界はただの光属性魔法なので、おそらく空間魔法系統の能力を持った中級クラスだろう。
光輝の首筋に噛みつこうとする女悪魔に、光輝はスンッと真顔になった。そして、
「ふんっ」
「ひでぶぅっ!!?」
普通に殴った。顔面を、グーで。
半分が影とはいえ女性だ。普段の光輝ならあり得ない。なのに、わざわざ実体がある側の顔へ容赦なく、それはそれは見事に腰の入ったカウンターフックをぶち込んだ。
そのまま砲弾の如き速度で結界を抜けて近くの高層ビルに激突する中級女悪魔。壁尻スタイルで突き刺さったままピクリとも動かなくなる。
「こ、これが噂に聞く男女平等パンチッ。光輝が、光輝がまるで某魔神のように!!」
「女子供には特に優しい対応になりがちな光輝様が、あの方からまた悪い影響をっ」
世界の悲劇、ここに見たり!! と言わんばかりの嘆きようを見せるモアナとアウラロッド。
そんな二人に、光輝は言い訳でもするように叫んだ。渾身の思いを込めて。
「だって……だってっ、こいつらほんとにもぉっ争ってばっかりなんだもぉーーーーーーーーーーーーーーんんんっ!!!」
仲間達が聞いたら「〝もん〟ってwww」と笑うか引くかするだろうが、今の光輝は叫ばずにはいられなかったのだ。
「なんなんだよぉ! なんなんだよぉっ!! 地獄界に来た時も! 別の場所でも! どこに行ってもこいつらってば争ってばっかりぃっ。何度も呼び掛けてんのにむしろ襲ってくるし! どうなってんだよぉ! 俺、勇者って名乗ったよね!? 南雲の遣いだって何度も何度も叫んだよね!! 〝念話〟も使ったぞ! なのに、なんで襲ってくるんだよ!」
そう、悪魔は全てハジメの配下。その内心はともあれ、現状、逆らうことはない。中には心酔している者も多数いるので、彼等が目を光らせていることも考えればなおさら。
なのに、襲われたのだ。
転移直後に「戦時中かよっ」とツッコミを入れたくなるような闘争の嵐に遭遇し、一生懸命呼び掛けれど完全スルー。
悪魔とは、特に位が低ければ低いほど普段から些細なことで争い合っているのが日常と聞いてはいたので、興奮しすぎて光輝達の身元に気が付けなかったのかと思い、取り敢えずほとぼりが冷めるまではと反撃もせずに急いで離脱した。
当初予定していた作業――天竜界から通ってきたフェアリーリングに、ハジメが送ってきた時間差防止用の時空干渉アーティファクトを設置する作業も一時保留にして。
しかし、離脱した先でも争う集団がいて、彼等もまた光輝の自己紹介もハジメの威光も無視して襲いかかってきた。
ということを繰り返すこと更に三度。
辿り着いたこの廃都の崩れた高層ビルの一角に取り敢えず身を隠していたところ、どこから湧き出したのか大量の悪魔が現われ……
やっぱり戦争を始めたのだ。
で、光輝は現実逃避したわけだ。平和っていいよね……バカンスしたいなぁ……と。
「どいつもこいつも言葉通じなすぎだろ! この悪魔共め!っていうか怖くないのか? お前等、間接的に魔神の邪魔してるんだぞ? 本当にいいのか? え? 俺、普通にチクるよ? ほら、これ見えるか? 通信機。俺がこのボタンを押したらお前等終わりだ。地獄のような罰を受けること間違いなしだぞ!!」
モアナとアウラロッドは思った。勇者が魔神の威を借りてる……なんか凄く小物感が滲み出ちゃってるけど……本当にそれでいいの? と。
光輝的に、それでも悪魔達が争いをやめてくれるなら背に腹は変えられないと思ってのことだったのだろうが……
身を切る、いや、この場合は心を切るか? ともかく、ある意味での伝家の宝刀を抜いた光輝に対し、悪魔達はというと。
『『『『『タマシいヲよこせぇえエエエエッ!!』』』』』
