K.7「心を揺らす者」(AIが要約)
空を裂いて現れたのは、まるで城のような巨体を持つ魔具人形。その中央に、米粒ほどのサイズで立つ人影があった。
「──初めまして、人間様。私はメロメルと申します」
飛行艇の中に、無機質かつ柔らかな声が響く。
現れたのは、“融和の城”と呼ばれる魔族の交渉使者・メロメル。彼は穏やかに、しかし一方的に告げる。
「コ・イカゲの娘様と、キュービー様。お二人をこちらに引き渡していただければ──人間界の平和を保証いたします」
まるで交換条件のように語られたその言葉に、船内はざわめく。
だが、状況を見極めるため、船員たちは一つの決断を下す。
“乙女の棺”に乗るQと、制御核であるキュービーだけを単独でメロメルのもとへと向かわせるのだ。
「必ず、帰ってくるんじゃぞ」
ゼン・ニン兄弟は、不安を押し隠すようにQに声をかける。
「……うん。行ってくる」
融和の城に迎え入れられたQを、メロメルは優雅な仕草で迎える。
「やはり来てくださいましたね」
そして、彼は静かに語り出す──Qの“真実”を。
「あなたの父は、魔族・コ・イカゲ。人間との共存を夢見た、愚かで純粋な男でした」
「ですが……彼は殺されたのです。その願いを踏みにじった“人間”によって」
Qは息を呑む。
「……まさか」
メロメルの口元に、薄い笑みが浮かぶ。
「そう──その“人間”こそが、今あなたと共にいる存在。乙女の棺の中に眠る、もう一人の魂。あなたが“キュービー”と呼ぶ、仇そのものなのですよ」
衝撃が、Qの胸を突き刺す。
──ずっと一緒に戦ってきた、あの間抜けでおかしな存在が。(個人差があります)
──自分の父を殺した、復讐すべき相手だったなんて。
「……そんなの、嘘だ……」
Qの瞳が揺れる。心が、崩れていく。
それを見て、メロメルはにやりと笑うのだった。
まるで、長年仕込んだ罠がようやく作動したかのように──。




