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ありふれた職業で世界最強  作者: 厨二好き/白米良
ありふれたアフターストーリーⅥ
545/545

幕間② 死ぬほど効果がある滝行




 何はともあれ、である。


 ハジメが質問を繰り返し、サスラが答える質疑応答が続くことしばし。


 おもむろに立ち上がり、右手の人差し指に何かを装着するハジメ。黒い金属製の指専用装甲……否、ナイフのように鋭利な先端からすれば爪状の暗器のような武器というべきか。


 気絶しているリチャードのもとに歩み寄り、傍にしゃがみ込む。


 何をするのだろう? と誰もが注目する中、


「尋問するより手っ取り早いんでな」


 ズブッと、黒い金属製の爪がリチャードの頭に突き刺さった。そのまま頭蓋骨なんて存在しないみたいに沈み込んでいく。それはもうケーキにフォークを突き刺すが如くスムーズに。


 ビックンッと跳ねるリチャードさん。誰もが突然の暴挙に絶句しちゃう。


 その間にも脳に到達した指先が小刻みに動いているようで、それに合わせて「あ、あっ、あああ、あ、あっ」と反射的な声が漏れ出す。ついでに体もビックンビックンと跳ねる跳ねる。


 目が半開きになって、口元からは(よだれ)が、鼻や目、耳からもツ~~ッと血が滴り落ちてくる……


 はっきり言おう。


「「「グロすぎだろぉ!?」」」


 浩介、淳史、(のぼる)が揃って魂の叫びをあげた。


 龍太郎は彼女(すず)の視界を塞ぐように胸元へ抱き寄せているし、鈴も鈴で龍太郎にしがみついて「ひぃっ」と声を漏らしている。


 優花と妙子、奈々も三人仲良く、まるでホラー映画のドッキリシーンを見た時みたいに抱き合っているし、


「やる前に一言、言っていただきたかったです!」

「やる前に一言、言ってほしかった!」


 レミアママと(シウ)お姉さんからも苦情が入った。それぞれミュウと陽晴を後ろから羽交い締めにするようにして抱き寄せて耳と目を塞いでいる。そして、


「あ、あ、あ、あ、あああああっ」

「甘衣さんっ、しっかり! 今、精神安定の魔法を――」

「君に決めた! スティックシュガー!!」


 目の前で脳みそをかき回している人間を見れば、普通は正気度を削られるだろう。


 愛子が素晴らしい速度で〝鎮魂〟しようとするが、しかし、甘衣さんの動きはもっと素晴らしかった。


 香織達が念のためにとカフェオレと一緒に買ってきてくれていたスティックシュガーの束を、流れる水の如き流麗さと風の如き素早さで一気に五本、口内に流し込んだのだ。


 じゃりじゃり。ごっくんっ。あま~い♡ 幸せ……


 もちろん、愛子は敗北者の顔になった……


 というのはさておき。


「お、おい、ミスター・ナグモ!? いったい何を!? 彼は一応、重要参考人で!」

「そ、そうです! まだ取り調べが! 殺さないで――いえ、その前になぜ、そんな残虐なことを!?」


 と、エージェントJとKも動揺しながら苦言を呈する。


「安心してくれ。別に殺すつもりはないし後遺症もない。記憶を脳から直接、俺の方に移すアーティファクトを使っているだけだ」

「「それを〝だけ〟と言い切れるあんたが怖いっ!!」」


 今度は健比古と清武が揃ってそっくりな引き攣り顔に。呪いの専門家さえ引かせる絵面……


 流石は魔神と呼ばれるだけはある。と緋月さんが大変感心し、ヴァネッサとクラウディアは邪悪の権化を前にしたように、あるいは猛獣を前にした子ウサギのようにプルプル震えていらっしゃる。