普通に襲いかかってきた。一部、中級悪魔が『ま、じん? 消滅するまで……殴るのをやめ……ない? 上級悪魔が……爵位持ちの大悪魔まであんな……うっ、頭がっ』と動きを止めていたが、下級悪魔は聞く耳持たず。
群がってくるイナゴの群れの如き悪魔達に光輝は天を仰ぎ、遠い目になって叫んだ。
「ここは地獄だっ」
その通りである。
南雲はいったい、どうやってこんな無法者の権化共を制御しているのか。やはり悪魔同士波長が合うからなのか。
んんぁああああ~~っと頭を掻きむしりながらも、アーティファクトによる空間遮断結界を発動し、強烈な閃光を無差別に放つ光輝。
ただの目くらましのようなものだが、悪魔達が「アッ!? マブシ!?」「なんの光ぃ!?」と怯んでいるのが分かる。
「お、落ち着いて、光輝! ほら、聖剣ちゃんもペカペカ光ってるわよ! きっと冷静にって呼び掛けてるのよ!」
「……いえ、むしろ〝やんのかおぉおん? かかってこいや!〟みたいな意志を感じますが?」
「聖剣ちゃん、いつからそんなに好戦的になったの!?」
聖剣ウーア・アルトに関しては何かと対抗心を燃やすアウラロッドの言葉なので、あまり鵜呑みにはできない。が、聖剣が何故か光を帯びているのは事実だった。
それを見て少し冷静になった光輝は、「こんな無法者共の相手なんてしていられるか。安全な場所に逃げるぞっ」とBD号を呼び出そうとする。
迷彩モードや隠行モードなど秘密行動も可能なBD号だが、大きな空飛ぶ船であることに変わりはなく、悪魔の能力を思えば気が付く個体もいるだろう。
ということで高層ビルの一角に隠れていた光輝達だったが、逃走となれば話は別。〝神速〟や〝転移〟が可能なうえに、要塞を超越する防御力を誇る内部は避難場所として最適だ。
空気清浄はアーティファクトのネックレスでできていても、やっぱり血風に吹き付けられ続けるのも凄く嫌だし。
と思って、
「そもそも〝案内役〟はどこなんだよ。地獄界のフェアリーリングを開いた時点で俺達の来訪に気が付く、直ぐ迎えにいくはずだって話だったじゃないか」
そんな愚痴を吐きながらも〝宝物庫〟に魔力を注いだ光輝だったが……
「んん? ……なんだ?」
様子が変わった。あれほど絶叫と戦闘音で騒々しかった戦場が瞬く間に静まりかえったのだ。
吹きすさぶ風の音や、そこかしこから噴き上がる地獄の炎の爆ぜる音、そして雷鳴はそのままに、悪魔達だけが息を潜めるようにして動きを止めていた。
「光輝! 見て! あれ!」
モアナが指を差した。視線を向けて、アウラロッド共々驚きに目を見開く。
「メ、メイドさん?」
「大きな鳥……オウム? に乗った?」
思わず顔を見合わせる光輝とアウラロッド。自分達で発した言葉なのに互いに困惑が隠せない。
だが、本当にその通りだった。
動きを止め、声も出さず、それどころか夢心地にすらなっているように見える下級悪魔達の間を、メイドらしき衣装の女性を乗せた巨大な鳥が飛んできているのだ。
地獄にメイド。それも巨大なオウムに乗った。
あまりに不似合いというか、場違いというか。
困惑しつつもBD号の召喚は中止して、しかし、結界は維持したままでいると、
「ま、またとんでもない美人さんね……」
モアナがいろんな意味で警戒しつつ声を漏らす中、メイドは結界の直ぐ外側で動きを止めた。
やはりサイズ感はおかしいがオウムにしか見えない鳥から優雅な仕草で空中にふわりっと降り立ち、そのまま流れるような仕草でカーテシーを決める。
モアナの言う通り、彼女は美しかった。光輝も思わずハッとするほど。
モアナと同じ惚れ惚れするようなチョコレート色の肌にエキゾチックな面差し。ウェーブのかかった肩口くらいまでの長さのブルネットは息を呑む艶やかさ。
