周囲の思惑 嫌な予感…
すいません;更新遅くなってしまいました……
近頃、季節の変わり目だからなのか、風邪引いてここ1週間程熱でうなされてました。(´ω`;)
やっと、少し回復して(かなり短いですけど…)更新出来ました!!
シエナルドがレオナードによって、自分の感情に気がついた頃、城の玉座の間では男4人が顔を着き合わせながら、なにやら怪しい気な雰囲気を漂わせていた。その一番上の玉座へと腰をおろしている威厳ある男。この国ガスティアス帝国の現王。バルロット・ロワール・ディア・ガスティアス(42歳)は若くして国王就任した後、この国を発展させ著しく急成長させた『賢王』でその名を他国へと知らしめていた。そして、その王が今しがた部下からの思いがけない報告により目を見開き驚きを露わに、驚きの声をあげていた。
「何?それはまことかっ?」
その王の側には王の近衛であり、過去『シザーナ』との戦において不利な帝国に勝利を収めさせた猛者、そして、現在の騎士団の頂点。白騎士団団長にして全騎士団の総隊長でもある。ダグラス・ポア・セルナントが2人の衛兵の話に、王と同じく驚きを露わに先ほどから報告されている内容に唖然としていた。なにせ、報告された内容が…
『我が国の黒騎士隊隊長殿が、何やらアルメリア家の息女サラサ・セナ・アルメリアに懸想しているらしい』
との、報告を受けたのだ。最初聞いた時は何の冗談だと思った2人だが、報告しに来たのが黒騎士の副隊長である。ルドルフ・サルタ・セルバーンと、クラウド・バルセロッタの2人であったが為に、冗談だと笑い飛ばせなかったのだ。
そして、そんな2人が驚くのも無理はない、と今までの事を思い出しながら、しみじみと感慨深げに頷くルドルフとクラウドであった。
それと言うのも、シエナルドはモテる。そう、嫌味な程にモテるのだ。ご令嬢からも、使用人からも、国民女性からも。挙句他国の姫君達に至るまで…。此の上なくいい男の代表であるシエナルドは、己の事を「少しばかり顔が整ってる」程度にしか認識をしていないだろう。(それはそれで、ムカつくが…)
しかし、そのシエナルドは例えどんな美姫であろうと、どんな爵位持ちの令嬢であろうと、ことごとく女性からのアプローチを避け、特に興味も持たずに此れまでやって来ていた。(一時期、男色の疑いが掛っていたが……)
そんなシエナルドが「恋」をした。……それも、「あの」アルメリアの令嬢に。
「…あの女性に興味も何もなかったシエナルドがのぉ~」
「陛下、しかも相手が『あの』アルメリアですぞ!」
王がほうほうと感心している横で、側近のダグラスが声をあげる。その前にはルドルフとクラウドが立ち、真顔で2人思案していた。
「して、今後シエナルドはどうすのかの?」
考え込むルドルフとクラウドに王はどこか期待を秘めた目で問いかけた。それに2人は互いに目を合わせると軽く頷きあう。
「我等が隊長は、ご自分がアルメリア嬢に好意を抱いている事を御存じないかと……」
「ですので、隊長にはまず、ご自分の気持ちの自覚をしてもらうために、明日行われれる夜会に2人を出席させてはいかがかと…」
ふむ。と顎の髭に触れながら側近のダグラスと目を合わせた王は、ダグラスとニヤリと意地悪い笑みを浮かべ合いながら、そのままルドルフ達に向き合った。
「なるほどの。そなたらが我等に報告してきたのはその為か」
ルドルフとクラウドは王と総隊長が自分達の云わんとする事が正確に伝わったのを見てとり、こちらもニヤリと微笑みあった。
「では、お力をお貸し願えるという事でよろしいでしょうか」
クラウドの眼鏡がさり気無くキラリと怪しく光る。それに、王も楽しそうに続いた。
「勿論だ。こんな楽しそうな事に加担せぬなど、ありえんわ―ハハハハハ」
「私も可愛い弟子の為に一肌脱ぐとしようか―クックック」
実に楽しそうに笑いだす2人を目じりに、クラウド達は頷き合い、今後の計画を王達と練っていった。
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ぶるっ
王達が今後について話し合い、シエナルドがレオナードによって気持ちを自覚した頃、自室の書斎で原稿の執筆を行っていたサラの背中に突如悪寒が走り、身体を震わせる。それに気付いたイザベラは紅茶の準備をしていた手を休め、気遣わし気に声をかけた。
「サラ様?如何なされました。風邪でも召されましたか?」
「…いや、大丈夫。風邪じゃないわ」
「……そうですか」
今だ心配そうにこちらを窺うイザベラは主人の身体にそれ以上の変化が見られない事を悟ると、静かにその場を後にした。それを確認した後、サラは誰も居なくなった部屋で一人静かにため息を吐く。
「(何かしら…なんだか、とてつもなく嫌な予感がするのだけど…)」
そんなサラの杞憂がただの杞憂に収まらなかった事を知るのはもう少し後になってからである。
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さて、続き~~どうしよ~~(;´Д`)