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ありふれた職業で世界最強  作者: 厨二好き/白米良
ありふれたアフターストーリーⅥ
470/544

南雲家の朝 その3 ~大学生活日常編~




 春休みが終わって、そろそろ二ヶ月。


 新しい日常に突入した者達の生活リズムが、少しバタバタしつつも、ようやく整い始める頃合い。


 梅雨の到来が近づいていることを天気予報が告げている早朝に、


「九つの世界の更に向こう側にある〝可能性の世界〟、ね」


 南雲家の地下工房にて、ギシッとワークチェアの軋む音が響いた。


 元の敷地の八倍以上、ちょっとした野球のグラウンドくらいある地下空間は、それでも物や素材で溢れて大変なことになっていた。


 幾つもの見た目も大きさも違う試作品らしきゴーレムが所狭しと並び、妖しげかつ威容を放つ銃火器やらファンタジックな武器が壁面収納に詰め込まれ、その隙間を埋めるように何かの部品や鉱石などの素材が散乱している。


 床や六~七メートルはある高い天井にも、創作や研究を補助するための魔法陣がびっしりと彫り込まれていた。


 初めてこの地下工房を設けた頃に比べると、身内さえ呆れるほどの拡張ぶりである。


 そんな地下工房の、比較的に入り口近くに強化ガラスで区分けされた小部屋がある。PCなど精密機器が詰め込まれているため比較的に整理されたデスク周りだ。


 六面ディスプレイが様々な資料を映しており、資料棚のフレームやホワイトボードにもメモ用紙がびっしりと貼り付けられている。


 そんな空間で、ハジメは深く息を吐いた。


「……俺等の言う〝異世界〟を〝一つの星〟レベルで捉えるな。〝一つの宇宙〟と広く捉えよ、か。まぁ、確かにそりゃそうだ。砂漠界だって星の外は宇宙で別の星がある。広大な宇宙の中には、緑と生命の豊かな星だってあるのかもしれないしな」


 ハジメ達が漠然と呼称していた〝異世界〟とは、決して一つ宇宙の中に存在する〝異星〟ではなく、宇宙そのものを異にし、その別宇宙の中の一つの星に過ぎない。


 大前提とすべき認識を改めて口にしつつ、手元のタブレットを投げ出すようにしてデスクの上に置くハジメ。両手を頭の後ろで組んで、背もたれに深く背を預ける。考えを整理するように虚空をじっと見つめる。


「つまり、〝九つの異世界〟とは、より正確に表現するなら〝九つの別宇宙〟というべき……」


 タブレットに表示されているのは、光輝からの報告書だった。


 砂漠界であったことの他、フォルティーナから聞いた世界の構造に関することがよくまとめられている。


 今頃、光輝は〝感染種〟や〝暗き者〟の掃討戦に精を出していることだろう。経過報告からすると、そろそろ大詰めのようだ。武器弾薬・各エネルギーを詰めた宝物庫をせっせと送り続けた甲斐があるというものだ。


 その経過報告書には、全ての元凶である〝厄災〟に関する追跡調査も含まれていた。が、今のところなんの痕跡も新情報もないようだった。


 それでも、ハジメはもう何度も報告書を読み返していた。小さな事柄も見逃すまいとするように。暗記してしまうほど。


「〝厄災〟は〝九つの別宇宙〟の更に外側からの来訪者、か」


 それこそ、フォルティーナが誤魔化そうとした真実の一つ。


 砂漠界でも、砂漠界が存在する宇宙のどこかにある異星からの来訪者でもなく、それどころか他の八つの世界からの来訪者ですらない。


 我々の世界に存在するはずがなく、してはならないもの。本当の意味での異物(イレギュラー)


「そりゃあ推測はしていたさ。俺達の世界が世界樹から生える枝葉のほんの一部に過ぎないかもしれないってことはな。だが……」


 ハジメの顔に苦笑が浮かぶ。


「確かに人智を超えてるな」


 フォルティーナが話してくれた世界構造の話は、大部分が既知であった。ほとんどがアウラロッドの話の裏付けになる情報に過ぎなかった。


 ただ一点だけ、興味深くも〝これ以上は考えても無駄かな?〟とお手上げしたくなる情報が加わっていた。


 それが〝可能性の世界〟の存在だ。


 曰く、我々の存在する九つの宇宙でさえ、例えるなら世界樹から伸びる枝の一本、それもずっと先の方に生えた枝葉のようなものにすぎず、隣り合う別の枝葉には類似の世界が、離れた枝葉には全く別の文明が歴史を刻んでいる世界もあり得るらしい。


 それどころか、世界樹から生える大本の別の枝ならば、そもそも人類自体が存在していない世界や、物理法則やら概念、世界の(ことわり)からして全く異なる世界もあり得るのだとか。