露出の少ないクラシカルで王道なメイド服の上からでも分かる豊かな胸に、芸術的なくびれとヒップライン。妖艶な雰囲気が滲み出ている。
インド映画に出てくる美しい女優さんのよう、といえば近い表現となるか。
ただし、〝地獄の血風〟をモロに浴びながら平然としている姿、人の不安を煽るように赤く輝いて見える瞳孔が、ただの美しい人であることを完全否定している。
間違いなく悪魔だ。しかも、確かな実体を伴った姿や、何をしたのか分からないが下級悪魔達の闘争を一瞬で止めてしまった点からしても、かなり高位の。
そんな悪魔的に美しいメイドは、カーテシーを決めたまま口を開いた。
「お迎えが遅くなり大変申し訳ないッス…」
「ッス」
思わずオウム返ししちゃう光輝。
しょうがないだろう。だって、一見すると妖艶な雰囲気が滲み出ている落ち着いた雰囲気の大人の美人お姉さんなのだ。
なのに、
「御屋形様のメイド……ですらない候補止まり……の……一般無能モブ悪魔ッス」
「「「卑下がすごい」」」
よく見れば、落ち着いた雰囲気ではなかった。もう、なんというか、どんよりした空気感が凄い。決して目を合わせようとしないし、口元には薄ら自嘲の笑みが浮かんでいるし、なんなら顔には漫画みたいな縦線が入っているようにさえ見える。
「えっと……おやかたさま?」
「もちろん、魔神・南雲ハジメ様のことッス……地獄界におけるお屋敷の管理を、掃除くらいしか能のない私に任せていただいているッス。申し訳ないッス。こんな存在でごめんなさいッス……ッス……ッス……」
「え、あ……そうッスか」
「光輝、うつってるわよ。口調」
「あ、あ~~。というか、あいつ、地獄に屋敷なんて持ってたんス……じゃなくて、持っていたんですね!」
下手をすれば強烈なまでの卑屈と陰気の空気に呑み込まれそう。語尾に力を入れて言葉遣いを戻す。
それが〝気に食わなくて語気を強くした〟と受け取られたのか。「生まれてきてすみませんッス……」と更にどんよりしちゃうメイドさん。
アウラロッドさんが妙に凝視していた。あら? 何かしら……妙に心が引き寄せられる……みたいな雰囲気で。
「地獄の支配者ッスから。直轄地の一つもないのでは逆に我等の沽券に関わるということで、最上位の悪魔達で半ば勝手にッスけど」
「なるほど」
おそらく、ハジメ的に地獄に別荘を持つ趣味はなかったのだろう。必要なら自分で拠点程度いくらでも作れるだろうし。
なので、作りたきゃ勝手に作れ、管理? ……ああ、メイド候補がいるし、こいつでいいか、という感じだったに違いない。
「改めまして、案内役を仰せつかったカーラと申しますッス。身の程を弁えなくて申し訳ないッス……メス豚でも負け犬でもお好きなように呼んでくださいませッス……」
「いったい南雲に何をされたんだ!?」
「魔神様に何をされたの!?」
「魔神様にいったい何をされたのです!?」
自信という自信を根こそぎ粉砕されたような悲壮感。卑屈の権化みたいな有様。
で、高位悪魔がメイドの姿をしていて、かつメイド候補止まりだと口にしていることからすれば……もはや言わずもがな。
きっと、彼女は元々こんな性格ではなかったに違いない! 誰がこんな有様にした! もちろん、魔神だ!
光輝達が抱いていた警戒心は同情に、否、それを通り越して心配と気遣いに早変わりした。魔神の被害者を救わねば!! だって勇者パーティだし!
「……いえ、何も……ええ、本当に何も……相手にも……されなかったッス……」
「あ、あぁ……そういう……」
悲壮感がっ、悲壮感がすごいっ。今にもサラサラと崩れていきそう!