 シアとティオが苦笑しつつ確認する。


「ハジメさん、一応、記憶を探っているってことでいいんですよね?」

「妾も初めて見るアーティファクトじゃが?」

「ああ。こいつが去年のクリスマスの時から動いていたってんなら、記憶を見るのは時間がかかるからな」


 過去視の魔法は、現実への投影だろうと脳裏に浮かぶ形であろうと、結局、一連の流れを〝見る〟という方法であることに変わりはない。


 だが、このアーティファクトは違う。記憶を一種のデータとして抽出し、使用者の記憶領域に転写することができる。


 つまり、〝見る時間〟をショートカットして、知識として対象の〝記憶を知る〟ことができるのだ。


「な、なるほど。記憶を直接……」

「まぁ、そういうことなら……いい、のかな?」


 一応、納得するJとKだったが冷や汗が凄い。


 今も脳内をクチュクチュされているのだろう。その度に痙攣しながら「あ、あ、あ」と声を漏らすリチャードの姿を見れば無理もない。


 だって、玉虫色の粘体に勝るとも劣らない凄惨でおぞましい光景だもの。


「……ハジメ、記憶の転写って……大丈夫? バッチくない?」


 唯一まったく引いていないユエが、むしろハジメを心配して寄り添う。


 誰もが思った。ねぇ、見て? 目の前にすんごい痙攣している人がいるよ? なんか穴という穴から血混じりの体液を垂れ流してるよ? 心配する相手、間違ってない? と。


 もちろん、口にはしないが。


「ああ、平気だ。悪影響がないか悪魔共で何度も試したし……もう終わった」

「一応、王女なのに扱いの雑さで定評のある私がツッコミを入れておきますね? ハジメさんっていつもそうですよね! 悪魔さん達のことなんだと思ってるんですか!」


 もちろん、リリアーナ姫のツッコミは華麗にスルーされた。


 ズボッと指を引き抜くハジメ。手袋の指先からツ~~ッと何かが滴り落ちた気がしたが、みんな目を逸らしていたので気が付かなかった。


 視線を戻した時には既にリチャードは安らかな表情になっており、手袋にも何も付着していなかった。もちろん、リチャードの頭に傷なんて一つもない。綺麗なものだった。


 証拠隠滅も完璧である!


「な、南雲……そんな便利、便利(?)なもの作ってたんだな。〝ウルドグラス〟とか〝村人化〟の上位互換って感じか?」


 ちょっと引きながら、場の空気を和ませるように敢えて軽い口調で尋ねる浩介。


「まぁな。……欲しいのか?」

「いらないっす!!」


 大変元気の良いお返事だった。よく言った! と言わんばかりに浩介へ深く頷くクラウディア達。ラナだけ「え? いいの? こうくん。とても便利そうよ?」と少し迷っているあたり、実にハウリア。


「大体把握した。だが、あと一つ確認……というか早めに対処しておきたい」


 そう言って、ハジメは羅針盤を取り出した。魔力を流し、同時に瞑目して集中する。


 あまりにも深い集中だった。言葉を発することが躊躇われるほど真剣な雰囲気だ。


 一分、二分……


 妙な緊張感が漂う中、やがてハジメはゆっくりと目を開いた。なんとも苦々しい表情になりながら。


「なるほど。ハーフだからか、少し曖昧だがサスラは探知できる。だが、これだけ情報があってサスラという探知対象の見本も目の前にいるのに、〝隷属するもの〟は探知できないな」


 浩介達が「マジか……」と信じ難い様子で声を漏らし、ユエ達も目を丸くしている。あり得ないことが起きているのだ。当然だろう。


「サスラ。さっきの話だと、あんたは〝隷属するもの〟と精神感応できるという話だったな?」

「うむ、その通りだ。彼等は精神感応能力により離れていても互いを感知でき、思考や情報も共有することが可能だ。私は純粋な〝隷属するもの〟ではないので、ロードの細胞を有していても命令はできないが……彼等と共感し意識を誘導することは可能である。限られた範囲なら感知も可能だ」

