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ありふれた職業で世界最強  作者: 厨二好き/白米良
ありふれたアフターストーリーⅥ
536/540

深淵卿の夏休み編 持っていかれがちな陰陽師

少し遅れました!すみません!



 シャンシャンシャンシャンッとベルの音が響いていた。


 粉雪が降る夜空に。


 音の発信源は、六頭の立派なトナカイに引かれている大きなソリだ。


「ふわぁ~」


 トナカイ達が跳ねるように宙を踏み締める度に美しい光の波紋が広がり、牽引されるソリからは光の粒子が散らばって美しい軌跡を描いていく。


 素晴らしく美しい、心躍る光景だった。子供の頃、誰もが夢に見ていた奇蹟が、そこにはあった。


「ふわぁ、ふわぁ~~」

「ほーーほっほっほっ♪」


 先頭で手綱を握っているのはもちろん、赤と白の服を着て、ポンポン付きの帽子を被り、たっぷりの白髭を生やしたお爺さん。


「あ、あの! 一緒に写真を撮らせていただいてもよろしいでしょうか!」


 大きな空飛ぶソリには、本来乗っているはずのない者達が複数人。


 そのうちの一人――頬をぽわぽわに染めて、瞳をキラッキラに輝かせる少女がペコッと頭を下げておねだりする。


 そのお願いに、お爺さんは肩越しに振り返り、パチンッと茶目っ気たっぷりのウインクをした。こっちにおいで、と言うように手招きもしてくれる。


 パァッと表情を輝かせて駆け出す少女。お爺さんの隣にいそいそと並び満面の笑みを浮べる。互いに身を寄せ合い、取り出したスマホを自撮りモードにして……パシャリッとな。


「ありがとうございますっ!! 宝物にします!」


 丁寧に頭を下げてお礼を口にする少女に、好々爺というべき笑みを浮べ、お爺さんはグッとサムズアップした。


 スマホを宝物のように胸元に抱え、トテトテと空飛ぶ巨大ソリの中程に戻ってきた少女――藤原陽晴(ひなた)は、ちょっと前まで血の雨を降らせながら鬼の心臓を抉り出して呪いの道具を作ろうとしていた人物とは思えない、如何にも少女らしい夢心地といった様子で呟いた。


「サンタクロースは、本当にいたのですね……」


 そう、サンタクロースである。


 ここは妖精界。語り継がれる想いが集まり、一つの存在として生まれる世界。


 ならばワールドクラスで有名な()の御仁が存在しないはずもなく。


 ではなぜ、サンタクロースのソリに乗って夜空を駆けるなんて状況になっているのかというと……


 茨木童子から無事に、いや、無事とは言い難いかもしれないが、とにかく呪具の素材がいろいろ(むし)り取られたところを見届けた後のこと。


 白目を剝いたままピクリッとも動かなくなった茨木童子は、まるで屍のようだったが、緋月が直ぐ元に戻るから放置でいいと言うので、同情しつつも従うことにして。


 ちょっと頬を血に濡らしながらニコニコ顔で、「真実(まなみ)姉様は描くことが得意ですし、筆ペン型の呪具にしましょう。隙なく契約を結ぶためにも、呪具作製には少しお時間を頂きますね?」と笑う陽晴に、当の真実が「あ、はい」しか言えなかったのは言わずもがな。


 もちろん、浩介達が「陽晴ちゃん……恐ろしい子ッッ」と戦慄したのも言わずもがなである。


 で、気を取り直した浩介達は、観光に来ただけなのに初っ端から決闘騒ぎやら乱闘ありきの宴会ばかりだったこともあって、せっかく最古の妖精郷にいるのだからと、そのまま見学ツアーをすることに。


 だが、果たして我の強い神仏妖魔が、宴会の主役がいないことにいつまでも納得できるかと問われれば、それは無理な話で。


 当然の如く彼等・彼女等は妖精郷マグメルに押し寄せた。もちろん、妖精達は大変ビビった。


 怒ったブラウが思わずぶるぁあああああっして全員叩き出しちゃうくらいには、大変な混乱ぶりだった。


 もちろん、神仏妖魔達からはブーイングの嵐である。


 彼等はどうしても、深淵卿と、引いては例の魔神関係者と関わってみたくて仕方がなかったのだ。そして、我慢なんて概念は彼等にはなかった。


 欲すれば戦え! 勝てば得る! 負けたら……また来世で戦おうな! の精神だから。


 浩介は思わず呟いた。子供かっと。


 とはいえ、それが神仏妖魔というものだ。あるいは、血の気の多い存在だからこそ鬼の決闘を聞きつけてあの場に集まっていたのかもしれないが……と苦笑しつつも納得し、天樹周辺の観光は後回しにして、彼等との交流を優先することにしたわけだ。


