10話 帰宅後
※クーレ視点の話です。
―――レイデ様と会った日の夕方。
僕はローセル邸から帰るとすぐにある部屋に向かった。
あの人の居る部屋だ。
コンコンと扉をノックすると
「入れ。」
中から若い男の声が聞こえた
それを聞いてから僕は部屋の扉を開ける。
「ただいま戻りました。」
「あぁ、帰ったか!あの子はどうだった?」
「......変わっt......公爵家の名に相応しい、礼儀正しいご令嬢でした。」
「あははっ!......ふーん?
そうか、そうか。仲良くなれたようだな。
うんうん......。良かったなぁクラウデレ?
可愛い子だったかぁ?ん?」
あの人は僕に向かってニマニマ笑っていた。
「……」
僕は黙り込んだ
あの人は たまにこんな感じに絡んでくる。
正直、こうなると面倒臭い。
いつもは普通なんだけどなぁ。
この状態になると質問が尽きないから話が終わらない。
つまり、この質問には答えないのが正解だ。
「ふん......つれないなぁ。まぁいい......また会えるようにしておくから、向こうに気に入って貰えるように頑張れよ?」
あの人は先程まで座っていた席から立ち上がり、わしわしと僕の頭を撫で回した。
「くうっ......」
わしわし撫でられ過ぎて目が回りそうだ。
僕がスルッとあの人の手から逃げると
「む......つれないな」
あの人は少し残念そうにした。
このまま撫でられては頭が取れかねない。
早々に退散しよう。
「......では......これで失礼します。」
僕はあの人の部屋を出た。
―――……レイデ様、変わった人だったな。
僕は今日の事を思い出しながら
自分の部屋に戻る事にした。




