2話 私と遊び相手
―――あれは私がまだ幼い頃の事......
私は国の中でも上位貴族ローセル公爵家の長女
「レイデ・ローセル」として生を受けた
産まれながらにして高貴な血が流れていた自分に家族以外の人々は物心つく前から傅き
私が近くを通るだけで頭を垂れた
しかしながら、子供も権力争いの方法になるのが今の時代である。
貴族の子供は産まれて少しすると遊び相手を選ばれる事が多い。
しかし、そんな高貴な子供の遊び相手など限られており、大抵が強い権力を持つ王族の子供と遊ばせたがる。
しかも、ローセル公爵家は高位の貴族とは言え
同じ地位の貴族達と比べると
領地は資源があまり無い土地の為、ローセル公爵家と仲良くなってもメリットは少ないので鉱石資源などのある領地を持つ家の方が仲良くなりたいのだ。
ローセル公爵家は昔から貴族の家系で、国を時代によって様々な方法で支えてきたと言われている。
……つまり由緒正しい貴族と言うだけ。
しかも権力争いに興味が無く、むしろ面倒事は避けて通ってきた家だ。
礼儀上、一度挨拶くらいはするが
本人が望まない限りは王族や上位貴族と遊ばせたりはしない。
だから、私の遊び相手は居なかった。
私はいつも一人ぼっちだった。
メイドや騎士が近くには待機して様子は見ていたが、関わろうとはしてこない
これは皆の心が冷たい訳ではなく、
もし遊び相手をしている途中に泣かせでもしたら遊び相手をしているメイドや騎士の責任となりかねないからだ。
公爵家が権力に興味の無い家柄のため
自然と雇われているメイドや騎士達は忠誠心の厚い心優しい者ばかりだ
本心では構ってあげたい、一人で可哀想だと思っていたかもしれない。
だが、流石に泣きやすい子供のうちの貴族と関わりたくないのは貴族に仕える誰もが思う事である。
産まれた頃から良い教育を受けられていたためか、感情や思考の成熟が早い方だった私は
人間の醜い感情や打算にも気づき始めていた。
一人の時間は嫌いじゃないし、気楽だ。
むしろ誰かの顔色を伺う方が面倒。
相手がどんな事を考えているか顔色で察せなんて私には無理な話だ。
人間の醜さを分かってしまった時点で
誰とも遊びたいと思えなかった。
私もローセルの血が流れた子供だったって事だろう。
だから、一人で自由に遊べる今が気に入っている。
―――そんな自由が今、壊されようとしていた―――
「レイデに専属の執事を付ける。」
父から飛び出た衝撃発言である。




