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ありふれた職業で世界最強  作者: 厨二好き/白米良
ありふれたアフターストーリーⅢ
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緊急お礼企画 ユエの日記③

※今話の前に、一話投稿していますのでご注意ください。


朝起きたら沢山のアニメ化おめコメを頂いており、白米、感謝感激であります。

なので、二時間ほどで書いた短編ではありますが、おめコメへのお礼小話を投稿させて頂きます。

いや、本当に嬉しかったもので(^^)





――12月○日


 日本では、一年最後の月である12月を師走と呼ぶらしい。


 ハジメに意味を尋ねたら、年末は何かと忙しく、普段は落ち着いている〝師〟すら慌ただしく走り回る、的な意味だったような? と教えてくれた。正確な由来は知らないらしいけど。


 なるほど。


 忙しい……


 忙しい、か……



――12月×日


 ティオとレミアが、最近、とても忙しそう。


 経営している服飾やジュエリーのお店が盛り上がっているみたい。年内にキッズ専用ショップも作るみたいで、その出だしとしてキッズファッションショーをやるのだとか。


 その先陣をミュウが切るらしい。


 今日も、ファッションショー用の服を次々に試着させられて、ミュウがあっぷあっぷしてた。


 ふむ……


 かわゆす! 年末のファッションショーには、天使が降臨するじゃろう!



――12月△日


 最近、香織が忙しそうで、あまり悪戯できない。


 おのれ、香織のくせに私をないがしろにするなんて生意気な。


 なんでも、年内に抗争を終わらせたい八重樫家に付いて回っているのだとか。結構、怪我人が出るそうで、忙しく治療役をこなしているらしい。


 そういえば、雫が凄く疲れた顔をしてけど……


 流石、八重樫家。戦闘民族なだけはある。


 ……


 ……二人とも、早く暇にならないかな……



――12月@日


 最近、ハジメが構ってくれない。


 どうやらお義父様の会社が修羅場ってるみたい。


 新作のゲームを年内発売したいみたいなのだけど、親子揃って家に帰って来ない。


 寂しい……


 なので、今日、差し入れに行ってきた。


 お義父様の会社に行くのは苦手なのだけど……ハジメの傍にいるためだ。


 私はユエ。たとえ、お義父様の会社のスタッフさん達が、会う度に新興宗教の教祖を崇めるみたいに拝んできたり、涙を流しながら「癒やしが来た! 我等の癒やしの女神が降臨なさった!」と崇めてくるので凄く困るのだとしても、旦那様のために引かない女!


 とはいえ、毎回、大騒ぎになるのは困るので、今回は認識阻害の眼鏡をかけていった。


 普通に気付かれた。


 「眼鏡っ子ユエ様が降臨なさった!」と、大騒ぎになった。


 お義父様から「ユエちゃん、来てくれてありがとう! みんな半分死んでたから、栄養ドリンクやカフェインより効果的な活力回復になったよ! まだまだ戦えるよ!」と喜んで下さったから良かったのだけど……


 流石、お義父様の部下というべきか。


 ハジメの認識阻害のアーティファクトを軽く無視するとは……


 ハジメが「一体どうなってんだ……」と、しきりに首を傾げてた。


 取り敢えず、その後ハジメが少し構ってくれたので満足。


 まだまだ期限との戦い?は続くみたい。


 お仕事お疲れ様の言葉とエールを送って、そそくさと帰って来たけど、本音を言えば、早く終わらせて傍にいてもらいたいものです。



――12月#日


 シアがトータスに渡った。


 なんでもハウリア族が帝国と揉めているらしい。その解決に助力しにいくとのこと。


 手伝おうかと言ったのだけど、「大丈夫ですよ。面倒になったら双方薙ぎ払うだけなので!」と元気にゲートをくぐっていった。


 しばらく向こうに滞在するみたい。


 ムードメイカーのシアがいなくなると、やはり、どことなく南雲家が静かになった感じだ。


 ……シアめ。


 私を置いていくなんて生意気な。


 手伝ってあげると言ったのに、断らなくても……



――12月☆日


 みんな家を空けることが多くなった。


 師走なので。


 忙しいので。


 いそがしい、ので……


 ……


 ……


 あれ? 私、忙しくないんですけど?



――12月◇日


 あー、忙しいなぁ!


 家を空けている皆に代わって、お掃除にお洗濯に差し入れに、あぁ、本当に忙しいなぁ!



――12月□日


 嘘を吐きました。


 全然、忙しくありません。


 だって、やろうと思えば魔法で大体さらっと終わるし。


 南雲家の家電はアーティファクトだから、手間なんて全然かからないし。


 今日も、私以外は皆、忙しそうです……



――12月$日


 今、ベッドの上でパタパタ、ゴロゴロしながら日記を書いている。


 で、ふと思った。


 もしや私……


 ニート?



