郵便番号が時空を超えた店──大宮ふとん店362-XX伝説
郵便番号が時空を超えた店──大宮ふとん店362-XX伝説
上尾市の外れにある大宮ふとん店は、令和の日本に存在していながら、
住所・電話番号・郵便システムの全てが 昭和で止まっている。
看板は「大宮ふ ん店」。
電話番号は「ろくじゅうにの……」で始まる。
そして極めつけは——
郵便番号が未だに5桁。
『362-XX』のまま。
麗奈
「おばあちゃん……郵便番号、7桁になったの平成9年だよ?」
祖母
「そんなに最近の話じゃわからんよ。
昔は“362”で届いたんだよ」
最近!?
※軽く25年以上前です。
麗奈宛のファンレターは何故か全部こうだ。
『〒362-XX
埼玉県上尾市◯◯◯(丁目なし)
大宮ふとん店様』
郵便屋さん
「……まただ……また“362-XX”……」
麗奈
「実は私……最近まで“362-XX”が正式だと思ってたんです……」
父
「わしもだぞ。競輪も迷ったら3-6-2を買ってたし」
麗奈
「競輪関係ないのよ!!」
母
「ファンレターも昔の番号で来るから疑わなかったわ〜。
郵便屋さんが“慣れ”で届けてくれるし」
慣れで届けるな。
ある日、観光客が投稿した。
「郵便番号が平成どころか昭和のまま。
ここは時空の裂け目?」
その画像には、大宮ふとん店の領収書が。
『〒362-XX
埼玉県上尾市◯◯◯
大宮ふとん店』
コメント欄は大炎上。
「上尾にこんな秘境があったのか」
「住所も電話番号も市内局番も昭和」
「令和に生きる昭和の亡霊」
「郵便局泣かせ店」
「これでちゃんと届くの奇跡すぎる」
そしてついたタグが
#362番地からの生還
#上尾市のワームホール
#郵便番号が時空旅行
店はなぜか大盛況。
麗奈
「盛り上がってるのは嬉しいけど……理由がおかしいのよ!!」
こうして大宮ふとん店は今日も、
昭和の郵便番号で堂々と営業 しているが
何故か手紙や荷物は全部届くのがまた恐ろしい。




