4話 変な少年
――父から話があった2日後の朝――
ついに今日、私の執事(候補...だよね?)が来る。
わぁ......何を話したらいいのかなぁ
いいお天気ですね?とか?
一応遊び相手として呼ばれてる意味もあるから好きな遊び......とかかなぁ
あぁでも、それだと私の方が返答に困っちゃうわ!
いつも一人で遊んでるから...
好きな花とか?いやぁ来るのが男の子だったら使えないし...
好きな本とか?本に興味無い子だったらどうしよぉ
そもそも来るのが女の子か男の子かも聞いてなかった!
前の夕食の時に気づいて聞いていれば、会話のレパートリーを考えておけたのに!!
ああぁ!これだから人との交流は面倒なのよ!
私はまだ見ぬ相手に頭をかかえながら自分の部屋の中を無駄にウロウロしていた。
するとすでに部屋に居た朝支度のメイド達が声をかけてきた。
「ついに今日ですねぇ」
「楽しみですねお嬢様」
新手の嫌味かっ!
ついに?楽しみですってぇ!?まるで今日を待ちわびていたみたいな言い方じゃない!
全っ然待ってないし!むしろ無くなって欲しいくらいだわ!
どこをどう見たらそう見えたのよ!
しかし、そんな事を口に出して言えばどこからか今日の相手に伝わってしまうかもしれないので
「そ、そうねぇ」
ぎこちなくなってしまったが、当たり障りのない返事をした―――
―――午後2時頃
相手が来る予定の時刻になるので
父に言われた庭にあるガゼボの中で座って待っていた
すると、父とそのすぐ後ろをついて子供が一人入ってきた
父の背とガゼボの柱で完全に隠れてしまって子供の方はよく見えないが、父の足の間から僅かに見える服装がドレスを着ているようには見えないから男の子だろうか?
待って......2人だけ?
それはおかしい。
貴族の家に子供が初めて尋ねる場合は
大体挨拶を兼ねて子供の親が一緒に居るものだ
しかし、周囲にそれらしき人影はない―――
「レイデ連れてきたよ ほら娘に自己紹介してくれるかい?」
優しい声色で父が後ろの子供に声をかけると少年が前に出てきた―――ん?顔が......
「お初にお目にかかります レイデ様
私はクラウデレ・センテと申します」
顔が白い!?え、どういうこと!?
おばけ!?な...訳ないし......
仮面?にしては目や口の穴が一つも開いてない!?何で?
初対面の挨拶でこれ?
これが今同年代で流行りの話題づくりの方法って事??
私が知らないだけ?これが世間の常識なの?
いや、言いたい事あり過ぎるでしょ!
でも、ありすぎて逆に何から聞いていいか分かんないし......
私が知らないだけで、この国にも特殊な文化の地方とかがあってその一家の出身とかかもしれないし...
それに、どう言ったら良いか迷うところだからぁ......
んーーー………
まぁ一旦、一旦ね?
スルーしましょう!
そう!もう!一周まわってスルーよ私!
「えぇ、初めましてレイデ・ローセルよ」
私は動揺を悟られないように気をつけながら、
綺麗なカーテシーをしてみせた―――