――12月※日


 今日、お義母様に聞いてみた。


 私、ニート吸血姫ですか? と。


 お義母様はキョトンとしたあと、床を転げ回る勢いで大笑いされた。


 解せぬ。


 お義母様曰く、異世界の、チートでヒロインな吸血姫が、自分は穀潰しかと気にする姿がシュールでツボに入ったとのこと。


 涙目で笑うお義母様。


 取り敢えず、部屋の隅で、壁の方を向きながら三角座りしました。


 しばらく、何もしたくない気持ちでした。



――12月☆日


 お義母様が、にっこにっこと笑いながら誘って下さった。


 なんと、お義母様の手掛けている少女漫画がアニメ化されるそうで、その打ち合わせやらなんやら、いろいろと忙しいらしく、アシスタントというか、秘書的なことをして欲しいのだという。


 なんという気遣い。


 お義母様! 愛しています! 吸血姫は仕事を得ました!


 私はアシスタントユエ。お義母様の完璧な秘書!


 こうしてはいられない。お義母様の役に立つべく、まずは見た目からしっかりしなければ! ふてくされてジャージを着ている場合じゃない!



――12月〒日


 今日、お義母様のお仕事について行った。


 自分でいうのもなんだけど、完璧な秘書だったと思う。


 変成魔法で大人バージョンになり、ビシッとスーツで決めて、髪もキリッとアップに纏め、だめ押しにシャープな眼鏡をかける。どこからどう見ても秘書ユエだ。


 見た目だけじゃなく、魂魄魔法でさりげなくお義母様の求めるものを察して先回りで用意。


 先方の印象をよくするため、いつもより多目のスマイル。


 必要なものが手元になくても、すかさず空間魔法で取ってくる。


 ……おそろしい。


 自分の完璧な仕事ぶりが、おそろしい!


 秘書は、私の隠れ天職かもしれない。


 ただ、気になったのは、何故かお義母様が苦笑いしてたのと、先方のスタッフさん達が四六時中私を凝視していたような気がしたことなのだけど……


 ……


 ……お義母様。秘書ユエは、もうご不要ですか?



――12月♪日


 南雲家よ! みんなが帰って来た!


 疲れた表情だったけれど、みんな無事に用事を済ませたらしい。


 久しぶりの全員集合となった。


 いろいろと話を聞いた。みんな大変だったようだ。


 ……家族が揃って嬉しい。


 嬉しいのは間違いない。


 ないのだけど……


 根本的な問題が解決していない気がする。


 異世界の吸血姫がニートなのは間違っているだろうか?


 そう思って、夜、ハジメに相談に行った。


 将来が不安です。私はこのままニートでいいんでしょうか? アルバイトでもすべきでしょうか?


 ハジメが笑い転げた。おのれ、ハジメ。羞恥心が天元突破しそうなのを堪えて相談したというのに。親子でなんて似た反応を。


 と、恨めしげにハジメを見ていたら、ハジメは「悪い、悪い」と謝りながら、ついでに「寂しい思いをさせて悪い」とも謝った。


 寂しかったのは事実だけれど、別にそのことで謝罪は必要ない。


 ただ、私も「~してます」と言える何かがあればなぁ~と、ちょっと思っただけだ。


 そう伝えたら、ハジメは、「ユエは意外に好奇心旺盛だし、これはと思ったものは片っ端から手を出せばいいじゃないか。それで基本は……」なんて前置きしてから、


「専業主婦です、とでも言えばいいんじゃないか?」


 ハジメったら、ちょっと照れてそんなことを言った。


 私は目から鱗の気分。


 主婦。専業主婦。旦那様の帰りを待つ大和撫子な奥さま!!


 心のもやっと感が一気に晴れた。


 私はユエ。チート吸血姫な専業主婦!


 取り敢えず、主婦の勤めとして、旦那様を押し倒して美味しく頂きましたマル


昨日のニコ生で発表されましたが、「ありふれた職業で世界最強」がアニメ化することになりました。

それ以外にも、

・12月25日 ドラマCD付7巻&外伝1巻の同時発売

・外伝「ありふれた職業で世界最強・零」のコミカライズ

・来年3月 ドラマCD付8巻&コミック版3巻

等々、いろいろ情報がありますでの、チェックしていただければ嬉しいです。

詳しくは、公式サイトをどうぞ(https://arifureta.com/)


とにもかくにも、これも全て応援して下さった皆さんのおかげです。

本当に、本当にありがとうございます!

これからも、白米自身、最大に楽しみつつ、皆さんと楽しい時間を共有できるよう頑張っていきますので、今後とも是非、「ありふれ」をよろしくお願い致します。




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― 新着の感想 ―
[一言] 短編です(断言)
[一言] た、短編?
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