「感知の有効範囲は?」

「そうだな……半径百キロ程度といったところか」

「よし。ユエ、こいつに昇華魔法を」

「……ん!」


 サスラが黄金の輝きを纏う。「お、ぉおおっ」と驚愕とも感嘆とも取れる声を上げるサスラ。


 直後、ハジメはクリスタルキーで〝ゲート〟を開いた。甘衣から聞いた襲撃現場付近だ。


 視線で促され、サスラは〝ゲート〟越しに精神感応能力を行使した。甘衣を襲った個体を呼び出すために。


「む、見つけた。三体……いや、五体いるな。一カ所に纏まっている」

「都合が良いな。ゲートからの方角と距離は?」

「しばし待たれよ。…………これは……南雲君。君の家の近くではないか?」

「……なに?」


 帰還者騒動や魔術師組織の動きから南雲家や周辺の地理は頭に入っているらしく、視覚共有で場所を特定できたようだ。


 だが場所が場所である。南雲家は要塞化しているし、ノガリを始め強力な護衛も多数いるが(すみれ)(しゅう)がいるはずなのだ。


 ハジメのみならずユエ達からも噴き出した剣呑な気配に、サスラは少し後退りつつも意識を集中した。


「今、意識を繋いだ。近くの公園に潜伏しているようだ。一応言っておくが、敵意は感じられない」

「……」


 ハジメは無言のまま家の近くの公園に〝ゲート〟を開き直した。


 サスラが誘導したのだろう。少しすると黒衣の男が五人、〝ゲート〟を抜けてやってきた。フードはしておらず、人種も年齢も様々だ。


 異質な気配はせず、ただ瞳にも表情にも感情が一切見られないので、そういう意味では異様であったが一見すると人間にしか見えない。


「あ、この人達! この人達です! 私を襲って、木刀を持ったリンちゃんになんか凄い技でぶっ飛ばされた人達! そっちの人が護衛の悪魔さんを呑み込んだ人です!」

「分かってる。リチャードの記憶にもいる。〝我等〟の構成員だ。……もっとも、中身は違うがな」


――テケリ・リ テケリ・リ・リ


 頭の中に微かに響いた不快な音。黒衣の男達の視線はサスラへ向いている。だが同時に、ハジメを強烈に意識しているようでもあった。


 なんとなく分かるのだ。彼等は酷くハジメを警戒していると。否、むしろ、


「……ふむ。どうやら魔神殿を畏れているようでありんすな?」


 〝畏れ〟に何より敏感な妖魔たる緋月が、黒衣の男達の内心を看破した。


「しかし、それ以上に欲求が……なに? 書物? 求めて? 気配だと? まさか、本当に……?」


 サスラが何か交信しているようだ。直後、黒衣の男達の視線が一斉にミュウへ向いた。


 なんの感情も感じられないが、だからこそ気持ちが悪い。まるで昆虫の目にジッと見つめられているような居心地の悪さ。


 ミュウは思わず「うぅ」と声を漏らし、レミアの足にしがみついた。流石のミュウも彼等の異質さを前にすると少々怯んでしまうらしい。レミアも庇うようにミュウを抱き締める。


「もう一度言うが彼等に敵意はない。大丈夫だ。……ところで、南雲君。変わった書物に心当たりは? クリスマスの時の〝書物〟に似た雰囲気の本とでもいうべきか……」

「それがなんだ?」


 答えはせず、黒衣の男達から視線を逸らさないままサスラに問い返すハジメ。


「彼等は〝書物〟を欲しているらしい。それを手に入れれば二度と姿は見せないと……甘衣君を襲ったのも殺す気はなく、彼女に擬態するための細胞が欲しかっただけのようだ」


 つまり、〝書物〟を預けられた経験のある彼女に擬態すれば、南雲家にあると彼等が思っている〝書物〟も渡してもらえるかもしれない、と考えたのだろう。


 何か言いたげなミュウを視線だけで制止したハジメに、サスラが補足する。


「交渉を望まれている、と考えてもらって構わない。相応の知能を獲得した個体達なので十分に可能なようだ。必要なら、君達の方から条件を提示してくれていいと――」

「そうか、分かった」


 サスラの代弁をハジメは遮った。


 そして、


「だが、その前に少し試しておきたい」


 そう言った次の瞬間だった。


「「「「「!!!?」」」」」


 世界が塗り変わった――と錯覚するほどの〝力〟が顕現した。


 圧倒的な気配が瞬く間に空間を支配する。黒衣の男達が、まるで神の降臨を目の当たりにした聖職者の如き速度で膝を突き、頭を垂れる。


 言葉はなくとも苦しそうな気配が伝わってきた。ガタガタと震えているのは恐怖からだろうか。あの奇怪な鳴き声さえも発せず、むしろ、必死に息を潜めているかのよう。


 あたかも小動物が猛獣を、否、神獣を前にしたかのような有様だ。


 それは、ただの黒衣の男達にのみ向けられた魔力の放出だった。否、放出自体は僅かだ。少なくとも、ハジメが纏った魔力量に比べれば、だが。


 そう、ハジメはただ魔力を纏っただけ。ただ、その魔力量と密度が常軌を逸していたのだ。


 大瀑布の水圧の如きプレッシャーを感じる……なんて表現では生温い。


 大海だ。まさに大いなる海の如く。果ても底も見えない。あるいは、星そのものを前にしているような……


 存在感も、感じるエネルギー量も文字通りの桁違い。ハジメの周囲の空間が、空間魔法も使っていないのに歪んで見えるほど。


 黒衣の男達は悲鳴も上げられない。それどころか、ついには精神的に失調したのか擬態も維持できなくなったようで瞬く間にドロリッと溶けてしまう。


 本性を現わし、しかし、何もできず地面の染みのように広がるのみ。


 誰も、何も言えなかった。


 〝限界突破〟を発動した時のような荒れ狂う魔力に晒されているわけではない。魔力放出の余波を浴びているわけでもない。物理的な影響は一切ない。


 なのに、ただ静かに佇んでいるだけのハジメに圧倒される。


 その存在感があまりに大きくて。過去に一度だって、あの決戦の時にすらここまでの強大な気配は感じたことがない。


 どんな強敵を前にしても、むしろ闘争心が増す鬼神が冷や汗を噴き出しながら後退りしていると言えば、その破格の存在感が少しは伝わるか。


 いや、それよりも、ユエ達ですら目を見開き、息を呑んで驚愕をあらわにしているという事実の方が伝わりやすいか。


「……悪くないな」


 一言呟いただけで、まるで言葉自体に力でも宿っているみたいに、どこか息苦しそうだった優花達やラナ達がバランスを崩してふらついてしまう。エージェントJやKなどは思わず膝をつきそうになって慌てて踏ん張っていた。


