15話 沈黙
※クーレ視点です
―――あれから少し歩くと、とても大きなガラス張りの建物が見えてきた
「ここが温室よ」
中に入ると立派な植物が生い茂る広い空間と
その中央に小さな噴水が見える
「広い温室ですね」
この空間だけで小さな平民の家が何軒入るのか.........。
「公爵家自慢の温室よ 他の貴族家と比べても特に広くて大きい方で、色々な地方から取り寄せたお花も沢山咲いているの。
この国の中でもここまで珍しいお花が揃っている家はそう無いと思うわ。」
たしかに、街の花屋では見ないものばかりだ。
綺麗ではある.........
けどまぁ、僕は食べられない花なんて興味は無い。
でも、公爵令嬢に”花なんて興味ないです。”なんて言えるはずも無く.........
ここは無難に返しておこう。
「美しいお花ばかりですね。」
そう返して僕はご令嬢と温室の中を少し歩き始めた。
「…」
「…」
あれからしばらく
レイデ様は黙ったままだ。
この場合は僕から話しかけた方がいいのだろうか.........?
まぁ、公爵令嬢と話す時の話題として思いつく事なんて何も無いけど.........
そう思った僕の考えを読んだかのようにレイデ様が話始めた。
「えっと......せっかくだから温室を見てまわるといいわ。私はここで休んでいるから」
あぁそうか、そうだよな。
このご令嬢は話題が無かったから話さなかったんじゃない。
そもそも僕と話す気が無かったのか。
やはり、こんな変な仮面の平民と話すのは不満だったみたいだ。
.........そうだよな。
とりあえず遠くにやって視界に入らないようにして時間稼ぎってところだろう。
まぁ、不満をこっちに言ってこないだけ まだいい子か。
.........まぁ結局、この子も他と変わらないんだ。
.........こんな奴と心から関わりたい奴なんて存在しない。
「分かりました。......少し見てきます」
少しゆっくりめに見てこよう。
興味がなかったとしても、こんな珍しい花が見れる機会がないのは事実だから.........。