疑ってごめん、南雲。でも普段の行いの結果だからしょうがないよね! と謝罪なのか言い訳なのか分からないことを内心で呟く光輝。たぶん、モアナとアウラロッドも内心は一緒だろう。
巨大オウムが主を心配するように寄り添い、かと思えば輝きと共にサイズダウン。一般的なオウムくらいの大きさになってメイドさんの肩に乗り、嘴で頬をちょんちょんする。
「フヒッ……嗤ってくださいッス。こう見えても昔は魔王と呼ばれたこともあるんスよ。欲の化身、煩悩の権化、天魔なんて呼び名もあったッス……」
「なんか語り出したんだけど」
「シッ、光輝。聞いてあげましょう? 見て、あの目。見覚えがない?」
「え? ……あっ。少し前までの、いや、今でも時々あるけど、アウラの目そっくりだ!」
「ハッ、だから妙な親近感を!?」
強大な力を持った存在で、かつては自信に溢れ、己を誇り、上位者であることを疑いもしなかった存在。そして、至難と失敗を前に心折れ、挫折した者。
たぶん、きっと、そういうことだ。
カーラさんの目が遠い……
「人の子一人、堕落させられず……かつても相応に落ち込んだものッス。爵位持ち共に嘲笑され、揶揄され、どれほどの年月、屈辱に震えたか……」
「昔話……だよな? 南雲が相手じゃない?」
「みたいね?」
「内包する力の大きさは本物です。確かに魔王と語られてもおかしくありません。その干渉に抗い切った人の子……凄いですね」
「ええ、凄い子ッス。人間界で神格化されるほど。そう、彼は特別な子だった。ならば、私の誘惑に! 悟りを妨げるありとあらゆる障りに打ち勝ったとしても! 神の領域に至るほどの子だから仕方ない! むしろ、私の誘惑があったからこそ、その域に達したと思えばっ!! と、二千年以上かかりましたが納得できたッス……」
「どんだけ悔しかったんだ……」
二千年もの間、悔しくて枕を涙で濡らしていたのか。それほどまでにプライドが高かったのかもしれない。
彼女はどう思うだろうか。神格化されたからこそ妖精界に似て非なる存在が生まれていて、今はアパートでご近所さんやルームメイトとゆる~く楽しく生きていると知ったら。
「なのに……なんなんスか、御屋形様って」
「いや、俺に聞かれても……」
「特別な人の子なら煩悩や欲を捨て悟りの境地に至れる。天魔の誘惑や障害に打ち勝って……。それってつまり私のおかげッスよね? ……と、ようやく納得したッスのに! あの方ときたら欲望も煩悩も捨てないどころか、『その程度か?』みたいな冷めた目で見てくるッス!! 何をしても、どんな豪華欲望モリモリセットの夢幻を見せても! 返ってくるのは『で?』の一言!! うわぁ~~~~~~~~~んっ、私なんてっ、私なんて煩悩の権化とは名ばかりの下等生物なんッス! 魔王・天魔と称されて調子に乗っていただけのカス悪魔なんッスゥウウウウ!!」
つまり、欲望と煩悩の化身として恐れられた身なのに、その程度の欲望と煩悩じゃあ不足だと突きつけられ相手にもしてもらえなかったことで、今度こそポッキリと心が折れてしまったらしい。口調も性格も変わってしまうほどに。
数千年ぶりの誘惑対象としては相手が悪すぎたのだ。
何せ物欲系は全て自分で叶えられてしまう。どんな物でも羅針盤で見つけられるし、なければ創造できちゃうから。
それどころか異世界を幾つも知り、その独自の技術体系や知識も取り込んでいるハジメが相手では、地獄と地球しか知らない、それも二千年以上引きこもっていた存在では上回る物欲など示せるはずもなく。
なら、愛欲だ! と直接誘惑しても、それはむしろ悪手で。
だって、魔神の最愛たる吸血姫様に勝てるわけがないから。そこにシア達が加われば鬼に金棒どころの騒ぎではない。誰が女として勝てるというのか。むしろ、敗北感を徹底的に叩き込まれるだけである。
堕落の悦楽を最大の武器とする存在からすれば、ハジメは相性最悪だったのだ。
己の権能に打ち勝ち悟りの境地に至るような存在ではない。ある意味、己を上回る存在なのだ。それはショックを通り越して存在意義が揺らいじゃうというもの。