 で、始まったのが〝己の領地への招待合戦〟である。


 やっぱり争うんかいっと、浩介達が揃ってツッコミを入れたのは言うまでもない。


 ブラウがぶるぁあああああっして、強制的に順番を決めてくれなければ今も〝深淵卿一行の観光地決定戦〟は繰り広げられていただろう。ラグナロクかよ、と思うような神話クラスの闘争の中で。


 そう思うと、だ。


「なんだかんだブラウも随分と女神業が板についてきたよなぁ。初めて会った時は、あんなに気弱だったのに……」

「うふん♪ お褒めに与り光栄よん♪」


 ぱちんっと強烈なウインクが、呟く浩介に返された。今回の観光には、念のためにとブラウも付いてきてくれるのだ。


「各地への送迎役さえ誰がやるかで争い始めた時は、本当にどうしてくれようかしらんって思わずパンプアップしちゃったけれど……彼が来てくれて良かったわん♪」


 ブラウが改めてサンタクロースさんを見やる。


 浩介達と関わりたい存在は、何も各地の己の領地を持つ神仏や大妖怪の類いだけではない。有名だが自領を持たない存在や、住居はあるが招待するほどの場所ではないような存在も、その気持ちは同じだ。


 ということで、各地に向かう移動手段くらい自分にやらせろ! と名乗りを上げる者が多数いて。


 で、ブラウがラスボスみたいな闘気を噴き上げながらアルマゲドンが開始されそうになったその時、シャンシャンシャンッと彼が降りてきたのだ。


 まだ昼間の妖精界の空を、雪降る聖なる夜に塗り替えながら。


 どうやら、並み居る神仏妖魔も彼には一目置いているようで。


「流石はサンタさんね。あっという間に話をまとめた挙げ句、あんなに我の強い人達に送迎役の一番手を譲られるなんて……」

「ふふ、きっとエミリー博士が良い子だから助けにきてくれたんですよ」

「何よ、ヴァネッサ。私がまだ子供だって言いたいの?」


 ジト目になるエミリーの頭を、ヴァネッサは微笑ましげにポンポンした。


 サンタクロースが現われた時、陽晴と同じくらいはしゃいでいたのを思い出したからだろう。あるいは、大人ぶって前に出ないだけで、陽晴が写真を撮ってもらう姿を羨ましそうに見ていたことに気が付いていたからか。


 たまに見せるお姉さんの表情にエミリーはほんのり頬を染める。


「遠藤様! 遠藤様! サンタさんですよ! わたくし、サンタさんとツーショットを撮ってしまいました!」


 夢心地から戻って、喜びを爆発させる陽晴ちゃん。かわいい。ぴょんっぴょんっと跳ねながら頬を薔薇色に染めている。かわいい。


 これには浩介もにっこり。


「うんうん良かったね陽晴ちゃんかわいい」


 なんて思わず心の声もダダ漏れちゃう。もちろんラナ達も揃って慈しみの表情だ。陽晴には何かと厳しい(シウ)ですら、「くっ、かわいい……」と緩みそうになる頬を一生懸命つねっている。


 普段は歳不相応に大人びた陽晴だ。だからこそ、たまに見せる無邪気な姿の破壊力は凄まじい。浩介は当然、お姉さん組のハート直撃である。


 ただ、クラウディアとアジズだけは、微笑ましく思いつつもどこか緊張が滲む面持ちだ。というか、サンタクロースが登場してからずっとだ。


 当然だろう。何せ、サンタクロースとは、


「あの方の起源は聖ニコラウス様。……いや、しかし、彼はあくまで想念から生まれた妖精界の存在であり、当人ではない。そもそもサンタクロース自体も創作的な伝承の方が多く……ああでもっ」

「アジズ、落ち着きなさい。気持ちは分かるのですけど……」


 そう、サンタクロースの起源となったとされる人物は、クラウディア達にとって雲上人というにも等しい偉大なる聖人だ。


 感覚的には、一般の敬虔な信者のもとに教皇猊下が突然現われ、「どこか行くの? なら乗って行きなよ!」と告げられたようなもの、といえば少しは二人の心情に共感できるだろうか。しかも運転手は教皇猊下。それは動揺もするだろう。


「たとえ本人でなくとも、あの方は聖ニコラウス様を起源とする伝承への人々の想いからお生まれになった存在なのです。確かに、私達が敬愛を捧げるべき偉大な聖人であることに変わりはない……と思うのですよ」