「根本の世界がある、どころの話じゃなかったな」


 女神さえ詳細も全容も把握していないし、できない。ただ、大樹の化身として生まれたその時から、世界とはそういうものなのだと理解しているだけ。


 全てを知る術は世界樹――すなわち根本世界へのアクセスだが、本能あるいは魂が警告するらしい。これはダメだと。領分を超えていると。その先に踏み込めば存在そのものが揺らいで、二度と元には戻れないと。


「女神ですらそうなら、羅針盤でわざわざ調べるのも危険だしな……」


 手元に羅針盤を召喚。懐中時計のような見た目のそれをなんとなしに掌でもてあそびながら、九つの異世界以外の存在を探った時のことを思い出す。


 結果は言わずもがな。羅針盤はなんの反応も示さなかった。


 羅針盤ですら掴めないほど強い隔たりがあるのか。それとも世界のルール的な何かに阻まれたのか。


 いずれにしろ、わざわざ危険を冒してまで確かめるつもりはなかった。


 少なくとも身の安全を確保できるまでは。


 何より、フォルティーナの話で最も重要だったのは別のことだ。


「問題は、砂漠界の〝厄災〟とやらが、その〝可能性の世界〟からやって来た〝何か〟だという点だ」


 軽くお手玉にしていた羅針盤をパシッとキャッチし、真紅の魔力を纏うハジメ。


 〝感染種〟には反応する。〝暗き者〟にも。写真つきの報告書にあった個体と同じ種族がまだ現存し、どこにいるのかもイメージで伝わってくる。


 だが、〝厄災〟となると反応はスッと消えてしまう。


「……安心すべきか。それとも……」


 溜息を一つ。


 実際の姿を知らずとも〝神〟と認識されてさえいれば、その認識だけで探し当ててしまうのが羅針盤だ。


 宇宙の外側からの来訪者。瘴気の元凶となる存在。それだけでも検索ポイントとしては十分に思える。


 ならば、反応がないことには安心すべきだ。光輝達も羅針盤の結果を伝えると安心していた。


 けれど、〝九つの別宇宙〟の外側の世界を探知できなかった事実が妙に頭に残る。もしかしたら、そこから来た存在にも羅針盤の力が及ばない可能性も――


「いや、流石に考えすぎだな」


 羅針盤を宝物庫へ仕舞いつつ首を振る。頭が少し重くて、疲れが出ているような気がした。これ以上考えても仕方がない。というか、同じような思案を、報告書を受け取ってから何度もしているのだ。いい加減に不毛である。


 糖分が足りないな……と苦笑を浮かべるハジメ。


 と、その時だった。


「……ハジメ?」

「! びっくりした。ユエか……って、どうした? その格好」


 不意にかけられた声に、ハジメは少しドキリとした様子で椅子を回転させた。


 強化ガラスの部屋の扉を半分だけ開けて、いつにも増してジト目のユエが覗いていた。


 変成魔法で二十歳くらいに成長した姿だ。


 だが、ハジメが指摘したのはその点ではない。大学入学を機会に、外では基本的に二十歳くらいの外見の〝大学生モード〟で過ごすことは以前から聞いていたこと。本来の姿になるのは家か身内しかいない集まりの時だけだ。女子大生らしい姿でハジメとの大学生活を楽しみたいらしい。


 なので、ハジメが言っているのは装いについてである。


 キャミソールとホットパンツでも着用しているのだろう。薄桃色のふりふりエプロン姿が裸エプロンに見えなくもない。


 そんなあらぬ想像を掻き立てる姿で片手にお玉を持ち、シュシュで一つに纏めた髪を肩口から前に垂らしている。いかにも旦那を起こしにきた若奥様である。


 だがしかし、その表情に笑顔はなく。


 どうやら、本日の若奥様はいたくご不満なようだ。


「寝る前にコスプレしてごっこ遊びか?」

「……やっぱり気が付いてない。もう朝なのに」

「…………え? マジか」


 一瞬、ぽかんっとした様子を見せたハジメ。慌てて壁掛け時計へ視線を飛ばせば、なるほど、確かに針は朝の七時を少し過ぎた頃合いを示していた。


「……区切りがついたら戻るっていうから待ってたのに、結局、昨夜は一人で寝ましたし。新妻なのに」

「うっ、悪い。つい研究やらなんやらに夢中になっちまって……」

「……最近、工房で寝落ちすることが多いから、新妻スタイルで起こしにきてあげたのに、結局徹夜してるし」

「いや、だからつい時間を忘れて――」

「――『あなた、起きて。朝ご飯ができたわ』って言いながらキスをして、ちょっとぐずるかわいいハジメを堪能した後、起きたハジメに『なるほど。美味しそうな朝ご飯だ!』って押し倒されて『はい、あなた♡ 召し上がれ♡』って言う予定だったのに」

