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微熱の道化師  作者: だぶまん
微熱の道化師(異世界帰還編)
33/50

K.9「融和の正体」(AIが要約)

──「メロメル。あなたの提案は、とりあえず聞かなかったことにするわ」


Qの言葉に、メロメルは鋭く目を細めた。

「交渉決裂ですね」冷たく呟き、巨大な魔具人形を動かす。

それはまるで城のような威容を誇り、名前は『融和』――

メロメルは自信満々に紹介した。

「我が城の名は『融和』。愚劣な人間どもに門を開く城なり」


融和は猛々しく拳を振るい、乙女の棺へ襲いかかる。

棺は瞬時に距離を取り避けるが、その拳が触れた森の一帯は、まるでスプーンで抉られたかのように消失した。

飛行艇は慌てて退避し、乙女の棺は追い詰められていく。


巧みに攻撃を避けていたが、ついに片腕を捕らえられる。

「これで終わりです」融和のもう一方の腕から、デコピンのような一撃が飛んだ。


「カンッ」


音が響き、乙女の棺は忽然と消えた。


「意外とあっさりでしたね」

メロメルは不満げに呟く。


だが背後から低い男の声が響いた。

「どこを見ている。私はここだ」


メロメルが振り返ると、そこには消えたはずの乙女の棺が静かに立っていた。


「まさか、あなたは……キュービー」


男は冷静に告げる。

「彼女は気を失っている。理屈はわからんが、今は私がこれを動かせる。覚悟しろ」


メロメルは激昂し、再び融和の拳を振るう。

乙女の棺はそれを受け止めた瞬間、また消えた。


「どこを見ている。私はここだ」


再び声が響き、乙女の棺は姿を現す。


「どうなっているんですか!」メロメルは狼狽する。


「彼女は気を失っている。理屈はわからんが、私はこれを動かせている。覚悟しろ」


キュービーは同じ言葉を繰り返した。


「同じことばかり言いやがって!」メロメルは激怒する。


キュービーは『融和』に触れることなく、攻撃の策を巡らせた。

「これはいにしえより伝わるロボットものの必殺技だ。食らえ、ロケットパンチ!」


叫ぶと同時に、乙女の棺の手のひらから複数の魔法陣が展開され、融和の城へと飛んだ。


メロメルはその魔法陣が魔族由来であることに気づき、言いかけた。

「ひょっとすると、もしやあなたは……」


その言葉の直後、拳の形をした巨大な覇気が融和の城を貫いた。


胴体に大穴が開き、メロメルは己の死を悟りながら呟いた。

「キュービー、あなたは異世界の住人なのですね。あなたはこの世界には場違いだ……現世でまた会えたら」


融和の城は爆散し、その崩れ落ちる中から無数の小型魔族がこぼれ落ちた。


「これが魔族の正体か……」

ゼン・ニン兄弟は寂しげに呟き、

デ・キールは複雑な表情で崩壊する城を見つめていた。


飛行艇に戻った乙女の棺からは、キュービーの声はもう聞こえなかった。

そして間もなく、謎の少女Qは静かに目を覚ますのだった。

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