 そう言って、先程から十字架に手を添えて神妙な面持ちでいるクラウディア。


 流石は聖女というべきか。伝説の聖人を前に、聖女と称されるに相応しい落ち着き具合、そして神秘的な雰囲気を放っている。


「あの、クレアお姉さん、そろそろおでこの傷、手当した方が……」


 アジズ越しに真実がハンカチを手にしながらオロオロ。


 仕方のない話だ。だって、神妙に、厳かに、そして聖女然としたクラウディアの額には今も薄らと血が滲んでいて、額の周囲は当然、頬にも土埃がべっとり付いているのだから。


真実(まなみ)さん、(むご)すぎますっ。思い出させるような残酷な真似はやめてあげてくださいっ」

「えっ!?」


 思わず叫ぶアジズ君に、真実が「心配してるだけなんだけど!?」と目を白黒させるが、アジズは忸怩たる思いが滲む様子で拳を握り、首を振った。


「姉さんの羞恥心が既に限界突破しているのは分かるでしょう? ただソリに乗るだけで、あんな芸術的なピタゴラスイッチを……くっ、俺がもっと気を付けていれば、あんな悲しい事件は回避できたのにっ」


 そう、例のあれである。よりにもよって、いや、伝説の聖人を前にしたからこそか。


 クラウディアさん、やらかしたのである。


 ソリに乗り込む際に躓き、顔面ダイブを決め込んだだけならまだマシだった。だが、そこから呪い(?)、否、特技(?)が発動。


 名状し難い動きで七転八倒した挙げ句、周囲にいた小妖怪をボーリングのピンのように巻き込んだのである。


 で、彼等も彼等で驚き、中級クラスへ波及。中級クラスは大妖怪クラスへ。そして神仏へ……といった具合にピタゴラして。


 まぁ、最終的に、どんなにピタゴラしても無傷だった聖女クラウディアに、血が滲む程度とはいえ傷を負わせることに成功したのだ!……じゃなくて、珍しくも傷を負ってしまったという事実から、その混乱ぶりは推して知るべし。


 サンタクロースさんは、唖然とした様子で固まっていた。奇蹟でも目の当たりにしたような、こんなことあり得る? みたいな表情だった。


 そして、浩介達は、あまりの居たたまれなさに助けることもできず、両手で顔を覆ったまま共感性羞恥心に震えた。


 という、ある意味での地獄絵図が出来上がったのである。


「アジズ? 何をおかしなことを口にしているのですか? ――何もなかった。滞りなく私達は出発した。そうでしょう? そうですね? そうだと言いなさい――言え」

「は、はいっ、姉さん! 何もありませんでした! 俺達はつつがなく出発しました!」


 聖女にあるまじき〝圧〟。普段は絶対に口にしない命令口調に、アジズ少年は思わず立ち上がって敬礼した。


 それはまぁ、出発してから誰もクラウディアの方を見ないし、傷の手当ても申し出たりはしないだろう。


 何もなかった。


 クラウディアの言う通り、そういうことにしておくのが最大の配慮だ!


「わ、わたくし、ミュウちゃんやクーネちゃんに自慢したいです! サンタクロースさんとのツーショット写真!」

「そうだね! 良いお土産話ができたね!」

「わたくし、トナカイさん達の写真も撮っていいか聞いてみます!」


 クラウディアの方を見て目が泳ぐ陽晴だったが、サンタクロースに会えた喜びは本当なのだろう。


 直ぐに気を取り直してサンタさんのもとへ戻っていく。


 その後ろ姿を見て、ラナが思わず「ふふふっ」と慈愛溢れる声を漏らす。


「陽晴ちゃん可愛い……真顔で心臓を抉る姿はハウリアの子供達にも見習わせたい迫力があって素敵だったけれど、こうして年相応なところを見るのも良いわね」

「見習わせたいって部分は余計だと思う」


 こうくんのツッコミはスルーされた。


「ねぇ、こうくん。ボスのところは来年から新しい家族を迎える準備をするじゃない?」


 ラナが肩を寄せてきた。至近距離から流し目が送られてくる。浩介の肩がピクッと跳ねた。


「ああいう無邪気な姿を見ていると……私達も欲しくなっちゃうわね?」

「……」


 熱い吐息混じりの耳元に囁くような声音に、思わずぞくりっと身を震わせちゃう浩介。同時に、言わんとするところを理解して動揺もしちゃう。


「う、うちはうち、よそはよそ……じゃないかな?」


 我ながらクソのような回答だと、浩介は更に視線を彷徨わせた。


 ハジメから話は聞いているが、よく決断したものだと思うのだ。浩介的に。お、漢だぜ、南雲……と。


 大学生活も始まったばかりの自分には心構えなんてできていないし、まだまだできそうもない。


 そもそも誰かの父親になっている自分をまったく想像できないし、自信もない。


 なので毎回、曖昧な回答になってしまうのだが……


「ふふ、まぁそうよね! 私達は私達のペースでいきましょう? まだ七人目のお嫁さんも見つけられていないんだし! 」

「七人にこだわるのやめない?」


 いつもあっさり引き下がるのはラナなりの配慮なのだろうか。それもまた、ちょっと我ながら情けなく思えてしまうが、ホッとしてしまうのも偽らざる心情だった。


 ふと、前を見る浩介。


 陽晴ちゃんが、自ら作り出したチビ(からす)天狗(てんぐ)型の〝式〟にスマホを持たせて飛ばし、正面からの写真を撮ってはしゃいでいる。で、その隣にいるサンタクロースさんが肩越しに振り返っていた。