「朝の予定具体的かつエロすぎない!?」

「……新妻だから」

「ユエの新妻に対する認識おかしくない?」

「新妻なんて皆、二十四時間体制に決まってる」

「あえて何に対する二十四時間体制かは聞かないが、取り敢えず全国の新妻さんに謝れ。このエロ吸血鬼め」


 正式に婚姻届けを出してからというもの、更に愛情が迸っている正妻様である。こんなやり取りだけで少し機嫌が直ったらしい。


 むふぅ~と微笑むやテテテテッと駆け寄ってハジメの膝上にダイブ。今の大学生モードなユエはシアに勝るとも劣らない立派なお胸をお持ちなので、ハジメの顔面は幸せに包まれてしまった。


 興奮より、一気に眠気に襲われる……なんと凄まじい安心感。そして幸福感か。思わず「ふわぁ~」とあくびが漏れ出る。


「……今日はお休みする?」


 少し身を離したユエが、ハジメの目尻に滲み出た涙を指先で拭いながら尋ねた。平日だ。当然、大学の講義がある。


 ハジメは苦笑いを浮かべて首を振った。


「あんま甘やかさないでくれ。自業自得なんだ。普通に行くよ」

「……ん。分かった。……ハジメ、やっぱりオスカー邸みたいに疑似太陽を浮かべたら?」

「う~ん、光量が微妙に変わるのが集中したい時にうざくてなぁ。まぁ、最近は確かに時間を忘れることが多いから、考えておくかなぁ」


 なんとも気乗りしなさそうなハジメの様子を、ジッと窺うユエ。いつもの甘々な見つめ合いを所望している……わけでないことは、少し心配そうな様子から明らかだ。


 ハジメが内心で「過保護だなぁ」と苦笑していると、新たな来訪者が。


「ミュウは知っている。ユエお姉ちゃんがパパを起こしに行くと言って、まともに起こせたことなんてほとんどないということを」


 ユエ以上のジト目を向けられては、これ以上密着しているわけにもいかない。


 ユエがなんとも言えない表情で「うっ、ごめんなさい……」と謝りつつハジメの上からどくと、入れ替わるようにしてミュウが飛び込んでくる――


 と思いきや、ダイブはせず手前で停止。お澄まし顔で「おはようなの」と朝の挨拶をしてくる。


 小学校に入学して、早くもお姉さん風を吹かせているのだ。レディたる者、そう簡単にパパの懐に飛び込んだりはしないと。


 九割くらいの確率で抱きついた後に気が付いて、まぁ心地いいからいっか! と開き直るのが最近のあるあるである。


「おはよう、ミュウ。悪かったな。そろそろご飯を食べないと遅刻しちまうだろうに、わざわざ呼びに来てくれたんだな」

「ご飯は一緒に食べたいの。あと、ユエお姉ちゃん! お玉がないってシアお姉ちゃんが困ってたの。お味噌汁すくえないって」

「うっ、ごめんなさい」


 朝から幼女に二度も謝罪する新妻さん。


 それはさておき。


「ミュウはえらいな。最近はいつも俺より先に起きてる。朝の準備もばっちりだしな」

「えっへん! お姉さんですから!」


 エメラルドブロンドの波打つ髪は今日も艶やかで完璧に整えられている。服装もシンプルなパンツルックながら可愛さとクールさを兼ね備えたセンスの良いもの。レミアセレクトを完璧に着こなしている。