 そして、甘衣さんが脱兎の如く走り出していた。外へ通じる窓へ向かって、腕をクロスして一直線。たぶん、あれだ。映画のワンシーンみたいに窓をぶち破って外に逃げる気だ。


 なんという反射的逃走か。誰もが硬直している中でただ一人、逃走に動けるという点。なるほど、異能生存体などと呼ばれるのも納得である。


「いや、制御はまだまだか」


 流体金属の触手を伸ばして甘衣を捕まえ元の椅子に戻しつつ、ハジメは周囲に視線を巡らせて苦笑を浮かべた。


 眉が八の字を描いていて少しばかり申し訳なさそうだ。甘衣さんが「いやぁあああっ」と悲鳴を上げるので、なおさら。


 直後、尋常ならざる気配が、それこそ神と呼ぶに相応しい強大な存在感がフッと霧散した。


 無意識に息を詰めていた龍太郎達が「ぶはっ」と盛大に呼気を漏らし、エージェントJは膝に手を突き、Kは腰を抜かしたように尻餅を突いた。


 健比古や清武、それにクラウディア達もホッと息を吐きつつ冷や汗を拭っている。


「……ハジメ? 今のは何?」

「何って……見ての通り魔力を纏ったんだが」

「……ん、それは分かってる。私が言ってるのは魔力量の話。グラスプ・グローリアでも魔晶石からの放出でも、まして氣力でもなかった。ハジメの体内魔力だった」


 少しばかりの動揺がユエの瞳にあった。それはシア達も同じだ。


「そうですよ! なんですかあの馬鹿魔力! 今までのハジメさんの比じゃないですよぉ!」

「大樹の化身クラス……を軽く超えていたんじゃないかな?」

「うむ。単純な保有エネルギー量という点では、決して人の身では比肩できん存在のはずなんじゃが……?」

「限界突破も使ってなかったわよね?」


 ハジメが無限魔力を有し、〝氣力〟――地球のエネルギーを掌握しているのは周知の事実。


 だが、違う。ユエ達の言う通り、あれは間違いなくハジメの体内から溢れ出た、ハジメ自身の魔力だ。


 困惑を隠せないユエ達に、しかし、ハジメはむしろ困惑した様子を見せた。


「いや、何って……ユエ達は知ってるだろ? ちょいと新しい修行法を思いついたから試してくるって三日くらい留守にした時があっただろ?」

「……ん。覚えてる。雫達にも使徒化を施して、自分だけそのままっていうのは納得できないからって」

「あ~、後はあれですね。私が魔力と氣力の混合技を会得したものだから……」

「ちょっと拗ねてたの可愛かったね。俺だってもっと強化、なんなら肉体改造くらいしてやらぁ!って。ふふっ」

「ユエが妖精界の龍神達から信仰されて強化されたというのもあったんじゃろうなぁ。なぜ、妾ではないのかと妾自身もちょいと修練に励んだくらいだしの?」

「協力するって言ったのに、ハジメったら〝修行は一人でするもの〟なんて意地を張るんだから。いえ、この場合は男のロマンかしら?」


 ついでに言うと、深淵卿が香ば深度Ⅵに至った点も影響していたりする。


 その時は、ハジメの男心を微笑ましく思いながら送り出したのだが……


 だからと言って、である。


「帰ってきた後、魔力量が増えているのはなんとなく感じていたわ。でも、流石にさっきのあれは予想外よ。〝ちょっと修行してきた〟で説明がつくレベルじゃないわ」


 雫のジト目がハジメを襲う。さぁ、白状なさい。どんな無茶をしてきたの? と。


「え~っとだな、一応、説明はしたと思うんだ。ほら、せっかく無限魔力も氣力も手中にあるんだから、もっとプロセスを省いて個人の魔力として使えないかって話」


 自然魔力と体内魔力の違いの話だ。


 無限魔力というが、グラスプ・グローリアが発するエネルギーは〝天竜力〟である。それを魔力に変換し、更に体内に取り込んで個人の魔力にすることで魔法などに利用できる。


 もちろん、アーティファクトの動力にするなら個人の魔力に合わせる必要はないし、ユエ達に供給する無限魔力はアーティファクトを通して各々の個人魔力に変換される仕組みだが、基本的にはそういうプロセスが必要なのだ。


 つまり、使えるエネルギー総量は無限に等しいが、幾つものプロセスを経る分、瞬間出力という観点からすると宝の持ち腐れ感が拭えないのである。


 あたかも海から海水は引けるが、それを使うには浄水場を通して飲料水にし、各家庭に流して、蛇口から水を出し、それに各々の好みの味付けをして、ようやく飲む……というように。