「君達の子に聖夜のプレゼントを贈れる日が楽しみじゃよ。未来の子供達に祝福を! ほ~ほっほっほっ!!」


 サンタクロースさんの視線がス~ッと流れた。一人一人に。


 そう、ラナだけでなく周囲のエミリー達にも。ボッと赤くなるエミリーとクラウディアと、なぜか朱。そして、そうでしょうとも! と胸を張るヴァネッサと緋月。


「祝福の贈り主に、生まれる前から祝福を(たまわ)るとは。愛しの君? わっち、はよう子が欲しいでありんす」


 ラナほど容赦してくれない鬼嫁の強烈な流し目。なんなら、この旅のどこかで襲って子種を頂いてしまいんしょうか……と言ってそうな眼差しに見えるのは気のせいだろうか。


 あと、陽晴ちゃん。サンタさんの視線の中に自分が含まれていなかったからって、そこまでショックを覚えなくても。「まだ産めません……」なんて悲しそうに呟くのは、いろんな意味でアウトだからやめてぇーーっ!!


「そういう話はまたいずれね! それはそれとして、南雲に聞いておけって言われていることがあったんだったぁーーーっ」


 とても棒読みだった。だが、迫真で必死な棒読みだった。


 全力の話題逸らしに、緋月がカカッと快活に笑っている。からかわれたらしい。


 そ、そうよね! 私もまだ早いと思うし! 冗談よね! とエミリーちゃんもホッとしている。みんながやるなら……覚悟を決めるしかないわ! と一瞬肉食獣みたいな目になったように見えたのは、きっと気のせいだ。


「あらん? 魔神さんから? ということは、あたしにかしらん?」

「そうそう。例の件――エヒトへの想念から生まれた存在がいれば知らせるようにって言われてたやつ」


 トータスという一つの世界において今も信じられている神だ。だが、当人はもういない。


 つまり、妖精界にいつ生まれてもおかしくない存在なのだ。


「トータスの人達が信じているのは〝善神のエヒト〟だから、そこまで心配する必要はないだろうって南雲も言っていたけど……」

「苦渋を舐め続けてきた側としても、それは気になるわね」


 ラナが一瞬、無表情になった。亜人――今は獣人と呼ばれる者達への差別や迫害の歴史も奴の愉悦のためだったのだ。未だに殺意が湧き上がっても不思議ではない。


「そうねぇ。あたしも注意はしているのだけど、今のところそんな子は誕生していないし、その兆候もないわねん」

「う~ん、そうか。妖精界の特性上、生まれないってことはないと思うんだけどなぁ」

「そうねぇ。……まだ年月が足りないのかもしれないわねん」


 想念の量が足りないということはないはずなのだけど……と、ブラウは首を捻った。仮とはいえ女神である。世界に生まれ落ちた新しい命があれば、それに気が付かないはずはない。


 なので、生まれていないのは確かだろう。


「人々が信じる共通の存在ではあるけれど、名や実像、あるいは信仰対象に対する解釈や流派がいくつも存在する場合なんかは、同一起源でありながら別の性質を持った存在が何人も生まれることもあるわん。あるいは、他の近しい起源を持つ神格持ちに宿ることもねん? けれど今のところそれも……」


 いずれにしろ、エヒトの存在は注意していながらも感じられないらしい。


 今やトータスからの想念の流入は滞りなく行われているので、ブラウはなおさら不思議そうに首を捻った。


「妖精界は本当に特異な世界なのですね……」


 クラウディアが少し複雑そうだ。


 実は以前、〝私達が信仰する神〟も実在するのかと、あくまで妖精界の住人であって、本物の〝主〟ではないことは重々承知した上でアウラロッドに尋ねたことがあるのだが……


 その時の答えは、まさにブラウと同じ。


 そして、あくまで妖精界という異世界の住人であることを証明するように、〝複数人いる〟パターンだったのだ。


 〝唯一神〟という教えに真っ向から反しながらも地球上の大勢の人々の想いから生まれたことは確かな存在に、クラウディア達は心底納得したものである。ああ、本当にあくまで異世界の住人なのですね……と。


「ああ、そう言えばクレアちゃん」


 クラウディアの呟きが聞こえたのか、ブラウが視線を転じた。クラウディアが「なんでしょう?」と小首を傾げる。


「イエスさんが、現代の聖女に会ってみたいって言っていたのだけど」

「エッ!?」


 もちろん、クラウディア達が敬愛を捧げる〝父〟そのものではない。しかし、だ。その名を出されて、まして会いたいと願われて動揺しない信者がいるだろうか! 否ッ、いるはずがない!!