 加えて入学式から二ヶ月経っても、朝一から元気いっぱいで、早く学校に行きたい! とウキウキした様子はまったく変わらない。


 朝に弱い南雲一家からすれば、起きて早々に気合いの入っているミュウの姿は、元気を分けて貰えて嬉しいのと同時に、ちょっと羨ましかったりする。


「学校、楽しいか?」


 ミュウの髪型を崩さないように気を付けながら、そっと撫でるハジメ。途端に、お姉さんぶっていたミュウの表情がふにゃぁと解れる。


「すっごぉーーっく楽しいの! むしろ、楽しいしかないの! お友達もいっぱいできたし、知らないこともいっぱい知れるの!」

「そうか……そりゃ良かった」


 実は、少し心配していたのだ。日本語がいくらネイティブでも、ミュウの見た目は明らかに日本人ではない。


 小学校では、そういう子は排斥の対象になりやすいというのは、それなりに聞く話だ。


 そして、子供とは無邪気故の残酷さを見せる時があるのもまた事実だから。


「……ミュウのコミュ力は私達でさえ敵わない。ハジメは心配しすぎ」

「ああ、確かに杞憂だったな」


 ユエにくすりと笑われて、ハジメは肩を竦めた。


 確かにそうだ。言葉の通じない、それどころか人間ですらない魑魅魍魎(ちみもうりょう)相手だって友情を育めるミュウが、同級生相手にイジメられるなんてあるわけない――


「あ、でも意地悪をしてくる子はいるの」

「名前を教えてくれ。羅針盤で住所を突き止める」

「……ハジメ、早まらないの」


 ユエにメッされた。召喚直後に羅針盤も取り上げられる。


「……でも、ミュウ。ユエお姉ちゃん達もそれは初耳。大丈夫?」

「みゅ! 全然平気なの!」

「だが、意地悪をされているんだろう?」

「そうだけど……悪い子じゃない感じ? ミュウのことが嫌いな感じでもないし……ちょっと素直になれないだけ、みたいな?」


 人差し指を顎に添えて思い出すように宙を眺めながら話すミュウに、ハジメとユエは顔を見合わせ、同時にピンッと来た。


「……ミュウ。その子って、もしかして男の子?」

「はいなの!」

「…………………さっそくかぁ。いつか来るだろうとは思っていたけど早いなぁ」


 案の定だった。好きな子に意地悪しちゃうあれだ。


 ハジメパパとして、娘に悪い虫がつくのは許せないが、小学生の悪意のない交友関係にまで口を出すつもりはない。


 むしろ、意中の相手に〝素直になれない子〟と微笑ましげに見られているであろう男の子の方に、同じ男としては同情を感じずにはいられないくらいだ。うちの子、早熟でごめんね。経験値が違うんだ……と。


 とはいえ、パパとしては複雑な心情であるのも嘘ではなく。今度、智一さんに話してみるか……とか思っちゃう。


「……ふふ。なるほど。ミュウは、その男の子のこと嫌じゃない?」

「嫌じゃないの。意地悪だけど優しいところもあるし。それに、なんというか目を離せないし……」

「目が、離せない、だとぉ? その男の子のことが気になるのか?」


 パパ、愕然。スマホに手が伸びる。智一さん、想像の百倍速くこの時が来たかも知れません! 今日、予定空いてませんかぁ!?


 ユエがちょっと呆れ気味の眼差しをハジメに向けつつ、ミュウに「どこが気になるの?」と尋ねる。


 すると……


「えっと、目が離せないのはナギサちゃん達の方なの」

「……どういうこと?」

「悪い子じゃないって言ってるんだけど……その子が何かする度に、ナギサちゃん達が人殺しみたいな目になるっていうか」


 幼稚園から一緒に小学校に上がった特に仲良しな子達が、どうやらヤクザみたいな対応を取るのが少し悩み、ということらしい。


 ユエの視線がハジメに向いた。ハジメパパはスッと視線を逸らした。


 よく家にも遊びにくる子達だ。きっと、ミュウに悪い虫が付かないよう頼みでもしたのだろうという正妻様の予想は図星だったようだ。


「ミュウは嫌ってないから、皆も仲良くしよ?って言ってるんだけど、余計に喧嘩腰になっちゃうの」

「……ん。でしょうね」


 ユエの事態を悟りきった表情に、ミュウが首を傾げている。


 ちなみに、小学校の入学式では案の定、ミュウの髪色などを見て物珍しそうな目を向けたり、指を差して指摘したりする子供達が大勢いたのだが……


 ナギサちゃん、マドカちゃん、ヒトミちゃんという特にミュウスキーな三人衆を筆頭に、同じ幼稚園組の女子グループがミュウをさりげなく囲んでガードし、更にはとても新入生とは思えない眼光を飛ばして全てを封殺している。


 その様はまるで、良く言えば女王様と近衛集団、悪く言えばマフィアのボスと警護の殺し屋達……


 当然、それを見ていた先生方は、


『ど、どえらい新入生が入ってきよった……』


 と、揃って戦慄していたりする。ミュウのクラスの担任予定の先生が現実逃避気味に遠い目になっていたのは言うまでもない。


 閑話休題。


「えっと、俺がナギサちゃん達に話してみようか? 今度、遊びに来た時にでも」

「パパは口を出さないでほしいの!」

「えっ……」


 パパ、ショック。愛娘の明確な拒絶に心臓を抑えて仰け反る。


 ミュウもまた軽く仰け反った。ただし、ショックからではなく堂々と胸を張るために。


「自分のクラスメイトは、自分でまとめてみせるの! パパのように! パパのように! 魂を燃やせ! なの!」

「やめてください。恥ずか死んでしまいます」


 パパ、ショック。両親にもさんざん揶揄われた魔王城での演説の記憶が「呼んだ?」と顔を覗かせる。必要なことだったが、思い返すにはちょいと恥ずかしい歴史なのだ。両手で赤くなった顔を覆ってしまう程度には。


 そんなハジメの頬を、ユエが楽しげにツンツンしている。パパはいったいどうしたんだろう? あんなに格好良かった想い出なのに何が恥ずかしいんだろう? とミュウも一緒にツンツン。