「アーティファクトでプロセスを可能な限り迅速にクリアできるようにしてきたが、道具を使っている以上、かつてエヒトがそうしたように破壊されないとも限らない」


 もちろん、二度とさせないよう対策はしているが、この世に絶対はない。故に、だ。


「俺自身の強化は必須だ」


 その言葉には、妙に力がこもっていた。〝必須〟という言葉にも違和感を抱く。


 だが、それを指摘する前に、


「驚かせたなら悪い。そのために王樹のもとで〝龍脈〟を利用するって話はしたはずだが、説明不足だったな。たぶん、いろいろ焦っていたんだ……」


 どういうこと? と小首を傾げるユエ達へ、ハジメはバツの悪そうな顔になりながら告白した。衝撃的な事実を。


「実は〝龍脈〟にダイブしてた」


 ん? と更に首を傾げるユエ達。一瞬、何を言ってるのか分からなかったのだ。


 なので、ハジメは言い直した。


「〝滝行〟ならぬ〝龍脈行〟ってやつだよ。アワークリスタルを使って時間を引き延ばして、長期間、〝龍脈〟の中で〝氣力〟の流れに身を置いていたんだ」

「はぁあああああああ!? 南雲様!? 貴方はいったい何を考えているのですか!?」


 真っ先に反応したのは陽晴(ひなた)だった。〝龍脈〟に飛び込む……その恐ろしさを陰陽師として誰よりも理解しているからだろう。


 先程までの畏怖の宿る眼差しは霧散し、とんでもない狂人を見るような眼差しになっている。健比古と清武、それに緋月なんかもドン引きの様子。


「〝個〟が消失する大いなる流れだぞ……南雲君、なぜ生きているんだ?」

「精神も肉体も、なんなら魂すら呑み込まれて、いや、溶けて同一化し二度と戻れないはずなんだが……」

「魔神とはよく言ったものでありんす……今、わっちは生まれてからこの方、最大の畏れと呆れを同時に感じていんすよ……」


 伝説の鬼神にすら呆れを頂戴するハジメ。なるほど、確かにすっごく魔神。


 言ってみれば高地トレーニングのようなものではある。負荷の高い場所で特訓することで心肺機能が低地より効率的に上がる的な。


 確かに、全てが溶けて消えてしまうようなエネルギー流の中で耐久訓練をすれば、肉体どころか魂まで強化できるだろう。最も効率の良い強化訓練と言えるかもしれない。


 だが、家族からすればとんでもない話だ。普通なら自殺に等しいことをやっていたというのだから。全員の瞳からハイライトが消える。


「い、いや、待て、お前等。俺はちゃんと言ったぞ! ほら! あの撲殺神父! ダイム長官が氣力を長年浴びたことで、あの強さを得たんなら同じようなことできるかもって! だから王樹とライラ、宝樹とエンティにも協力してもらって、ちょいと試してくるって!」


 必死に言い訳(?)をするハジメの姿は、とても先程のあり得ない気配を出した存在とは思えなかった。


 むしろ、密かに一人で遊びに行って家族にバレた休日のお父さんみたいというか。


「……むぅ。確かにそう言ってた」


 そう、確かに言っていた。だから、勘違いしてしまった。


 ダイム長官は〝龍穴〟から湧き出る〝氣力〟の豊富な土地で半世紀以上の時を過ごしたことで、あの大きな力を得た人だ。だから、ハジメも同じような穏やかな方法で自己強化できないか〝試してくる〟のだと、そう思い込んでしまったのだ。


「それに、俺だって馬鹿じゃない。安全策は何重にも施してた。ライラとエンティの協力で、そもそも〝龍脈〟の〝氣力量〟は調整できる。万が一に備えてアーティファクトでも対策したし、俺自身も使徒化理論の応用や肉体の一部アーティファクト化で肉体改造して強度を上げたうえで試したんだ」


 もちろん、ハジメの肉体的変化に気が付かないユエ達ではないし、その点は説明も受けていた。


 体内金属要素のアーティファクト化や、骨格の一部が〝神結晶製〟に変わっているのも知っている。


 確かに、家族に隠して命に関わるような危ない真似をしていたわけではないということは理解した。


 だが、それはそれ、これはこれだ。


 何せ一般人の理解の範囲で表現するなら、防護服も引き上げる人もいて問題ないから硫酸のプールに飛び込んできた、と言われたようなものなのだ。


 肝が冷えたことに変わりはない。なんとも渋い表情になるユエ達。


 それを見て、ハジメは改めて説明不足を実感。眉を八の字にする。


「悪かったよ。……さっきも言ったが、たぶん焦っていたんだ。あの修行をすれば肉体どころか魂魄も強化できるって確信があった。なら、やるべきだ。やらないといけない。絶対にって……強迫観念にも似た焦燥感が、あの時の俺にはあったんだと思う。」