「そんなに固くならないで? とぉ~~っても気さくなお兄さんよん? ブッダさんと大の仲良しさんで、あたし達妖精にもすっごく優しいのよねん。ふふふっ。ご近所でも〝せいんとぶらざ~ず〟って呼ばれて親しまれているのよん?」

「え、えぇ……?」


 クラウディアの表情がすっごく複雑そうだ! アジズ君も「くっ、お会いできるのは光栄だが……だが、直感が(ささや)いている。いろんな意味でダメージを負うぞって」と悩ましげだ。


 一方、そんな二人を横目に、浩介と真実、そしてヴァネッサは思った。


 それ、知ってるぅ~っ、漫画で読んだことあるぅ~っと。


 まさかのリアル聖☆お○いさんに、浩介達は阿吽の呼吸で頷き合った。だって、あの漫画、大好きだから!


「「「行くしかないよねぇ!!」」」

「「エェッ!?」」


 もちろん、クラウディアとアジズはノリノリな浩介達に困惑した。


 その後、せいんとぶらざ~ずに歓迎を受け、ご近所さん(だいたい偉人か神々)も交えながら、なんとも庶民的なホームパーティーをすることになった聖職者姉弟が、いろんな意味で脳破壊を受けたのは言うまでもなく。


 だが同時に、彼等と話を重ねるほど感動を募らせたのも言うまでもないことだった。


 もちろん、浩介達は意気投合した。最終的には伝説の聖人、仏様方と肩を組んじゃうくらい。


 最後には、最近の流行なのだろうか。お二人に合わせてか、なぜかTシャツ短パン姿ばかりの神々も交えて、物凄く庶民的な庭で記念写真も撮り、地球の宗教家や神話学者などが見れば発狂間違いなしの思い出もしっかりと作ったのだった。










 それから。


 最初のサンタクロースに続き、神話の巨鳥や伝説の龍神、天磐船(あまのいわふね)や宝船といった伝説の乗り物、果ては伝承の(フライング)幽霊船(・ダッチマン)など、いろんな意味で豪華すぎる送迎を受けながら、浩介達は数日をかけて各地を巡った。


 かつてハジメが救援に向かった北の小天樹。妖精の都リーフリー。


 荒れ果てていた場所は今やすっかり巨木が乱立し、緑と花々が大地を覆う神秘の森の姿を取り戻していて、出迎えてくれたのも復活した妖精女王と妖精王の夫妻だった。


 決して木々を加工することなく、木々自体が妖精達の望むままに変形することで作られた都と、薄ら発光し、あるいは燐光が舞う世界の美しさは格別。


 妖精女王が、しきりに「あの方はいつ来訪されるのでしょう?」と夢見る乙女みたいな様子で尋ねてきたり、その度に妖精王の表情がスンッとなったりしたのは、実に居たたまれなかったが。


 また西の小天樹は龍王の支配地域だったのだが、雲上の都は実に壮観で、雲の上を歩くという珍しい体験には誰もがテンションだだ上がりだった。


 龍王がしきりに「あの吸血姫殿はいつ来訪されるのだろう?」と尋ねてきて、奥方達の瞳孔が開きっぱなしだったのは、実に居たたまれなかったが。


 他にも、海底都市や巨大な縦穴に作られた町、その先の溶岩の河が流れる地獄の如き地下の都、色という概念を失った怨霊系の存在が闊歩する深山幽谷や、暴風と雷に満ちた超巨大積乱雲の中の空中都市なども巡り……


 そうして昨日、某贅沢な名を取られた女の子が働いていた温泉郷のように様変わりした緋月の領土――東の小天樹の麓の都で、ヒャッハーな鬼達の熱烈な歓迎を受けた浩介達は、その翌日の今、