「お、落ち着いて! あいつは……ほら! 悪い意味で特別なんだ! そもそも頭にネジがないっていうか! ぶっ飛んでる奴だから!」
「そうよ! 人の身で地獄の支配者になっている時点で人として見ちゃいけないのよ! だから――」
「……分かります……分かりますよ。カーラさん、貴女の気持ち。所詮、私なんて名ばかりの女神。たかが一妖精の分際で選ばれし存在なんて調子に乗った、まるでダメなヒキニート……」
「ああっ、光輝! アウラがまた発作を!」
「くそぉっ、こんな時に愛子先生がいてくれれば! 取り敢えず、この〝鎮魂〟が付与されたアーティファクトでっ」
両手で顔を覆い、器用にも空中で三角座りし膝に顔を埋める女が二人。
この姿を見て、彼女達がかつて〝魔王〟や〝天魔〟、そして〝女神〟と呼ばれる存在だったなどと誰が思うだろうか? なんとも言えない悲しみが漂う……
光輝とモアナ二人がかりで卑屈系メイド天魔&元女神をなだめることしばし。
「え、え~っと、あれだ。俺から南雲に言おうか? もう放っておいてやれって。せめてメイド扱いはしないようにさ」
「そんなっ、メイド候補であることすら分不相応だと!?」
「あ、メイドには成りたいんだ……」
「もはやそれだけが私に残された存在証明の方法ッス!!」
家族を人質に取られた人みたいに必死に「それだけはやめてくれ」と縋り付くようにして訴えるメイド悪魔さん。
モアナとアウラロッドは思った。こえぇ……これが〝魔神式分からせ(無干渉無関心)〟の成れの果て……と。
ハジメからしたら、とんだ風評被害である。
「たとえメイドの長にすらなれず、人の子の部下に成り果て、序列すら低かろうとも……いつか、いつの日か! あの方を堕落させてみせるッス!!」
「あ、まだ諦めてなかったんだ……」
「意外に不屈ね……」
「仲間、じゃない……?」
「フヒッ、そう……そうッスよ。一部の人間が古来より挑む山登り。道中が苦しければ苦しいほど、頂にて遥か霊峰を踏みつける快楽は得も言われぬというッス。己を苦しめた相手を征服する喜びは何にも勝る悦楽というわけッスね」
「全ての登山家に謝ってもらっていいかな?」
「それはまさに最高のカタルシスッス。この私をこれほどまでに苦しめる御屋形様を堕とし、己のものとする日を思うと……クヒッ」
「あ、踏みつけたり捨てるんじゃなくて自分のものにしたいんだ……」
「ねぇ、光輝。これってつまり……」
「仲間じゃなかったです……この方、後ろ向きに前向きです……」
「諦めないッスよ、御屋形様……このカーラがいなければ生きていけない心に、求めずにはいられない体に必ずして差し上げるッスよ!!! フヒヒヒヒヒッ!!」
まぁ、本人が納得して魔神のメイドさんをしている――じゃなくてメイドさんになりたいというのなら部外者が口を挟むべきじゃないか。と、光輝とモアナは顔を見合わせた。
ちょっと呆れ顔というか、うんざりした感じで。
なんのことはない。結局、この元天魔メイドも魔神に心酔しちゃってる悪魔の一体に過ぎないのだろうと。相当こじらせてはいるようだが。
流石にここまで情報が出れば、光輝の脳裏には彼女の正体が浮かんでいたが、伝承上の名前と違うのも、ある種の心機一転の意味合いと対外的なアピールなのではないだろうか。もう魔王でも天魔でもない。魔神のメイドなのだと。
「はぁ、分かったよ。南雲には何も言わないから」
「いえ、カーラは実に優秀な案内役だったと絶賛付きの報告はしてほしいッス」
「意外に図々しいなっ」
消した結界を直ぐさま張り直したくなる光輝。心の隔たり的な意味で。
「ず、図々しい……そうッスね……私ごとき塵芥が人間様に頼みなど……万死に値するッスね……」
「め、面倒くさいなぁ――ってナチュラルに自害しようとするな!!」
どこからか取り出したナイフでいきなり自分の胸を突こうとするメイドさん。
「ご心配なくッス。悪魔は魂さえ無事なら死んでも復活するッス……ああ、なんて軽い命。その中でも私の命など紙風船のよう……紙風船に申し訳ないッス。カーラは悪い子! カーラは悪い子ッ」
「もう分かったから! それより下級悪魔達はどうなってるんだ!?」