「……ん。ハジメが〝龍の事件〟以降、そういう心持ちだったのは知ってる。私も、もっと注意すべきだった」


 ユエもまた困り眉になってハジメの胸元に手を添える。シア達もユエの言葉に同じような表情になって、ハジメに寄り添った。


「あはは……お互いに危険度の認識に差があったということですね。よくあることですよ」


 視界の端で地面の染み――もとい、スライム状になっていた〝隷属するもの〟達が動き始めたのを見て、今の状況を思い出したらしい。


 話の内容的に置いてきぼりを食らっているエージェント達もいるので、リリアーナが空気を変えるように柏手を打った。


 それに助け船を出すように、ほんわか空気を醸し出しながらレミアも続く。


「ですね。なので、ユエさん、皆さん。取り敢えず、今回の件が片付いたら改めて家族会議するということでどうですか? まだ何か重要なことを伝え忘れているかもしれませんし、ね?」

「家族会議は別にいいんじゃないか? 他に危険なことは別にしてないし……そりゃあ教えていないアーティファクトなんかはいろいろあるが……」


 苦笑いしながら言うハジメに、レミアはニッコリ。ただ可愛らしく小首を傾げて、「あらあら」と微笑んだだけ。だけだが……


「…………か、家族会議……するか」


 ハジメは敗北した。ユエはレミアへグッジョブとサムズアップした。


 何はともあれ、だ。


 今のハジメが可能な技術の粋を集めた肉体改造と、〝氣力〟の掌握かつ大樹の化身達の全面バックアップがあって初めて可能な〝龍脈行〟という荒行があって、あの馬鹿げた魔力を獲得するに至ったらしい。


 と、なんとなく理解した浩介達と龍太郎達。


 浩介は苦笑いを浮かべて、「な?」と緋月達に視線を向けた。


 妖精界で問われたハジメの強さ。その一端を目の当たりにして、「俺の言ってたこと分かったろ?」と言いたげに。


 ラナは「フッ、流石ボス」とドヤ顔で、クラウディア達は引き攣り顔で、そして緋月は「参った」と肩を竦める。


 そんな中、這いずる〝隷属するもの〟達がハジメの前に集った。


 人の姿にはならない。まるで、その許可を貰っていないとでも言うかのように、そこから微動だにさえしなくなる。


「あ、ああ、その、いいだろうか?」


 サスラが遠慮がちに声を出す。ハジメの顔色を窺うように。彼女も、相当肝が冷えたらしい。ハジメの力が想像の埒外にあると理解して、未だに動揺している。


 ハジメの表情が瞬時に切り替わった。ユエ達に向けていたのとは雲泥の差がある温かみの欠片もない顔に。


 無言のまま視線だけを向けてくるハジメに、サスラは襟を正すようにして代弁した。


「彼等から恭順の意志を感じる。貴方に全面的に従うようだ」


 最初は交渉を持ちかけた〝隷属するもの〟達が、今度は〝恭順〟を示した。


 その本質がハジメを〝隷属すべき相手〟と認めたらしい。


「そうか。どうやら〝精神感応〟でも〝魔術〟でもなく、純粋な〝力の差〟でも有効なようだな」


 それはすなわち、こちらの〝力〟が十分に彼等という存在にとって脅威になり得るということ。それこそ、ハジメが一番知りたかったことだった。


 何せ、羅針盤の探知能力を無視する手合いなのだ。何が有効で何が無効なのか、あるいは効果が薄いのか。浩介からの戦闘情報も得ているが情報は多い方がいい、ということだ。


「おい、お前等の中で、ついさっき彼女を――愛子、悪い」

「ああ、はい、大丈夫ですよ」


 玉虫色の粘体から逃れてハジメの元へ来たのに、そのハジメから放たれた鈍色の流体に拘束されてしまった甘衣さんの心情は推して知るべし。


 その恐怖に染まった瞳は何より雄弁に物語っていた。「信じていたのに! 貴方も人間じゃなかったんだ! もうダメだぁ、今日という今日こそおしまいだぁ~~」と。


 愛子先生、出番です。心のケアを!