「……俺、思うんだ。妖精界が一番なんでもあり。一番ファンタジーだなぁって」


 星を飛び出していた。鉄道に乗って。


 何を言ってるのか分からないかもしれないが、そのままの意味である。


「まさかまさかだよ! リアル銀河鉄道とか予想外にも程があるよ!」


 真実(まなみ)が窓にかじりつくようにしながら、出発して初めての声を上げる。


 無理もない。窓の外に見えるのは、漆黒の空間に輝く数多の星々なのだから。


 そう、ここは宇宙。ガタンガタンッと心地よい振動を伝えながら、本日の星間送迎をしてくれているのは、特に日本人にとってはあまりにも有名な宇宙を走る列車だった。


「まさか、宇宙に出る日が来るなんて……」

「確かに名作中の名作ですが……妖精界に列車ごと生まれるとは……恐るべきは日本人の創作物に対する想いの強さでしょうか?」


 エミリーとヴァネッサも未だに呆然としている。当然だろう。宇宙に行くなんて誰しもが一度は夢に見るだろう大事だ。


 だが、それを実現するには多大な勉強や訓練、努力が必要だろう。それでもなお、選ばれるとは限らない。


 最近は民間人も行ける可能性が広がっているが、それにも莫大なお金がかかる。庶民にはやはりまだまだ無縁の話。


 それがまさか、こうもあっさり叶ってしまうとは。


「スケールが違い過ぎる。超常の存在ばかりの世界なだけはあるが……」


 朱も頭痛を堪えるように、浩介達が座るボックス席の一つ後ろのボックス席で頭を抱えている。


 神々にとって一つの星の中で領土を分け合うというのは、人間で言うところの市町村の長になるくらいの感覚なのかもしれない。


 我の強い彼等にとっては、それはさぞ窮屈なことだろう。それは星を飛び出してしまうのも分かるというもの。それが可能な権能を持った存在なんてざらにいるのが妖精界なのだから。


 ブラウが苦笑しつつ頷く。


「そうなのよねん。神々からすると、やっぱり星一つくらいは支配しないと気がすまないみたいで……たまに星の取り合いだけじゃなく、銀河の取り合いなんかもしてるわねん」


 特に今は、正気を失っている間に支配領域も大いに変わってしまったので、正気に戻った者も復活した神格持ち達も、以前の支配域を取り戻そうと、あるいは新たな支配域を得ようと、ちょっとした群雄割拠状態らしい。


 困ったわよねん? と困ってなさそうな、既にそういうものと慣れきったような表情で笑うブラウたん。本当に度胸がついてきていらっしゃる。


「おい、遠藤浩介。何が一番ファンタジーだ。今一番デンジャーな世界ではないか!」


 本当に大丈夫なんだろな! と思わず立ち上がって、ボックス席越しに覗き込んでくる朱さん。背もたれ越しに浩介の頭をペシペシする。


「だ、大丈夫、大丈夫。復興具合とかいろいろ思ったより進んでて、ここ数日驚きっぱなしだけど、何があってもブラウがいてくれるんだし」

「任せてねん!」

「それにいざとなれば、フェアリーキーでいつでも地球に避難できるんだし」

「……それはまぁ、そうだが」


 背もたれの縁に、顎と猫みたいに丸めた手を乗せている朱を肩越しに見上げる浩介。


 クールな美女が、座席に膝立ちになって後ろの席を覗き込んでいる姿を思うと、ちょっと微笑ましくて笑いそうになるのを懸命に堪える。


 そんな内心がバレたら絶対に、それこそ猫のように引っ掻いてくるだろうから。顔を真っ赤にして。


「そうよ、朱ちゃん。こんな経験、そうそうできるものじゃないんだから心配するより楽しみなさいな。ちょっと肝が小さいわよ?」

「誰が臆病者だ! ラナ・ハウリア! お前ほど図太くないだけだ!」

「でもほら、陽晴ちゃんなんか全力で楽しんでるじゃない」


 浩介の斜め前に座っているラナが、隣の窓際に座って窓にかじりついている陽晴の頭を優しく撫でる。それを見て、朱は痛いところを突かれたように歯噛みし、


「それは……くっ、この藤原陽晴めっ」


 藤原陽晴が罵倒の代名詞になっているのだろうか? 


 心配なんて一つもない。と言わんばかりに窓の外を夢中で眺めながら、珍しくも足をパタパタとご機嫌に揺らしている陽晴を悔しそうに睨み、これまた猫のようにピュッと頭を引っ込めてしまった。


「え? なんですか? ラナお姉様、今、お呼びになりましたか?」

「なんでもないわ。陽晴ちゃんが可愛いって話をしていただけ」


 慈愛の表情で髪を梳いてくるラナに、陽晴は目をぱちくりした。


 誰とそんな話を……と思いながら正面をふと見れば、当然、そこには浩介がいて。


 ポッと頬が赤く染まる。


「えんど――じゃなくて……その、あの、こ、こここ、こ、(こう)様?」


 どうやら朱とラナのやり取りはまったく耳に入っていなかったらしい。


 ラナの正面には緋月が、隣のボックス席にはエミリーとヴァネッサ、それにクラウディアが、そしてその後ろのボックス席にはアジズと真実、それにブラウが座っているのだが、エミリー達は宇宙の景色に夢中の様子。


