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大宮ふとん店、本日もたぶん営業中  作者: スパイク


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58/112

復活の“昭和ポイント”──大宮ふとん店、伝説のポイントカード狂騒曲

大宮ふとん店の昼下がり。

祖母がそろばんを弾き、父が競輪新聞を熟読し、母が猫のクロじいに煮干しをやっている。

そんな平和な午後に事件は起きた。


「すみませ〜ん、このカードって……まだ使えます?」


差し出されたのは、

色あせた黄土色の紙切れ。


大宮ふとん店

電話 六二−XXXX

ポイントカード(粗品贈呈)


祖母

「いや……あんた……これ、どこで……?」


客(地元の知人の孫)

「ばあちゃんが昔もらったやつ、押してくれるって」


祖母は目を細めてカードを裏返したり透かしたりして言う。


祖母

「……これ、ウチがやってたやつかい?」


「初めて見たな……」


「これポイントの基準とか何も書いてないよ?」


麗奈

「そもそも電話番号“六二”って…?」



祖母が思い出した。

「これはね、じいさんが昭和50年代にノリで作ったやつだわ……」


麗奈

「ノリで……?」


祖母

「なんか当時“ポイントカードが流行るらしい”って聞いてね……

深く考えずに作ったのよ。ポイント基準は“気持ち”だったと思う」


麗奈

「気持ちで決めるカードって何……?」


亡き祖父のカオスな遺産である。



基準が分からないので、

祖母はなんとなくスタンプを押し始めた。


「ポン……ポン……なんか楽しいねぇ」


「そのスタンプ、何ポイント分とか決めてないの?」


祖母

「知らないから、とりあえず3つ押しとくわ」


「適当すぎる……」


そして——


麗奈

「あっ……全部貯まった……」


祖母

「……ほんとだ……やっちゃったねぇ……」


「全部貯まったら粗品って書いてます!」


麗奈

「書いてはあるけど……何も考えてないのよ!!」



祖母

「ちょっと倉庫見てくる」


祖母は薄暗い倉庫へ。

昭和の匂いがむわっと広がり、

ほこりを払って段ボールを開けると——


“昭和50年代の寝具メーカーのノベルティ”

・赤い湯たんぽカバー

・変な笑顔の布団キャラクターシール

・昭和の会社のロゴ入りタオル

・謎の「寝具祭」バッジ


麗奈

「何これ!?レトロすぎる……」


祖母

「粗品って書いてるから、これでいいねぇ」


客に渡すと——


「最高です!!レトロで可愛い!!」


麗奈

「えっ?これ喜ぶの!?ほんとに!?」



──SNSにアップすると→大炎上(良い意味で)


客がアップした写真が瞬く間に話題に。


「昭和の超レア布団ノベルティ!」

「謎の“昭和ポイントカード”すごい!」

「復活希望!!」

「全国で5人しか持ってなさそう!」

「電話番号“六二”がエモすぎる」



祖母

「なんでこんなに騒ぎになってるの……?」


「復活希望だってよ。ポイントカード」


「どうするの?」


麗奈

「え、やるの?この昭和の遺物を??」


そこに、なぜか店の入り口から顔を出す修さん(ベーカリー中村)。


修さん

「なんか……うちにも“ポイントカード復活しないんですか”って客が来たんだけど……?」


麗奈

「修さんが巻き込まれるのも、もう日常です」


祖母

「まぁ………とりあえず発行する?」


麗奈

「しないって!!」


 


・“昭和ポイント”は幻のカード

・世界に5枚しかないレアカード

・粗品は“戦後の遺産”

・ポイントは“長年の徳”で貯まる

・ポイント発行元は公安当局?(なぜ)


全部嘘である。

全部ただの祖父のノリである。


しかし、大宮ふとん店の混沌は、

またひとつ新たな伝説をつくってしまった。


麗奈

「うちって……なんでこんなにバズるの……?」


祖母

「時代が追いついてきたんだねぇ」


「次は“ポイント2倍デー”だな!」


麗奈

「絶対やらないからね!!」

 


こうして——

大宮ふとん店“昭和ポイントカード”狂騒曲は

今日もまた、地域に混乱と笑いを撒き散らしながら続いていくのであった。

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