 というのは脇に置いておいて。


「数日前に彼女を襲い、護衛の悪魔を取り込んだのはどいつだ?」


 モコッと膨れ上がる一体の〝隷属するもの〟。かと思えば、その膨らんだ部分からドパッと何かが放出された。とても吐き気を催す光景なので、みんな目を逸らした。


――ぐげぇ、うごごごっ


「やっぱり無事だったか」

「や、やべぇ。玉虫色の粘体から粘液塗れの悪魔が出てきたぞ……」

「羽の生えたぬるぐちょのゴブリン……絵面が最悪なんだが」

「この世で最も汚い光景が目の前に――おぇっ」


 龍太郎が、またも「見ちゃいけません!」と言いたげに鈴を抱き締め、淳史が両手で顔を覆い、そして昇は吐いた。汚なっと優花達が慌てて距離を取る。


 ハジメ自身は動じた様子もなく、


「いくつか質問に答えてもらうぞ」


 〝念話〟や、サスラを経由しての思考共有なども試しながら、時に険しい表情にもなりつつ問いかけを繰り返した。


 時間にすると五分程度だろうか。溜息交じりに首を振ったハジメは、


「いいだろう。敵対の意志は元よりなかったと判断しよう。最初に取り込んだ悪魔達に関しても、まぁ、不問にしてやる」


 そう告げて手元に流体金属の一部を集合させた。錬成魔法のスパークが走り、拳大のボールが五つ出来上がる。そして、それぞれ流体金属の流れに乗って〝隷属するもの〟達の前に運んだ。


 グリムリーパーを保管するのによく使われるモンス○ーボールモドキ、そのバージョンアップ版だ。拘束性と、いざという時の中身への破壊力が爆増している。


「体積の増減くらいできるんだろう? 入れ。それを以て従属を認めてやる」


 なんとなく金属ボールの危険性が伝わったのだろう。魔神の目が何より雄弁に告げていたから。「俺に生殺与奪の権利を握られる覚悟はあるのか?」と。


 一瞬、ぶるりっと震えた〝隷属するもの〟達だったが、迷いは翻意の証と取られると考えたのか躊躇いなくボールに触れた。


 途端に真紅の光が瞬き、〝隷属するもの〟達が吸い込まれるようにして消えていった。


 再び流体金属が動き、そのまま呑み込むようにして金属ボールを回収していく。


「〝シ○ゴス〟ゲットだぜ」


 と、笑って振り返るハジメさん。


 誰も笑ってくれなかった。普通に気持ち悪い光景だったろうし、先程の存在感に対する畏怖の念がまだ残っているだろうから、敢えてユーモアを見せてみたのだが……ダメだったらしい。はずかしい。


「そ、そんなポケ○ンは嫌だぁ~、なんつって」

「メ、メタ○ンに謝れ~なのぉ~~」


 頑張ってツッコミを入れてくれた浩介とミュウ、プライスレス。


 心の中で礼を返しつつ、ハジメは咳払いで誤魔化した。そして、椅子に座り直すと気を取り直して、指を一本立てた。


「だいたいは把握できた。簡潔に、時系列に沿って、何が起きているのか情報を共有しよう」


 浩介達やエージェントJ達も表情を改め椅子に座り直す。


 ハジメに視線で促されハジメの影に消えていく悪魔を、意外にも甘衣さんが申し訳なさそうに見送っている。


 玉虫色の粘体×悪魔のコンビネーションSAN値削りに耐えたのは、護衛悪魔が無事だったことへの安堵が勝った故か。それとも一目散に逃げたことへの罪悪感故か。


 いずれにしろ、性根が良い人なのは間違いない。護衛悪魔もそれを感じてかゲゲッと耳障りな笑い声を出しつつ、サムズアップしながらハジメの影に沈んでいく。某ターミ○ーターの如く。


「あ、アイルビーバックは……大丈夫です、はい」


――グゲッ!?


 ちょっと悲しそうな護衛悪魔だった。


 という一連のやり取りに苦笑しつつ、ハジメは視線を巡らせた。


「まず、前提情報の確認と共有だ」

「助かる。新しい情報のオンパレードで頭の中がわちゃわちゃしてるからな」


 困り顔の浩介に、この場のほとんどの者が強く頷いた。ただでさえ精神的な衝撃を受けっぱなしなのだ。一度、落ち着くためにもワンクッション置いてもらえるのはありがたい、という気持ちはみな同じらしい。


「整理しておくべきは大きくわけて二つ。探索者と崇拝者。そして、創作神話の存在だ」


 崇拝者とは、外宇宙から来訪したと言われている神々を崇拝する者。その目的は組織や人物により二つに分けられる。


 ただ外宇宙の神々を崇拝し、彼等に奉仕することが目的の狂信者達。


 そして、神の力を利用ないし恩恵に預かりたい者達だ。


「リチャードは後者だな。まぁ、生まれた時に施された魔術と〝門の神〟からの干渉でかなり狂信的になってはいるが」

「で、リチャード達の目的は〝門の神〟に新しい世界へ連れていってもらうこと。より正確に言えば、〝滅びるこの世界〟からの脱出だよな?」


 浩介の確認にハジメは頷いた。


「崇拝者の組織は信仰する神の数だけあるようだ。長い歴史の中で滅びた組織も、そして滅んだ神もいるようだな」

「……ん~、それを成したのが探索者? 甘衣やサスラのような?」

「私は違います! 一般人です!」


 バスガイドの譲れない主張は脇に置いておいて。サスラは首を振った。


「探索者は確かに崇拝者の凶行を止める存在。私自身、過去に何度も組織を潰したことがある。だが、神は無理なのだ。神に対抗できるのは神だけであるが故に」

「神同士の抗争があったということね」


 きっと、多くの人間が巻き込まれたのだろうとラナが嫌そうな顔になると、サスラは苦い表情で頷いた。歴史上の少なくない不可解な集団失踪や死傷事件の真相は、まさにそれなのだと。