 緋月はなんだか呆れているような、ちょっと腹の立つ表情なので除外するとして、ならばラナと会話していたのは浩介なのでは? と推測したようだ。


 恥ずかしそうに、言葉に詰まりながら上目遣いで確認する。もっとも、羞恥心は浩介とラナの会話内容というよりも……


「あ、うん。えっと……まぁ、名前を呼ぶだけで未だに照れちゃうとことか、確かに可愛いと思うよ」

「へぅ……」


 頬どころか顔全体が赤く染まった。思わず両手で顔を覆う陽晴。


 そう、呼び名である。


 陽晴はずっと、浩介を名前で呼びたかったのだ。それも、自分だけの呼び名で。


 これこそ、今回の旅行で陽晴が抱いていた大きな目標の一つだった。


 たかだか呼び方一つ。されど、陽晴的には大変大きな悩みだったのだ。性格的に。


 自分だけ名前呼びでないのはなんとも寂しくて、でも一度〝遠藤様〟という呼び方が定着してしまったせいでなんだか名前呼びが無性に照れくさく、正式にお付き合いできるまではと自分に言い聞かせつつも、やっぱり名前で呼び合うラナ達が羨ましくて。


 だから、緋月にからかわれるのを覚悟で相談もしたし、ラナ達からもこの旅行をきっかけにすればいいじゃない! と背を押され。


 それでも中々タイミングが掴めず……


 念願叶ったのは、つい昨晩のことだ。


 浩介が一人楽しんでいた露天風呂に、ラナ達が体を隠しもせず当たり前のように(エミリーとクラウディアは顔を真っ赤にして縮こまっていたが)突撃してきた時のこと。


 唯一、「婚姻前の男女がはしたない!」という良識と湧き上がる羞恥心から一度はラナ達からの混浴の誘いを断ったものの、


――じれったいにも程がありんす。いいから来なんし!


 と、緋月に担がれて強制連行され、辛うじてタオルを何重も巻いて肌を隠すことには成功しつつも一度浴場に放り込まれてしまえば、「今の状況より恥ずかしいことなんてありません!」と覚悟も決まるというもの。


 吹っ切って、いや、もはや自棄(やけ)というべきかもしれないが、ともあれ、ついに己の願いを口にすることができたわけだ。


 もちろん、浩介に断る理由なんてない。


 むしろ、唐突に顕現した桃源郷に意識をぶん殴られて動揺の激しかった浩介からすれば、そんな陽晴のいじらしいお願いは実にほっこりするもので、落ち着きを取り戻すのにとても助かったぐらいである。


 閑話休題。


「ああもぅ! ほんっと可愛いんだから!」

「んむぅ!?」


 もじもじしている陽晴を、思わず抱き締めちゃうラナ。大きな胸の間にすっぽり包まれた陽晴が苦しそうにジタバタする。


「まったく鬼をも恐れさせる希代の陰陽師が、名前一つでなんという有様でありんすか。少々、初心(うぶ)が過ぎるのではありんせんか?」

「あはは、そこが陽晴ちゃんの良いところだと思うけどな。奥ゆかしいって、こういうことを言うんじゃないか?」

「愛しの君も、わっち等の裸体を前にして襲いかからないとは随分と奥ゆかしいでありんすな?」

「いきなり飛び火させるのやめてね? あと、陽晴ちゃんの情操教育にも悪いから、二度と俺がいる風呂場には連れ込まないように」


 浩介はとても真剣だった。だって、下手したら事案だから。本心は保身が七割である。


「つまり、わっち等ならいつでも歓迎と。ふふふっ」

「んんっ、ん~~っ、ノーコメントで」


 斜め向かいのボックス席から妹が「うわぁ、へたれぇ~」みたいな目を向けてきているが、お兄ちゃんはもちろん無視した。


「こ、浩様!」

「あ、はい。どうした?」


 ずぽっとラナの胸の谷間から脱出した陽晴が、まだ赤みを残したままの顔で呼び掛けてきた。


「今日まででかなりの有力な妖魔を式神にできましたし、わたくしの百鬼夜行は順調に集まっています」

「そうだね。特に鬼の連中は面接しなきゃならないくらい応募多数だったしね」


 これもまた陽晴が立てた目標の一つ。各地で出会った様々な妖魔との式神契約。その最終形態としての百鬼夜行の創設は着実に進んでいた。


「それどころか名だたる神仏の皆様にもお会いすることができ、有り難くも加護や助力の約定を頂くこともできました」

「う、うん、そうだね。あれ? この旅行で陽晴ちゃん、強くなりすぎ?」


 神仏にやたらと好かれていた陽晴。百鬼夜行の創設による戦力強化どころか、陽晴自身もかなり強化されているのではないだろうか。


 朱さんが、また背もたれからスゥーッと顔を覗かせた。お前ばっかり……許せない! みたいな表情をしている。ただ、この才女も多大な恩恵を受けることに成功しているので、浩介からすれば大して変わりない。