ナイフの柄で自分の額を殴りつけ始める姿は、まるで某魔法使い映画に出てくる屋敷しもべ妖精の如く。
急いで話題転換を図る光輝に、カーラと名乗ったメイド悪魔はハッと我に返って居住まいを正した。
「失礼したッス。何やら狂乱しているようだったので幻を見せたッス。己の〝欲〟が叶う夢幻を」
「この数の悪魔それぞれの欲望を? それは……凄まじいな」
恍惚とした様子さえ見せる数千の下級悪魔達。その全てが瞬く間に夢幻の世界に囚われているという光景は、中々に背筋が寒くなる。
どこが一般無能モブ悪魔なのか。伝承の中で魔王や天魔と称されるのも納得だ。
光輝の中で戦慄と僅かな警戒心が首をもたげ、モアナとアウラロッドの表情も少し引き攣った。が、当のカーラは気にした様子もなく、
「一応、御屋形様のお客人だと私からも伝達したッスが……いくら下等生物共とはいえ、あの方の威光に気が付かないなんて……少々、気になるッスね」
と、訝しそうに下級悪魔達へ視線を巡らせ、「何はともあれ」と一拍。
「罰が必要ね?」
雰囲気が一気に変わる。傲然としていながら退廃的。他者を見下し、踏み躙り、嘲笑う悪魔らしい笑みが口元に浮かぶ。
途端に、悪魔達が恐慌を来たした。怯え、錯乱し、逃げ惑う。
「こ、これは……」
「な、何をしたの?」
「御屋形様にお仕置きされる幻を見せたッス」
「なんて恐ろしいことを!? あなたは悪魔ですか!?」
悪魔らしい顔は一瞬だけ。直ぐに卑屈で陰気な雰囲気に戻って答えるカーラに、しかし、だからこそアウラロッドは恐ろしそうに鳥肌を立ててモアナの背後に隠れた。
おそらく、先程の漏れ出た雰囲気と表情こそが彼女の本来の姿なのだろう。
「って、自害し始めたぞ。復活はするんだろうけど……」
「はいッス。そのうち適当な場所から生えてくるッス」
「そんな雑草みたいに」
だが実際、先程カーラが言った通り、地獄における悪魔は実質不死身だ。血と砂の風が、魂さえあれば悪魔の肉体を何度でも再生するが故に。
特に元から明確な肉体を持たない下級悪魔は、だからこそ、明確な実体を持った上級悪魔より簡単に再生できるので、むしろ一種の逃亡方法として死に戻り的な自害を手軽に選ぶらしい。
とはいえ、先程の戦争状態とは違う意味で阿鼻叫喚の様相を見せている下級悪魔達の姿は、正直、見るに堪えない。
どっちにしろ地獄のような光景だ。
なので、悪魔と地獄の特性を聞いて本当に死んでいるわけではないと少し安心しつつも、モアナとアウラロッドのSAN値は普通にガリガリと削られているようだ。もうこんなところイヤ……と顔に出ている。
それを察してか、カーラは本来の役目を果たすべく一礼した。
「下等生物共の暴走に関しては改めて調査と対応をするッス。取り敢えず、皆殺しにしておくっスから、どうかご容赦くださいッス」
「セリフが物騒すぎる……むしろ、容赦することを覚えてほしい気もするけど分かったよ」
「お迎えが遅くなったこともご容赦くださいッス」
「そこは気にしてほしい」
さりげなく自分の不手際もご容赦してもらおうとする点、やはり割と図々しい。
「そもそもなんで遅れたのよ」
「………はい……私はお迎えすらもまともにできないゴミムシッス……」
「責めてない! 責めてないわよ! 気になっただけだから!」
地雷原が多すぎるカーラさん。そうですか? と上目遣いで顔色を窺いつつ答える。
「道中で声をかけられることが多かったんス。何せ、お迎えの相手は勇者殿御一行ッス。御屋形様からも必要なら手助けするよう通達されているッス。つまり――」
「つまり?」
「御屋形様からの覚えめでたくなるような功績を挙げるチャンスッス! と誰もが思うッス」
「「「あ~~~」」」
必然、そうなれば重用される。いろんな世界に行ける! なんなら魔神軍としての序列も上がるかもだし、面白おかしい悲惨で地獄のようなイベントにも優先的に参加できる!! というわけだ。
「今の地獄は以前に増して、御屋形様に選抜されるために絶えず闘争が繰り広げられているッスから、下級悪魔共の戦争も日常茶飯事ッス。それで、連中の暴走にも気が付くのが遅れたわけッスが……」
