大宮ふとん店 “梱包資材ガチャ”開幕! ―何が出るかな、昭和の残像―
大宮ふとん店の杜撰営業といえば、
黒電話(遂に故障)、祖母による旧字の手書きPOP、謎のハエ取り紙……
ひとつとして“現代仕様”のものがない。
そして近頃、新たに注目を集め始めたのが——
“梱包資材ガチャ” である。
発端は、巡礼者の若者が「お土産用に包んでもらえますか?」と何気なく頼んだときだった。
祖母が店の奥へ消え、
しばらくして戻ってきた。
手には——
廃業した百貨店の包装紙(黄ばみあり)
巡礼者
「……これ、逆にレアですね」
祖母
「昔はよう使ってたんだよ」
若者は大喜びでSNSにアップ。
そこからが地獄(?)の始まりだった。
翌日の客
「包んでください」
母が出してきたのは——
なぜか熊谷市の八木〇百貨店の包装紙。
しかも“昭和のバーゲン”の印字入り。
客
「あの……どうしてこれが……?」
母
「押し入れにあったんでねぇ。使わないのも勿体ないし」
勿体ない精神が過剰に働いた結果である。
しかし客は
「エモすぎる」
とまたSNSに投稿。
別の日の客
「包んでいただけますか?」
今度は父が出てきて、
無言で商品をレジ袋に入れた。
その袋には、
“イトー〇ーカドー上尾店(平成初期ロゴ)”
と書かれている。
客
「これ、もう博物館に展示されていいレベルでは?」
父
「まだ使えるからな」
いや、たしかに使えるけど。
麗奈のファンが来店。
「プレゼント用に包んでほしいです!」
祖母が奥から持ってきたのは——
合併前のガソリンスタンドのキャラクター入り紙袋(昭和59年の外袋)
巡礼者
「待って、なんでこれがここに……?」
祖母
「昔ね、景品にもらったんだよ。丈夫だよ」
たしかに丈夫。
だが困惑は隠せない。
若者たちが次々にSNSへ投稿。
・“大宮ふとん店の梱包ガチャ、今日の結果はこれ!”
・“令和でこの包装紙は反則”
・“黄ばみの色が逆に価値ある”
・“ガソリンスタンドの紙袋出たらレア!”
口コミが広がり、
ついに画像だけで全国にバズる。
“梱包資材ガチャ専門店”
という謎の肩書きが誕生した。
父
「なんか最近、包んでくれって人ばっかりだな」
母
「なんでだろねぇ。包装紙ならいっぱいあるけど」
祖母
「古いレジ袋もまだあるよ」
こうして大宮ふとん店は、
いつの間にか“昭和の梱包資材ミュージアム”として人気に。
今日もまた巡礼者が言う。
「すみません、これ——包んでもらってもいいですか?」
その瞬間、
祖母・父・母の誰が対応するかで結果が変わる。
店のカオスはまだまだ続く。
大宮ふとん店・梱包資材ガチャ、明日も稼働中。