「あげく、浩様と名前で呼び合うという念願も叶ってしまいましたし……」


 ちょこんっと座り直して、浩介を真っ直ぐに見つめる陽晴は、


「わたくし、この旅行に来られて本当に良かったですっ。すっごく楽しいです!!」


 にへらっと、それはそれは幸せそうな笑顔を浮べたのだった。


 これには、浩介のみならずラナ達もにっこり。にゅっと引っ込んだ後ろの席から「くそっ、かわいいっ」と地団駄を踏む音も。


「それは良かった。うん、俺も楽しいよ。妖精界おそるべし、だな。想像以上だよ。何より……そんな世界を皆と一緒に回れるのが最高だな!」


 浩介が優しい表情でそう言えば、ラナ達もとびっきり嬉しそうに、あるいは楽しそうに笑って口々に同意の言葉を返していく。


「んもぉ! 女神代行としては、そんなこと言われたらもっともぉ~~~っとおもてなししたくなっちゃうじゃないのよん!!」


 ブラウも思わず立ち上がってパンプアップ。


 そうして、


「ちょうど、目的の星に到着する頃よん!」


 鉄道による星間旅行の最初の目的地が近づいてきた――


 その時だった。


 プルルルッと着信を知らせる音が鳴った。浩介の異世界間通信機から。


「おっと、水を差してごめん。でも誰だろ? わざわざ異世界間通信してくるなんて……」


 地球には分身体がいる。そちらに連絡すれば大抵は事足りるだろう。


 そもそも、浩介に繋がる異世界間通信機を持っている相手も限られる。


 ハジメか、対応課の本部か、あるいは……


「え? 清武さん? 本部の設置型からじゃなくて土御門家に用意した端末から?」


 土御門の次期当主(最近、父の健比古(たけひこ)が当主の座を継いだ)という意外な人物からの連絡に、ラナ達も目を丸くする。


「浩様。確か今、清武さん達は米国に出張中では?」

「うん。父親の健比古さんと一緒に、向こうの捜査機関へ一足先に行ってるはずだよ。姫様が現地で不自由なく活動できるように準備をしてくるって」

「こうくん、とにかく早く出てあげた方がいいんじゃない?」


 ラナに促され、それはそうだと頷く浩介。


 何事かとエミリーやアジズ達も身を乗り出し、朱もひょこっと顔を出す中、浩介はスピーカーモードで通話ボタンを押した。


 その直後だった。


『良かった! 繋がった! 浩介君! 頼む、力を貸してくれ! 緊急事態だ!』

「清武さん? 何があったんです?」


 事態は逼迫しているらしい。清武の声音に焦りが滲んでいる。


 浩介だけでなく、ラナ達の表情も真剣なものに変わり……


 その瞬間、清武は叫んだ。


『親父が片腕を持っていかれた!』

「えっ、またぁ!?」


 浩介も思わず叫んだ。


 だって、健比古さん、〝龍の事件〟の時に既に三回も片腕を失っているから。その度に〝再生〟してあげているので、それは思わず叫ぶというもの。


 電話の向こうから『んだよもぉおおおおおおっ、またかよぉおおおおおっ』という、うんざり感の滲む悲嘆の叫びが聞こえてくる。


 ……健比古さん本人も浩介と同じ気持ちらしい。


 どうして私の腕、直ぐに持っていかれてしまうん? と。


 何はともあれ、だ。


「ええっと、取り敢えず旅行は一時中断ってことでいいかな?」


 健比古の声でいまいち深刻になりきれないながらも、浩介が困った表情でそう言えば、ラナ達もやはり同じような表情で頷いたのだった。


いつもお読みいただきありがとうございます。

感想・意見・誤字脱字報告もありがとうございます。


最近『レッド・ワン』というクリスマス系の映画を見たのでサンタクロース始まりにしました。なかなか斬新で面白かった。


※ネタ紹介

・せいんとぶらざ~ず

 『聖☆おにいさん』より。実写まだ見てないので早く見たい。

・銀河鉄道

 『銀河鉄道の夜』または『銀河鉄道999』より。

・んだよもぉおお、またかよぉおおお

 『進撃の巨人』のジークより。

・ぶるぁあああっ

 『ドラゴンボール』のセル(若本さん)より。

・贅沢な名の女の子が働く温泉郷

 『千と千尋の神隠し』より。

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前から思ってたけどちょくちょくなんの音沙汰もなく毎週土曜18時更新が出来てない時があるのいい加減気になる。 体調不良とか用事とかは仕方ないとはいえ更新できないなら前もっていつまでは更新できないとか言っ…
いつも楽しく読ませて貰ってます。 私は素人ですが初めて小説家になろうで書かせて貰ってます。(世界一の頭脳。スパコン(雅)と異世界の旅。それは地球も救う旅だった。)と言う題名ですけど、先生の小説も参考に…
てっきりあの真っ黒な車掌さんが到着のアナウンスしに来るかと思ってました
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