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チラつく不穏な影。

お知らせします。

これから少し慌しくなりますので、更新が大幅に遅れます。出来たら週に1・2回の更新はしたいと思ってますので気長にお待ちください。

それからしばらくすると、応接室の扉がノックされ、執事のセバスとロゼが入って来る。


コンコン


 カチャッ




「皆さまお待たせしました。お食事の用意が整いましたのでご案内いたします。」


「こちらへどうぞ。」


 流れるような動作で静かに昼食の準備が整ったことをセバスが伝えると、後ろに控えていたロゼが部屋へと案内する。


 皆が応接室を出て行く姿を見やりながら、傍らに佇むセバスが此方らへとさり気無い視線を寄こすのに気が付き、目でそれに応じる。そして、サラが部屋へと残っているのに目ざとく気付いたルドルフはサラへと声を掛けた。


「嬢ちゃんは行かないのか?」


 ルドルフのその言葉で近くにいたシエナルドまで立ち止まり、サラへと視線を寄こす。それに、静かに微笑むと。


「少しばかり用事ができましたので、先に皆さんで召しあがってください。」

「用事?」

「はい。私用で少し………」


 そう言ったサラに深く聞く事も出来ず、頷いた。


「そうか。用事じゃ仕方ないな。」

「ええ。……そう言えば、皆さん昼食後はどうなさるご予定ですか?」

「……午後に任務がまだある。一度城に戻って、帰るのは夜になるが、何かあるのか?」

「いえ、少し気になっただけですので、お気になさらず。」

「そうか。」

「……そろそろ行きませんと。食事が冷めてしまいますよ。他の方も待っているでしょうし。」


 そう言うや否や、廊下から「隊長~。ルドルフ副団長~。」という声が聞こえてきた。


「ふふ。さぁ、皆さんお待ちのようですから。早めに行ってあげてください。きっとお腹を空かせてますわ。」

「………そうだな。行こうか、シエナルド。」

「……ああ。」


 2人が部屋を出て行き、静かに扉が閉まる。ドア越しに気配が遠いのいて行くのを感じながら、中にはサラとセバスの2人が残った。












 しばしの沈黙のあと、サラは静かにセバスへと問いかける。


「どうした。セバス。あのようなタイミングでお前から行動を起こすのは珍しい。何か問題でも起きたか?」


 先ほどのお嬢様然とした雰囲気はなりを潜め、今は異様な雰囲気を醸し出すサラに、セバスは慣れたように今しがた起こった出来事を報告する。


「はい。どうやらサラ様が張った結界が無くなったのに気付いたネズミが3匹ほど、敷地内に入り込んだ模様です。現在は西の森にてアンナが応戦中、……すぐにでも片が着くかと。」

「……そう。最近また多くなったわね。……結界のことは仕方ない。一度此処の結界を解かなければ、レオン殿は兎も角、他の騎士たちは此処へ入れなかった。……はあ。だから最初に此の事を聞いた時、あまり気乗りしなかったんだ。」


 重たいため息を吐き、ソファーへと身体を預けながら疲れたように顔に手を置く。


「報告は以上か?」

「……いえ、もう一つ。」

「なんだ。」

「近頃バークリード侯爵が、何やらサラ様の周辺を嗅ぎまわっているとの情報が。」


 普段聞きなれない名前にサラは顔から手をどけ訝し気にセバスの顔を仰ぎ見た。


「……バークリード?現在大臣補佐職を担っている。あのバークリード侯爵か?」

「はい。近頃下町のトニャーチャという店に頻繁に出入りしているようで、そこから何度かこの屋敷へと偵察部隊が送り込まれています。」

「……何故また大臣補佐がそのような事を。」

「………詳しい事は分かりませんが、恐らくサラ様の力を狙っての事でしょう。」

「はぁー。難儀な事だな。」



 これから先のことを思うと更に頭が痛くなる問題が山積みで、またもサラから暗ーいため息が出てしまうのは仕方のないことなのだろう。



 いっそ何らかの方法で一掃出来ればいいのだが、それを実行しようにも色々と政治的な面が邪魔して簡単にはいかない。まだ何かしらの協力があれば、行動しやすいのかもしれないが。何せ相手はほとんどが地位のある貴族や外国からの密偵または暗殺者ばかりだ。まぁ、外国のお客様はそこまで対処に困らないのだが、問題はこの国の貴族たちだ。


 サラの時々尋常を逸した力は見る者によっては、恨みや妬み、欲望、果てには恐怖の対象や何らかの実験台となる。その為日夜命を狙われ、攫われそうになる事など、日常茶飯事のような生活を送ってきたのだ。お陰で、憑依した当初はそれはそれは大変だった。


 昼夜問わず、屋敷に侵入してきては寝首をかかれそうになるは、使用人に化けて食事に毒を盛られるは、事故に見せかけて馬車に轢かれそうになるは。もう数えたらキリがない程で。命が幾つあっても足りない思いを、この5年もの間してきた。お陰で、実践経験に関してはちょっと自信がある。それに現世での趣味で極めていた武術が大いに役に立ってくれているので、今迄の敵を相手にするのに特に困らなかった。


(ここ最近じゃ、夜の運動がてら相手にしてるからどんだけ食べても太らないし、運動不足で身体が鈍ることもない。いやー、こう考えると敵さんもそう悪いモノに見えてこないから不思議だ。)










サラ様裏表激し~(´ω`;)しかし、今後どうやってあの2人をくっつけて行こうか。……悩みは尽きません。

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