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微熱の道化師  作者: だぶまん
微熱の道化師(異世界編)
8/15

8.「忍び寄る影」

しばらくの休息の後に弱者太郎はヨーツー姫に呼び出された。


「あなたに命令を与えます。同盟国であるカタコリ国へ向かい、戦闘の基礎を身に着けるのです。」


ヨーツー姫が太郎に命令したが、太郎はヘルニア国内でやればよいのではとヨーツー姫に返すが、ヘルニア国内での訓練指導担当はすべて腰をやられて動けないという理由から

同盟国であるカタコリ国に援軍の派兵という形で太郎は強くなって来いとのことだった。

太郎は内心で早く元の世界に戻りたいと考えながら運命に身を任せることにした。


太郎はヨーツー姫にはいと返事をしたあと、太郎の後ろから兵とゼン・ニン兄が現れた。

太郎ははっと驚いたがゼン・ニン兄が口を開いた。


「今まで隠れておったが、武具の呪符職人としてヘルニア国の力になることにしたわい。」


ゼン・ニン兄はリン国の強力な魔法に対抗するために武具の呪符職人を育成する指導役としてヘルニア国に

招待されたらしい。後、ゼン・ニンの家を壊したことは忘れないとギラギラとした目で太郎を鼓舞していた。


準備を整えた太郎は馬車に引かれてカタコリ国へと向かい次の日の夕方に着いた。

カタコリ国の城にそびえたつ巨大な門は開いた。それを馬車に揺られてくぐる太郎。

城内は確かに明るいのだが、生活している国民たちはどこか操り人形のような地面についていないようなそんな挙動をしていた。


王宮内に入ると国王とその娘が出迎えてくれた。

まずは城内を軽く案内された。次に王宮内の施設を案内された。どうやら地下には簡易的な牢獄があり現在は使われていないとのことだった。

しかし、いざ案内されると太郎は違和感を覚えた。しかしそういうところなんだろうと太郎はその場は納得して国王とその娘の案内を聞くことに戻った。


弱者太郎の目的は戦闘の基礎を身に着けることである。

カタコリ国の戦闘訓練は甘くなかった。ビシバシと襲い掛かるカタコリ国の教官の木剣に太郎の段ボール部分は毎日ボロボロになった。

しかし、訓練を重ねるごとに太郎は自分が強くなっている実感を味わっていた。

教官はある日、太郎に告げた。


「残念ながら君はもうこれ以上強くなれない。というか全く強くなってない。戦士の素質がない。」


太郎は絶望した。何が悪かったのか素質とは何なのかこれで物語は終わってしまうのか。

そんな悪いことばかりを考える太郎だったが、そんな太郎に教官が言った。


「だが、ガッツは認めてやる。」


これをどうとらえるかは難しいところだが少なくとも太郎にはおめぇまじつええよこれで世界救えるぞマジパネェと教官が言っているように感じた。


「一応最終日まで面倒は見てやる。今日はもう終わりだ。」


教官は今日の訓練を終わらせた。

太郎は今日は少し早く訓練が終わったのですぐに寝ようと思い体を引きづって自室へも取ろうとすると、通りかかった牢獄への方向からとても小さなうめき声が太郎に聞こえた。

これはおかしいと思い野次馬になってやろうと太郎は牢獄に向かう。そして牢獄ののぞき窓から様子を伺うと身なりの良い服を着たそれに見合っていただろうやせ細った男の子が小さい声で


「たすけて」


と連呼していた。それを見た太郎はどうしたと男の子に呼びかけるが、返事がない。

太郎は訓練中につまみ食いしていたビーフストロガノフを男の子に何とかして渡した。

男の子も何とかしてそれを食べた。


「また来るぜ」


そういうと太郎は牢獄を後にした。


男の子のぞんざいを知った太郎だったが、毎日戦闘訓練の終わった後や合間に食べ物や水を運ぶことになった。

それに合わせて男の子も日に日に元気を取り戻していき太郎と喋れるようになった。


「ところで君は誰なんだい。」


太郎は男の子に尋ねた。どうやら男の子はカタコリ国の王子らしい。

しかし、この国の関係者は国王とその娘しか居なかったはず。疑問に思った太郎はその疑問を王子にぶつけた。


かつてリン国がカタコリ国と友好の証として使者がカタコリ国に送られてきた。

確かに最初はカタコリ国国内の商業拡大と技術発展に使者は大きく貢献していた。

しかし、発展してきたものは娯楽関連が主になっていたことに王子は気付いた。

気付いたころには国民の意識や能力の低下が目立つようになっていた。何とかして王子がその状況を打開しようと奮闘したのだが、すでにカタコリ国はリン国の手に落ちていたのだった。


王子は説明を終えると間もなく手を腰に当てて苦痛の表情を見せた。


「あいたたたった」


王子はどうやら腰を痛めたらしい。しばらくたっても腰の治らない王子。


「悪い予感がする。あの使者が来る前に早く逃げるんだ。」


そう忠告する王子に太郎は分かったとあいずちを打つとそそくさと自室へ戻ろうとする。


振り返った目の前に現れたのは国王の娘だった。


「秘密を知っちゃったようね。」


国王の娘はそういうとムクムクと背中から雲の腕のようなものが衣服を突き破って出てきた。最終的に蜘蛛のような怪物になりかろうじて顔は国王の娘のままだった。


「What's the fack?!」


王子が驚いた。


「改めてごきげんよう。私はリン国の“危”の称号を持つ幹部スパイダー・ジョロウよ。

ここでは国王の娘としてまたVOberとしても国民の支持を得ているのところであなたはなぜ腰を痛めないの。」


国王の娘を演じるスパイダー・ジョロウ(ジョロウ)は太郎に向かって自己紹介をしつつ不思議そうに尋ねた。


「私にもわからん」


太郎はズボンから小便を垂れ流しながらジョロウに答えた。


ジョロウは答えになっていない弱者太郎のひ弱そうな姿を見ると


「まあいいわ、正体を知ってしまったなら訓練中に死んだことにしてあげるわ。」


と教官を呼び寄せた。しかし、教官の挙動がおかしい。教官の手足をよく見ると周りに糸のようなものがつながっていることに太郎は気付いた。

太郎は肩についている段ボールを片手に取ると糸に対して垂直に切った。

教官は体の力がいきなり抜けたようにその場に倒れた。

するとジョロウは反抗したわねとどこからか操られた国民たちがわらわらと姿を現せた。


「これは多すぎる。仕方がない。」


太郎はそういうとヘルメットの機能であるダイセイオン(大声)を叫んだ。

操られた国民たちの糸を何とか切ることに成功した。

ジョロウはへぇやるじゃんという顔をしながら糸を吹きかけると国民たちは再び立ち上がった。


太郎も再びダイセイオンを叫ぼうとするが、ヘルメットがバッテリーロウと連呼していた。

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