「探索者や崇拝者の中には魔術を使える者もいる。探索者は野良のエクソシストのようなものだが、崇拝者の方は魔力とも氣力とも微妙に異なる独自のエネルギーを動力にしているようだ。おそらく、外宇宙の神に関係する力なんだろう」


 魔術師の存在を羅針盤は捉えられる。が、広域検索をかけた時に危険分子と判断できなかったのは、おそらく外宇宙の神の影響のせいだ。ある程度ではあるが、彼等にも隠蔽効果がついていたのだろう。


「で、肝心の外宇宙の神とやらに関してだが……」


 羅針盤に反応しない。基本的には隠れ潜み、目立たないことを最重要とする。人に影響を及ぼして手駒として動かし、時には〝隷属するもの〟のような神話生物や、直接的あるいは間接的に〝書物〟のような独自の〝力のある道具〟を生み出し暗躍することもある。


 そんな彼等がどこから来たのか、その正体はなんなのか。


 リチャードの記憶に答えはなく、サスラも〝隷属するもの〟にも問うたが残念ながら不明だ。


 ただ、サスラの経験や、かつて彼女が父たるロードから聞いた話からすると、まともな意思疎通が出来るような存在ではないらしい。


 一種の、狂気という概念を具現化したような存在とでもいうべきか。


 〝隷属するもの〟達から伝わった思念からしても、狂おしいまでの生存への執念と何かへの恐怖が伝わってくるだけ。あくまで外宇宙の神の創造物にすぎない故だろう。


 ただ一つだけ分かっているのは、そんな彼等の目的だ。


「魂を回収する悪魔でも妖魔でもない存在。世界の滅びを予言し、回収した魂をエネルギーにして世界からの脱出を目論む者達……だな。リチャードやサスラの話からすると」


 来たる滅びの日まで身を潜め、次の世界へ行くための力をひたすらに蓄えること。それが外宇宙の神々の目的。


「私からすれば、終末の予言など歴史の中では枚挙に暇がない。人間に魂を回収させるための方便ではないかとさえ思っているがな」


 そもそもの話、気の遠くなるような時間をかけているとはいえ、神々がやっていることは大量殺人のようなものだ。


 先程も言った通り神々や組織同士の抗争で多くの人間が巻き込まれたりもした。国同士の戦争の裏に崇拝者がいたなんてこともある。


 とすれば、だ。


「奴等こそ滅びをもたらすものでは? と考えるのは自然だろう?」

「「「「「それはそう」」」」」


 肩を竦めるサスラに、龍太郎達が思わず同意した。


 何はともあれ前提知識は共有されたと、ハジメはサスラの推測には特に言及せず本題に入った。


「事の発端はクリスマスの事件だ」


 リチャードの記憶、サスラの情報、浩介達と甘衣が遭遇した襲撃……


 自身も情報を整理するように虚空に視線を彷徨わせながら、ハジメは繋ぎ合わせた一連の事件の真相を語り始めた。



いつもお読みいただきありがとうございます。

感想・意見・誤字脱字報告もありがとうございます。


中々話が進まず申し訳ないですが、幕間は次の③までなのでご容赦を。


※ネタ紹介

・指鎧で脳みそクチュクチュ

 『風の聖痕』&『HUNTER×HUNTER』より。『風の聖痕』では手袋を使用。流石に『HUNTER×HUNTER』みたいに頭蓋骨パカッは甘衣さん以外のSAN値も削れちゃうので。

・もうダメだぁ、今日こそおしまいだぁ

 『劇場版ドラゴンボールZ 燃え尽きろ‼ 熱戦・烈戦・超激戦』のベジータより。

・メタ○ン

 『ポケットモンスター』のメタモンより。

 

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― 新着の感想 ―
何気に護衛悪魔すごくね?手加減があったのか回復の描写が省かれたのか知らんが彼らの中から出てきて正気保ってそうだぞ こーれ、甘衣さんと同じタイミングで逆に先制攻撃を狙う後輩ちゃんが幻視できます
流石MAD錬成師魔神HAJIME…色々と躊躇なさ過ぎィ!
やっぱり風の聖痕ですよね。 脳クチュと描写を見て「スッゲー懐かしい」って思いました。 本当、惜しい方を亡くしました……
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