 なんてことをしている間に、


「あ~っ、やっぱりユエさんでしたね! お玉、早く返してください!っていうか、もう時間ないですよ! 朝ごはん! さっさと片付けないと!」


 更にシアも降りてきた。こちらは普通にジーンズとブラウスの上にシンプルな水色のエプロン姿だ。


 腰に手を当てて朝の支度を促す姿は、もはや妻を通り越してお母さん……


「ハジメさん、また徹夜したんですか? 魔法やらエナドリじゃなく、ちゃんと眠って休まないとダメですよ?」

「お、おう。そうだな。気を付けるよ」

「最近、こんなやり取りを何度もしている気がします……。いい加減にしないと強制バックドロップ入眠をかましますからね?」

「……それ、入眠ちがう。気絶だ。マジで気を付けるから勘弁してくれ」


 ぷんすかしつつも労りの気持ちがこれでもかと伝わってくるので、素直に謝るハジメ。


 シアはしょうがないなぁみたいな顔をして近づくと、ハジメの額に、実にさりげなく「おはようのチューです!」とキスをした。満面の笑みを添えて。


 実に新妻さんっぽい。ユエが「シ、シアめ。やりおるっ」とちょっと悔しげ。


 そんなユエからサッとお玉だけ取り上げたシアは、「お義母様とお義父様も起こさなくっちゃ。ああ、忙しい忙しい。朝は戦場ですぅ!」などと呟きながら、パタパタとスリッパを鳴らして工房から出て行ってしまった。


「あ、待ってなの、シアお姉ちゃん! お祖母ちゃん達はミュウが起こしてくるの!」

「助かります! ユエさんもハジメさんに襲われる計画とか立ててないで支度してくださいよぉ~」

「あ、はい」


 普通に思惑を見透かされていて、思わず目が泳ぐユエ。


 ふとハジメと視線が合う。内心は同じだった。てきぱきと朝の家事を進めていくシアには、もはや主婦としての貫禄すら感じる……と。


「なんつーか、あれだな。大学生活も、もしかしなくても俺等の中で一番満喫しているようだし、堂々ぶり? 躍動感? が更に上がっているというか、人生充実してます感が凄いというか……」

「……良い女感がマシマシ。まさに、シアこそがリア充の権化ッ」


 おかしい。唯一、婚姻届けを出して毎日新妻ムーブを堪能している自分よりリアルが充実している気がする……とユエが戦慄の表情になる。


 実際、シアは同じ学部に幾人もの新たな友人が出来たようであるし、ハジメ達の中で唯一、サークルにも入っている。


「今週末もサークルの友達とツーリングの予定だったか?」

「……ん。シアめ……私を置いてバイク仲間とエンジョイしてる。私を置いて」


 大事なことなので二回言ったらしい。


 そう、シアが入ったのは女子ライダー限定のサークルだ。バイクが大好きな女の子同士で語り合ったり、ツーリングしたりするらしい。


 十人に満たない少数であること、メンバーが女子に限られており気軽であること、ほとんど同好会のようなもので雰囲気も緩く予定が縛られないこと、見学した際、先輩も含めて良い人達ばかりと感じたことから入ることに決めたのだとか。


 なお、サークルの名称は〝ごうおん!〟というらしい。某高校のバイク部に所属する女子高生達に憧れたのが発足理由だとかなんとか。きっと、毎日爆音を鳴らしているのだろう。


「……私も話に付き合えたらと思うけど……残念。共感しづらい。車の方が安全便利で、何より快適だと思うのだけど……」

「俺も最近はもっぱら車だ。周りにはバイクについて語り合える同性がいないしな。趣味仲間が見つかったのなら、そりゃ楽しいだろうよ。俺に借金してまで、きちんと免許を取って市販の大型バイクまで買っちまうくらいだし」

「……趣味には自分のお金を使いたい、だっけ?」

「そう。ま、気持ちは分かる」


 あれほど露出多めの服装を好んでいたシアが、最近はパンツルックでいることが多くなった。その理由は、ミニスカでバイクに乗っているところをサークル仲間に目撃され、めちゃくちゃ叱られたかららしい。


 シアの身体能力や鋼鉄も涙目の肉体強度を知らなければ、それは確かに注意されるだろう。いや、頑丈さに関わらずスカートでバイクに乗るな! は極めて常識的な指摘だ。


 ちなみに、ブリーゼもきちんと保有しているのに市販のバイクを買った理由はもう一つあり、というかこちらがメイン。当然ながらサークル仲間とバイクを見せ合う機会が多発するからである。


