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微熱の道化師  作者: だぶまん
微熱の道化師(異世界編)
7/15

7.「正義の証明か無謀の勇者か」

弱者太郎はこれまでの異世界での冒険を走馬灯のように思い出していた。


キツエンとの力の差を確信した太郎は力なく座ると自身の足にゼン・ニン兄からもらった失敗作の靴を身に着けていることに気が付いた。


太郎の心に再び戦うための力が戻った。


破壊を楽しむキツエンは背中に強い痛みを感じた。その方向を向くと目の前に太郎がファイティングポーズで立っていた。


「クイックボーグの必殺技の一つ、キャノンボールキックだ。俺が村を守るっ!」

“説明しよう、キャノンボールキックとは砲弾の玉が飛ぶようなとてもつおいちからを相手に与える防具×キックを合わせたクイックボーグの必殺技の一つなのだ。


太郎そういうと周りがシーンとなった。太郎は少しいたたまれない気持ちになった。


「きんもー☆ちょっと本気になっちゃおうかな。」


キツエンは笑いながら応答した。


緊迫した雰囲気に村人の一人が「がんばれっ!」と精一杯応援する。つられて他の村人も応援し始める。

キツエンはその時、一瞬ムっとしたがそれがキツエンに向けての応援だと気づき少し笑顔になった。


「なんだよクイックボーグ君を早く倒せってか。そいじゃあ、本気出しちゃいますか。」


キツエンの体が1回りも2回りも大きくなった後、太郎めがけて渾身のパンチを繰り出した。そして手ごたえがあったことをキツエンは実感した。

余りの衝撃に土埃が上がって煙幕があたりを包んだ。

煙幕が消えかかったとき亡骸を見てやろうとキツエンは太郎に近づく。


「チェンジスタイル、レッドフォーム。」


その瞬間、赤い閃光がキツエンの目を横切り自身の腕がなくなっていたことに気付いた。

キツエンは唸りながら無くなった腕のほうを抑えながら赤い閃光の方角を向いた。煙幕が消えたと同時に見えたのは弱者太郎(クイックボーグ)だった。

様子がおかしい。太郎の目は緑色だったはずなのに目が赤いそして足に着けていた防具の色も変化している。キツエンは太郎の豹変ぶりに驚きを隠せないまま


「誰だお前はっ!」


と声に出してしまった。そして太郎は答える。


「クイックボーグ、レッドレッドフォームだ。」

“説明しよう、チェンジスタイル レッドフォームとはクイックボーグが多用していた戦闘スタイルの一つである。

このスタイルにチェンジすることで戦闘での技がすんげー強力になるのだ。"


太郎は内心ですごく驚いてすごく興奮していた。そして村人の応援以降、力がすごくみなぎっていた。

ヘルメットから聞こえる女性のアナウンスもパワーエナジーフルとか言っちゃってノリノリである。

太郎はゼン・ニン兄の言葉を思い出した。


“正義の心が力になる”


太郎は今までの村人たちの応援は太郎に向けられた応援だったのだと感じた。

キツエンは「お前は絶対に許さんっ!」と先程よりも体が大きくなり渾身の力を込めて太郎にぶつけるがその攻撃は太郎の足で止められた。

いま起こった事が信じられないキツエンはさらに2度3度太郎に攻撃をしたがやはり攻撃は止められる。

これで最後とばかりにキツエンは攻撃をやめて力をためた。太郎はその間にキツエンに説教をした。


「クイックボーグがスタイルチェンジを出すときは必ず敵は倒れるんだ。覚悟しろ。」


キツエンの攻撃をよけて太郎は地面を蹴って高く飛びあがるとドロップキックのポーズを取りキツエンめがけて急降下する。


「キャノンボールキックッ!!」


弱者太郎は必殺技を叫んだ。すると足から摩擦熱のような赤いバリアが発生した。

キツエンは先ほど受けた弱いキックだと思いながら受け止める体制を取った。

太郎はすっと着地した。


「この世に悪がある限り、正義の味方が駆けつける。クイックボーグ正義完了。」


その言葉を聞いたキツエンはなぜか爆発した。そして太郎の足に着けていた失敗作の足がボロボロと崩れて中身の段ボールが姿を見せた。

偽り村の住人は元に戻らなかった。調査団も元に戻らなかった。


弱者太郎はヘルニア国に戻った後ホクホクとした気持ちで偽り村の状況をヨーツー姫に報告した。

一部始終を知っているであろうヨーツー姫は複雑な顔をして太郎に太郎自身がおかれている状況を伝えた。


「まずは、偽り村がの村人たちがが石像になって村が壊滅してしまいました。あの村出身の者があなたに敵意を持ってしまっています。」

「次に我が国の兵士にも被害が及んでいます。行方不明者の手がかりの調査という目的を逸脱し敵と交戦していることもこの国でのあなたの評価を下げてしまいました。」

「最後にあなたが今回戦ったミセイネン=キツエンはリン国の主要兵士の一人だったようです。これをあなたがリン国の支配下に置かれていないことの証明とします。」


結果的にリン国の手先でないということを証明できたが、ヘルニア国での自身の評判を下げてしまった。

気落ちした弱者太郎は小さくこぶしを握りながら「俺は悪と戦ったんだぞ」と小さく不満を口に漏らした。

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