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大宮ふとん店、本日もたぶん営業中  作者: スパイク


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37/109

未確認布団遺跡を追え──大宮ふとん店 到達不能地帯の謎

~~無駄に重厚なナレーション~~

人類は、ついに上尾の秘境に挑もうとしている……。


そこは地図が乱れ、方位磁石が狂い、

Googleマップのアルゴリズムさえ恐れて近づかぬという

“上尾最後の未踏領域”。


文明圏からわずか数百メートル。

だが、その一歩先は……誰もが迷う。


大宮ふとん店。


店名は知られつつも、誰一人たどり着いた証拠が確実ではないという。

口コミはすべて断片的で、信頼性に乏しい。


「猫が可愛い」

「ハエ取り紙がすごい」

「誤字が出ると幸運」

「店内BGMが競輪中継」


――布団の話が、ない。


いったい、そこでは何が起こっているのか。

なぜ人々は道に迷い、

なぜコンパスは布団の方向を指し、

なぜGoogleマップは沈黙を貫くのか。


今、我々秘境調査隊 が立ち上がる。


その装備は古く、

そのナレーションは重く、

しかしその使命はただひとつ――


大宮ふとん店を発見すること。


さぁ、我々とともに足を踏み入れよう。

上尾の奥地、布団の霊域、

いまだ誰も真相に触れたことのない“謎の布団遺跡”へ……。

ここは埼玉県上尾市。

かつて文明が息づいていたという商店街の外れに、

いまだ人類が完全踏破したことのない

伝説の布団店 が存在する。


その名も……

大宮ふとん店。


我々調査隊は、

数多の冒険者が迷い、

Googleマップに拒絶され、

猫と誤字と謎のノボリ、そしてハエ取り紙が生き残る

この禁断の地へ、いま足を踏み入れようとしている……。


ナレーション

「調査は順調に見えた。

 しかし……ここで思わぬ事態が発生した!」


スマホ画面には、

“この場所は存在しません”

の文字。


隊員「し、存在しない!? 上尾に……?」

別の隊員「地図が……ぐるぐる回ってます!」

隊長「なんだこれは……方向が定まらん……!」


Googleマップは、

大宮ふとん店の位置に近づくと、

永遠にピンが回転する という謎の現象が発生する。


さらに恐ろしいことに——


隊員「コンパスが……狂ってます!」

隊長「な、なんだと!?」


スマホの方位磁石は、

東を西と示し、

南を北と示し狂い始めた。


まるで大宮ふとん店そのものが、

人を呼び寄せる巨大な磁場を持っているかのようだ。


隊長「口コミを見て手がかりを探す!」

隊員「了解!」


しかしそこには……


「猫が可愛い」

「ハエ取り紙がすごい」

「誤字がレア」

「店内BGMが競輪中継」

「祖母の手書きPOP、旧字の出現率高い」

「店主のおじさん、競輪賭けながら接客する」

「買わなくてもふんわりする店」


隊長「店の情報が……ひとつもない……!」

隊員「観光地として評価されてます!

   総合評価4.6です!」

隊長「なぜだ!!」


口コミの95%が

「布団」の話をしていない という衝撃。


もはや情報としてまったく役に立たない。


コンパスの狂いに逆らいながら歩き続ける調査隊。

突然——


隊員「ゆ、見えたぞ……!」

隊長「大宮……ふとん店……!」


看板の“と”が消えかけ、

“ふ ん店”と読める建物。

入口には

「いんすたバエ」 の看板と、

麗奈が書いたダサノボリがはためく。


隊長「ここが……未踏の地……!」


店内に踏み入ると——


・旧字と誤字と脱字で構成されたPOP

・なぜか布団の上でくつろぐ猫たち

・競輪中継がBGMのように流れ続け

・祖母のPOPが「布團」「營業中」など時代をさかのぼり

・母は猫のエサを優先して客を放置


隊長「文明と原始と昭和と令和が混ざっている!!」


調査隊は混乱した。


■最終章:到達者はこう呼ばれる


大宮ふとん店にたどり着いた者は、

上尾中央商栄会ではこう呼ばれる。


到達者リーチャー


到達者となった隊長は語る。


隊長「この店は……布団店ではない。

   時空のほころびである……!」


隊員「どうします、隊長?」

隊長「決まっている……」


隊長、布団を買う。


隊長「布團、ふかふた……買って帰る……!」

隊員「隊長ーーー!!」



Googleマップの最新レビューにはこう書かれている。


「道に迷って1時間さまよったが、

 やっと着いた。

 布団を買いに来たのに、

 誤字POPと猫の写真を撮って帰った。」


総合評価:謎の観光地(4.7)


大宮ふとん店は今日も、

文明をほんの少しだけ狂わせながら、

ゆっくりと「本日閉店」の札を掲げながらも“營業中”である。

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