 魔力駆動というあり得ない機構なんて、どうあっても説明不可能だ。詳しい者達が見れば、ひと目で異常な車体だと見抜ける。


 どうやって動いてる!?っていうか、こんなの車検通るわけないだろ! 完全に違法でしょうが!! とツッコミを入れられること間違いなしである。


「ハジメさぁん! ユエさぁん! なぁにしてるんですかぁーー! ごはんが冷めちゃいますよぉ!」


 再び顔を見合わせ、くすりと笑い合うハジメとユエ。


 なんにせよ、だ。ハジメ達の特殊事情を知る生徒達が周囲にいて、大半の時間を仲間内で過ごし、ある種の隔離措置が執られていた高校時代は終わったのだ。


 大学生活においては、日常の中で関わる人の数が、それもハジメ達のことなんて知りもしない人達の数が一気に増える。


 そんな中で、順調に交友関係ややりたいことを増やして、私生活も大学生活も思いっきりエンジョイしているシアの在り方は、ハジメやユエにとっても、ある意味、良いお手本であった。


 トータス時代からそうだが、シアの生き生きとした様子は二人の気持ちをいつだって明るく、そして高揚させてくれるのだ。


 なんだか爽やかな気持ちになりつつ、ハジメは椅子から立ち上がって思いっきり背筋を伸ばして眠気を飛ばし――


「それからティオさんも! いつまでトイレに入ってるんですか! 朝っぱらからいい加減にしてください! どうせウォシュレットで遊んでるんでしょ!」

「ち、ちちちち、違うが!?」


 明らかに動揺している駄竜の声で、爽やかな気分の方がちょっと飛んだ。


 ユエと顔を見合わせて溜息を一つ。


 気持ちを切り替えて強化ガラスの部屋から出たハジメは、おもむろに部屋の奥に向けて片手を突き出した。


 左腕――生身の腕にカモフラージュした義手の甲の部分に、まるでコンピューターの回路のような線が僅かな光を帯びて走る。


 ユエが目をぱちくりとした。初見だったからだ。


「戻れ」


 一言、ハジメがそう呟いた瞬間、瓦礫の山と見紛う部屋のあちこちから銀色の流体が津波のように押し寄せてきた。


「……ハジメ? これは?」

「ん? ああ、まだ教えてなかったか。つい先日、完成した新アーティファクトだよ。まぁ、まだ調整と検証は必要だけどな」


 銀色のスライム、あるいは宙を泳ぐ何体もの大蛇と表現すべき姿。ハジメの周囲で渦巻き、枝分かれ、別の流体と合流しては幾重もの流麗な螺旋を描いていく。


 ユエには見覚えがあった。色は微妙に違うけれど、確かに見た。過去映像の中で。


 そう、


「……マザーの流体金属?」

「ああ。素子変換システムとかと一緒に回収した聖地の戦利品の一つだ。地球や機工界の電子制御システムと、神代魔法を幾つか付与して俺専用にアレンジした」


 壁や天井が剥がれ落ちる。落ちる端から銀色の流動体に戻っていく。どうやら擬態能力まであるらしい。


「地球だとターミネー○ーやらアイアンマ○のナノテクやらネタには事欠かないからな。付加したい機能が多くて苦労したが、何度か徹夜した甲斐があった」


 流体金属が宝物庫に吸い込まれていく。が、一部はハジメのネックレスやベルトに擬態し、あるいは左腕に吸収されていく。


「……もしかして、その左腕のカモフラージュは……」

「気が付いたか?」


 左腕の生身に見えていた部分が、一瞬で銀色の腕に変わった。それどころか鋭いナイフや盾に変形までしてしまう。


「戦闘服も、これ一つで瞬時に作れる。形態を登録してあるからな。考える必要もなく、今までの金属糸と魔物素材の服より圧倒的に頑丈なコートをいつでも作り出せる。流体の浮遊機能で、ある程度は飛べるようにもなったし、必要ならそのまま武器防具に転換もできるんだ」

「……そう」


 まさに、三つの世界の技術が融合した傑作と言えるだろう。


 ハジメは大変自慢げだ。まだまだ検証と調整は必要だが、自分でも会心の出来だと思っているらしい。


 工房に流していたのも、擬態機能の検証と、プログラムした通りに錬成魔法を行使し素材を加工できるか試していたからだったりする。


 だが、そんな傑作を前にユエの反応は薄い。興味がないというより、他のことに気を取られているような……


 早く朝食の席に行かないとシアがぷんすかしそうなので、若干急ぎ気味に、カオスな工房の後片付けに意識を割いていたハジメは、そんなユエの様子に気が付かず。


「ノガリ」

「イエス、マイロード」


 宝物庫を更に輝かせる。流体金属と入れ替わるようにして美貌のメイドが出現した。


 クラシカルで清楚な雰囲気のメイド服を纏い、「え? 誰?」または「普通に元の神の使徒やん」と言いたくなるほど真面目な様子でカーテシーを決めたのはノガリさんだ。


「工房の片付けを頼む」

「御意。部下に研修がてら手伝わせてもよろしいでしょうか?」

「ああ、ちょうどいいな。下剋上されるなよ?」

「ご冗談を」


 この場にユエ以外の者達がいたら、きっと口を揃えて言っただろう。


 いや、ノイントだろ! ノガリじゃなくてノイントだろ!! と。それくらい、いつもお巫山戯全快のノガリさんからは信じられない清楚で真面目な雰囲気が迸っていた。


「……だれ?」


 これには流石に声が出ちゃうユエ。


「奥様。貴女の忠実な下僕、ノガリです」

「……シリアスな顔で何を言ってるの? やっぱりノイントなの?」

「ノガリです。南雲家の皆様に誠心誠意全身全霊で忠を尽くすスーパーパーフェクトエレガンスビューティフォーメイドのノガリたんです。おはようからおやすみまで、ありとあらゆるご奉仕(意味深)をさせていただき――」

