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微熱の道化師  作者: だぶまん
微熱の道化師(現代編)
19/23

G.4「友情と覚悟。そして魔法少女。」

私、☆ノ雲母ホシノキララ。16歳。

ちょっと内向的なアニメ好きの普通の女子高生。

最近、ピンク色のお化け――キュービーに出会い、魔法少女になった。

「弱者太郎エキス」とかいう怪しいものを飲んで怪物化した人たちを元に戻すのが使命らしい。

こんな非日常に巻き込まれるなんて思いもしなかったけど、お兄ちゃんや町の人たちを守るため、少しずつ覚悟ができてきた……と思う。


学校では、親友のΣ崎咲シグマサキサキとよく一緒に過ごしている。

咲は私とは正反対で、運動神経抜群の空手部所属。明るくて面倒見が良い。

中学の頃、男子にからかわれていた私を助けてくれたのも彼女だった。

そんな咲とは今でも放課後によく一緒に帰るけど、部活で遅くなる日は近くのパン屋で待つのが私の日課になっている。


その日もパン屋で時間をつぶしていると、咲が息を切らせて店に入ってきた。

「お待たせ、待った?」

「全然」と私は軽く返事をして、二人でパン屋を後にした。

いつもの帰り道、他愛もない話をしながら歩いていると、背後から低い声が響いた。


「お前も残業か。」


振り返ると、そこには巨大な手を持つ怪物が立っていた。

私たちは驚きのあまり一瞬動けなかったが、怪物が一歩近づいてきた瞬間、咲が私の手を引いて走り出した。


「キャー!」

必死に走ったが、怪物の足は速い。私はつまずいて転んでしまい、怪物がすぐそこに迫る。


「雲母から離れろ!」

咲が怪物に立ち向かい、空手の蹴りを放つ。だが、怪物はその一撃を受け止め、咲を民家の壁に投げ飛ばした。


「雲母、変身だ!」

カバンの中から飛び出したキュービーが叫ぶ。

私は「ヘンシン!」と唱えた。光に包まれた私の体が、魔法少女の姿に変わる。


目の前で変身した私を見て、咲は「な、何これ……」と驚いていた。


私は怪物に向けてステッキを掲げ、「時間よ止まれ!」と呪文を唱えた。

……だが、何も起こらない。焦る私に、キュービーが説明する。

「フロッグマンとの戦いの後、黒い影に時間操作の魔法を封じられてしまったんだ。」


困惑する私に、怪物がなぜか励ますように言う。

「気合でどうにかしろ!」

その言葉に、私は冷静さを取り戻し、「吹き飛ばせ、ウィンド!」と呪文を唱えた。

足元から竜巻が発生し、怪物を吹き飛ばす。足が折れた怪物は動けなくなったかに見えたが……。


「気合でどうにかしろ。」

声が突然別のものに変わり、怪物が再び立ち上がった。今度は咲に向かっていく。


「咲!」

私は叫んだ。すると咲が震えながらも立ち上がり、苦しそうに言う。

「私だって……黙ってやられるだけじゃない!」


キュービーが今気付いたように声を上げた。

「彼女にも才能がある。力を貸すよ!」


キュービーが咲に力を与えると、咲の体が光に包まれた。

光が収まると、そこに立っていたのは新たな魔法少女――咲の姿だった。


変身直後、彼女は怪物に向かって突進しした後冷静になった。


「これが……私の姿?」

驚く咲だった。


その姿を見た怪物は「ほほう」と言いながら起き上がると自己紹介を始めた。


「私たちの名前はWキャスター・U字、部下が世話になった。

 我々は2人で1つの存在だ。」


すぐに冷静になり、怪物に構える。

「行くわよ!」


咲の攻撃は驚異的な威力で、怪物を圧倒していく。

「彼女、もともと物理的な力がすごいみたいだね……!」とキュービーが呆れるほどだった。


しかし、Wキャスター・U字は何度倒しても起き上がってくる。そして起き上がる度に声が入れ替わっていた。

これじゃらちが明かない、そう思ったときキュービーが言った。


「Wキャスター・U字!どちらが本当は偉いんだ」


Wキャスター・U字は仲間割れを始めた。


その隙に咲がもう一発攻撃した。すると少しだけ起き上がるタイミングが遅くなった。


キュービーがとっさに「今だ!Wキャスター・U字を元に戻すんだ。」というと、

雲母はステッキを掲げ、呪文を唱える。

「元に戻れ、リフレクトフュージョン!」

怪物の姿が溶けるように消え、そこに現れたのは普通の人間だった。


「俺は……いったい何を……。」

彼は弱者太郎エキスを飲んで怪物化し、自販機でコーヒーと一緒に拾ったことを思い出したという。

しかし、それ以上の情報は得られなかった。


咲が魔法少女に変身して敵を倒す姿は、戦士そのものだったことに雲母は言った。

「咲、すごくかっこよかったよ!」

「……でも、これって筋肉痛になりそう……。」

照れ隠しなのか、咲は疲れた表情を浮かべる。


キュービーが呟く。

「弱者太郎エキスはいろいろなところにばらまかれている。

 怪物を探すのがますます難しくなりそうだね。」

 

次はこれを読んでる君の町で見つけてしまうのかもしれない。

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