11話 意味
※クーレ視点の話です。
―――今からしばらく前の事。
「クラウデレ、ローセル家のご令嬢と会うように話が来てる。」
―――……あぁ、この為だったのか。
あの人からこの話の詳細を聞いた時、全ての事に納得がいった。
ディワーレ帝国公爵家であるローセル家
そのご令嬢の執事になる話が上がっていると言う内容だ。
きっとあの人達は 僕を政治利用出来る便利な駒にするために連れて来たのだろう。
平民だった者を関係者として育て、他の家に仕えさせればあの人達の利益になる。
鉱石資源や食料の流通、金、権力。
僕がご令嬢に気に入られる程、得られる物も大きくなるだろう。
それに、もし気に入られずに不興を買ったとしても 平民出身であるが故の独断であったとして切り捨ててしまえる。
簡単なマナーや言葉遣いだけ教えておけば これで便利な駒の完成だ
今まで丁寧に教えられてきたのはこういった意味があったのだろう。
......温かい人だと思ったのに。
いや、正確には優しくはあるのかもしれない
平民だったやつをこんなに良い待遇で迎えてくれるなんて普通は無いことだ。
” その優しさだけでも感謝して大人しく俺の駒になれ ” って事なのかも
―――……まぁ、仕方無い事だよな。
僕はそう思う事にして
言われた事や教えられた全てに思った感情を飲み込んだ。
「分かりました。では、失礼いたします。」
僕は返事と軽いお辞儀だけしてあの人の部屋を出た。
......まだ必要とされてるだけいいか。
”まだお前は存在していて良い”と
そう言われてる気がするから―――……




