K.9「融和の正体」(AIが要約)
──「メロメル。あなたの提案は、とりあえず聞かなかったことにするわ」
Qの言葉に、メロメルは鋭く目を細めた。
「交渉決裂ですね」冷たく呟き、巨大な魔具人形を動かす。
それはまるで城のような威容を誇り、名前は『融和』――
メロメルは自信満々に紹介した。
「我が城の名は『融和』。愚劣な人間どもに門を開く城なり」
融和は猛々しく拳を振るい、乙女の棺へ襲いかかる。
棺は瞬時に距離を取り避けるが、その拳が触れた森の一帯は、まるでスプーンで抉られたかのように消失した。
飛行艇は慌てて退避し、乙女の棺は追い詰められていく。
巧みに攻撃を避けていたが、ついに片腕を捕らえられる。
「これで終わりです」融和のもう一方の腕から、デコピンのような一撃が飛んだ。
「カンッ」
音が響き、乙女の棺は忽然と消えた。
「意外とあっさりでしたね」
メロメルは不満げに呟く。
だが背後から低い男の声が響いた。
「どこを見ている。私はここだ」
メロメルが振り返ると、そこには消えたはずの乙女の棺が静かに立っていた。
「まさか、あなたは……キュービー」
男は冷静に告げる。
「彼女は気を失っている。理屈はわからんが、今は私がこれを動かせる。覚悟しろ」
メロメルは激昂し、再び融和の拳を振るう。
乙女の棺はそれを受け止めた瞬間、また消えた。
「どこを見ている。私はここだ」
再び声が響き、乙女の棺は姿を現す。
「どうなっているんですか!」メロメルは狼狽する。
「彼女は気を失っている。理屈はわからんが、私はこれを動かせている。覚悟しろ」
キュービーは同じ言葉を繰り返した。
「同じことばかり言いやがって!」メロメルは激怒する。
キュービーは『融和』に触れることなく、攻撃の策を巡らせた。
「これは古より伝わるロボットものの必殺技だ。食らえ、ロケットパンチ!」
叫ぶと同時に、乙女の棺の手のひらから複数の魔法陣が展開され、融和の城へと飛んだ。
メロメルはその魔法陣が魔族由来であることに気づき、言いかけた。
「ひょっとすると、もしやあなたは……」
その言葉の直後、拳の形をした巨大な覇気が融和の城を貫いた。
胴体に大穴が開き、メロメルは己の死を悟りながら呟いた。
「キュービー、あなたは異世界の住人なのですね。あなたはこの世界には場違いだ……現世でまた会えたら」
融和の城は爆散し、その崩れ落ちる中から無数の小型魔族がこぼれ落ちた。
「これが魔族の正体か……」
ゼン・ニン兄弟は寂しげに呟き、
デ・キールは複雑な表情で崩壊する城を見つめていた。
飛行艇に戻った乙女の棺からは、キュービーの声はもう聞こえなかった。
そして間もなく、謎の少女Qは静かに目を覚ますのだった。