「……あ、もういいです。お前はノガリ。誰にでも分かる」

「恐悦至極」


 根っこは変わっていない。大変ふざけた存在だ。ちょっと安心。


 なお、ノガリが真面目清楚路線にキャラ変更したのは、エガリお姉さんとのキャラ被りが我慢ならなかったからである。


 閑話休題(マジでどうでもいい)


「さぁ、貴女達! お仕事の時間ですよ!」


 ノガリのブローチが輝き、そこから人型の金属製ゴーレムが複数体出てくる。女性型のマネキンに同じクラシカルなメイド服を着せた感じだ。


 マザーの機体と生体ゴーレムの技術を融合させたハイエンドモデルに流体金属を纏わせることで神の使徒の姿を擬態させているノガリとは、一目見て分かるほど出来が違う。オーダーメイドに対して量産型と言えば分かりやすいか。


 その量産型メイドゴーレムさん達は、


――ァアアアアアア!!

――ギィイイイイッ!!

――オォオオオッッ!!


 取り敢えずといった様子でノガリに襲いかかった。


 なので取り敢えず、全員、頭部が百八十度回転する威力のビンタで黙らせるノガリさん。


 中身が悪魔なので仕方ない。隙を見せると、否、見せなくても今や魔神に至ったといっても過言でない主の一番のメイドになりたくて下剋上チャレンジしちゃうのだ。


 あと、やっぱり主お手製のハイエンドモデルの肉体が欲しいのだもの!!


「この美貌が欲しいか? ならくれてやる。働け! この卑しいメス悪魔共め! 成果なくして報酬が与えられると思わないことです!」


 恨めしそうな叫び声を上げつつも掃除に取りかかる中身が女悪魔らしい量産型メイドゴーレム達。


『調子に乗っていられるのも今のうちよ。その美貌、必ず奪い取ってあげるわ』


 なんて流暢にテレパシー的な方法で話す悪魔も混じっている。おそらくだが聖書にも出てくるようなネームドクラスの悪魔だろう。


 今は叶わないと見て引き下がり、しかし、ハジメとユエにだけはしっかりとカーテシーを決めて、いそいそと掃除に励み出す姿からはちょっと信じられないが。


「いいのか? 使徒の容姿を譲るなんて口約束して。あえて真名は聞いてないが、たぶん大物だぞ?」

「問題ありません。私はノイントではなく、主のノガリです。いつまでも前の容姿でいるのは、むしろ不満でしかありません。まして、エガリ姉さんと同じ容姿だなんて!」

「本音出てるぞ。仲良くしろよ、姉妹なんだから」

「姉妹だからこそ我慢ならないこともあるのです。というわけで、現在、主の好みかつオリジナリティ溢れる容姿を考案中です。どうぞ、お楽しみに」

「割とどうでもいいなぁ。それより、量産型含めて武装を充実させたい」

「ロマンですね!」

「ああ、ロマンだ!」


 なんだかんだで相性が良さそうな主従である。


 いずれにせよ、デモンレンジャーやグリムリーパーズだけではない強力なゴーレム集団が出来上がりつつあるようだった。


 後は頼むぞと(きびす)を返し、今度こそ朝食の席に向かうハジメ。地上への階段を上っていく。


「ちなみに、生体ゴーレム自体もアップグレードさせたんだ。機工界の機兵の技術を融合させてな」

「……そうなの? 確か、五千体以上いたと思うけど……」

「まだ全部の機体をアップグレードさせたわけじゃない。ひとまずメイドゴーレム達でいろいろ試しているところだ。上手くいって、量産が容易になったら数も増やすつもりだ」

「……そう」


 まだ増える上に、機能も上がるらしい。魔王軍の軍備拡張がヤバい。


 ハジメはいったい、どこを目指しているのか。善良で平和主義な日本人とは。


 なんてことを思うユエ。


 呆れでも、茶化すでもなく――割と本気で憂慮する。


「……ハジメ」


 階段を上がるハジメの服の袖をギュッと掴んで引き留める。肩越しに振り返ったハジメは、思いのほか真剣な表情のユエに戸惑った。


「どうした?」

「……」


 ジッと、先程ハジメの膝上に乗った時のようにハジメを見つめるユエ。僅かな表情の変化も見逃さないと言わんばかりの眼差しに、ハジメは少し気圧された。


「……何か、焦ってる?」


 ハジメは、本当に思いがけないことを聞かれたと言わんばかりに目を丸くした。そこに誤魔化しや内心を隠そうとする様子は見受けられない。


「焦る? 俺が?……そう見えるのか?」


 本気で戸惑っている様子のハジメに、ユエは少し肩から力を抜いた。自分に対してあり得ないと分かってはいたけれど、やはりハジメが何かを抱え込んでいて、それを隠しているわけではないようだったから。