ともあれ、案内の手助け、あわよくば役目交代を目論む上級クラスの悪魔達が、カーラが下層域にあるお屋敷から地上に出てくるまでの間に、それはもうわんさかと集まってきたわけだ。
「それで、その上級悪魔達は? 見た感じ周囲にはいないようだけど……」
「もちろん、勇者殿御一行を接待しているッスよ。連中の心の中では」
「「「……」」」
邪悪な笑みがカーラの口元に浮かんだ。暗く重い、病んでいるような笑みにゾクッとして、思わず口を閉ざしてしまう光輝達。
「それと道中、偶然にもいろいろと良い品を手に入れたッス。勇者殿に献上しますッス。御屋形様が喜ぶような品ではないッスから、どうぞご自由にお使いくださいッス」
「あ、はい」
それは〝盗んだ〟というのでは……と思った光輝達だったが、指摘しても悪魔的な笑みで誤魔化されるだけだろうと察し頷くだけに止める。
「代わりと言うわけでもないッスが、御屋形様への報告にカーラの遅刻は記載せず、むしろ良き品を献上されたとご報告いただければ幸いッス」
「良い性格してるなぁ」
「まぁ、でも下心ある連中が群がってくる面倒は回避できたわけだし……仕事はしてるわね」
「いっそ素直に現地妻アピールでもしたらどうです?」
光輝は思わず頬を引き攣らせ、モアナとアウラロッドは苦笑しつつ思わず呟いた。
それを聞いたカーラは、なぜか目をぱちくり。
次いで、ハッとした様子を見せて「ここッスか? このタイミングッスか! 御屋形様!」と独り言ちたかと思えば、次の瞬間。
少し芝居がかった様子で姿勢を正しながら「私は……」と一言。もったいぶるようにたっぷりと間をとって、再び美しいカーテシーを決めて……
「あくまでメイドですから♪」
キメ顔でそう言った。
光輝達は思わず顔を見合わせ、一拍。
「まったく南雲の奴……」
「あはは……彼女を屋敷のメイドにした理由、分かった気がするわね」
「ええ。きっと、これを言わせたかっただけです」
そう言って、呆れを含んだ苦笑を交わし合ったのだった。
遥か地下。
地獄の九階層の更に下の、悪魔達ですら〝禁域〟として寄りつかないマグマに満ちた灼熱の空間に、
――ピッ、ピピッ……ビッ、ガッ
まったく場違いな電子音が微かに響いた。
マグマの湖。その一角が不意に盛り上がる。マグマを滴らせながらズズズッとせり上がってきたのは三角錐の浮遊体。
――反……応……勇……因子……
電子音の言葉が微かに響く。同時に、三角錐の浮遊体は重力を感じさせない動きで灼熱の空間を進み出した。
動きは鈍く、不安定だった。
一見すると機械にしか見えないそれは、しかし、なぜだろう。必死に、這ってでも前に進まんとする人間のように感じられた。
そこに、不意の激震が走った。空間全体が震動し、マグマが波打つ。
まるで息を潜めるようにして動きを止める三角錐の浮遊体。
地震らしき揺れは直ぐに収まった。
一拍、二拍。
何かを確認するように僅かに輝いた三角錐の浮遊体は、再び動き出した。
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※ネタ紹介
・カーラ
フルールナイツの最後の候補。書いた通り「あくまでメイドですから」と言わせたくて(漫画『黒執事』のセバスチャンより)。
モデルは仏教において煩悩の化身とされるマーラです。悟りを開こうとするお釈迦様を邪魔する存在です。愛の神カーマと関連付けられているそうなので、本作では複合した名前にしました。
・匂い立つなぁ
ゲーム『Bloodborne』のガスコイン神父より。(修正:born⇒borne。失礼しました!指摘感謝!)
・なんの光ぃ!?
『機動戦士ガンダムZZ』のラカンより。
・マナーが人を作るんだ
映画『キングスマン』より。
・ヌイグルミに腹パン
『クレヨンしんちゃん』の桜田母娘(もえ子&ネネちゃん)より。
・カーラは悪い子! カーラは悪い子!
『ハリー・ポッター』の屋敷しもべ妖精ドビーより。
・キメ顔でそう言った
『偽物語』の斧乃木余接より。




