14話 不満
※クーレ視点です。
―――お互いの自己紹介が終わると
公爵様がご令嬢と話し始めた。
「レイデ、伝えておくがクラウデレは平民だ。だから他と同じように接しなさい。」
公爵様のこの言葉に
ご令嬢が一瞬、目を見開いた。
……理由は分かる。
公爵令嬢である自分の専属執事になるかもしれない者が平民だと思わなかったからだろう。
基本、公爵令嬢の側仕えとしては
低い貴族位を持つ者がなる事がほとんどだ。
専属の護衛をつける場合は
大抵、騎士爵か準男爵位の家の次男から下の者
専属の執事は
上位貴族家の政治に関わる事もある為、幼い頃からある程度の教養や社交経験が得られる子爵や男爵家の次男から下の者が多いらしい。
貴族家を継げない者がなる職の一つといったところだ。
それが普通なのにも関わらず、自分の執事候補が平民だと言われたら不満があるのも当然。
僕はこの事実だけでご令嬢の機嫌を損ねたかも。
「分かりました」
ご令嬢は一言返事をして黙ってしまった。
その場が沈黙に包まれる。
この沈黙が僕のせいだと思うとちょっと気まずい。
すると、沈黙を破るように
公爵が一つ提案してきた。
「今日は二人で温室を見てくると良い。今の時期は花が沢山咲いて綺麗だよ
メイド達にレイデの好きな紅茶とお菓子も準備するように言っておいたから」
……もしかして、二人きりにする気か?
まぁ、断れないけど。
どんな聖人君子でも腹に抱える気持ちはあるはずだ。
それは、この礼儀正しい公爵令嬢も同じだろう。
公爵様が居ないからって
不満をこっちにぶつけられないといいな.........
「......ありがとうございます、行きましょうか」
ご令嬢からの言葉に
僕は軽く一言返事をすると
これから起こる事を考えて不安に思いながら
ご令嬢の後に続くように歩き始めた。