「……ごめんなさい。気のせいかも」


 夢中や没頭による夜更かしが、ハジメの直し難い悪癖であることは周知のこと。


 けれど、なんとなく思ったのだ。


 ただでさえ王樹復活の弊害関連で忙しくしているのに、ここ最近、徹夜してまで別の作業も平行してしている時間が増えたこと。


 先程の流体金属などもそうだが、日々の便利道具より武器防具の開発に重きを置いているように感じること。


 そして、実は未だに眠りの浅い日が多々あること。


 それらを前提にして、ここ最近の没頭具合を見た時、口からはロマンやら作品自慢やら普段通りの言葉が出てくるけれど、どこかいつものエンジョイを通り越した……そう、言うなれば趣味を兼ねた仕事だけど納期に間に合うか微妙で必死に働いている人、みたいな雰囲気を感じたのだ。


 それらを正直に告白しつつ、「それに」と続けるユエ。


「……ミュウの特訓も、たった一年とはいえ歳を早く取ってしまう方法を取ったのは少し意外だった」

「それは……ミュウの意志が固かったから」

「……ん。私も、だから賛成した。けど他にも……例えば、神代魔法の簡易な習得実験。結構、性急だったと思う」

「まぁ、そうだな。けどそれも、天之河が相手ならまぁいっかと思って」


 一連の行動には全て説明がつく。きちんと理屈あっての行動だ。


 だからきっと、ユエの気のせいに違いない。


 〝普段のハジメならこうするのでは?〟から微妙に外れているような気がしないでもない行動がたまたま積み重なって生まれた些細な違和感に過ぎないのだろう。


 ユエはそう納得して、今度こそ表情を和らげた。


「……変なこと言った。ごめんなさい」

「いや、謝らないでくれ。ユエが何か感じたなら、実際にそうなのかもしれない。前にも言ったが、王樹復活の弊害の件で気を張っていただろうっていうのもあるし、そこに加えて大学生活っていう環境の変化もある。やりたいこと、やるべきことが多すぎて、どこか張り詰めていたのかもしれないな……」

「……ハジメ」


 些細なことでも自分の言葉を真剣に受け止めるハジメに、ユエの瞳は嬉しさから熱を帯びた。


 ハジメと同じ段差に上がれば、大学生モードのユエの顔はハジメの肩口辺りになる。本来の姿よりグッと顔が近い位置だ。


 ハジメの頭を抱え込むようにして首の後ろへ両腕を回す。体を押しつけるようにして密着する。


 ハジメも腕を回して、ユエをしっかりと抱き留めた。


「心配してくれてありがとな。マジで気を付けるよ」

「……んっ」


 至近距離で見つめ合い、ユエの胸がエプロンから溢れそうになるほどキツく抱き締め合って、そのまま心ゆくまで口づけを――


「時間ないって言ってんでしょうがぁ!!」

「「はいっ、ごめんなさい!!」」


 シアママに怒られた。


 なので、チュッと軽く触れる程度のキスだけして、ハジメとユエは階段の上で仁王立ちしているシアママのもとへ急いで駆け上がったのだった。




いつもお読みいただきありがとうございます。

感想・意見・誤字脱字報告もありがとうございます。


最後の長編に入る前に、それぞれの大学での話や長編に組み込めそうにない各キャラの話、小さな伏線の回収話など日常編を少し書きたいと思います。今話はそのプロローグ的な話です。よろしくお願いいたします!


※ネタ紹介

・ごうおん!

 『ばくおん‼』より。ちなみに、シアのバイクは未定。何が似合うか迷い中です。




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― 新着の感想 ―
今更ですが、厄災の設定に近いのが、ニコニコ動画の『邪眼の姫の物語』に出てくるエタルに似てる気がします 滅び、可能性を喰らう獣、(動画が)エタるって意味から生まれたラスボスです。もう何百話にもなってます…
ハジメは既に厄災に干渉されてそうな雰囲気ですね。 不穏すぎる。羅針盤でも反応ない分ゲートの往き来で厄災がスルっと九つの世界に紛れ込んで来てても気付けなそう。
ユエさんにYes、Ja枕をプレゼントしたいね。
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