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大宮ふとん店、本日もたぶん営業中  作者: スパイク


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34/112

大宮ふとん店・ネット爆速伝説 ロード時間0秒の怪物ホームページ

埼玉県上尾市──。

商店街の外れにある“大宮ふとん店”には、

ある意味で日本に名を轟かせている“遺産”がある。


ホームページだ。


ただし、店の人間は誰もその“偉大さ”を理解していない。

むしろ、存在すら忘れかけている。


だが、ネット民の間ではこう呼ばれていた。


「日本三大爆速表示ホームページの一角」


残り二つは、

・俳優A氏の驚異の爆速個人サイト

・南の島・某国観光局の公式ページ



その並びに、なぜか 大宮ふとん店 がいるのだ。


◆父、突然のIT革命宣言


2012年の夕方、父が競輪新聞を読みながら呟いた。


「……これからはインターネットの時代だな」


母「…今更?」



父は胸を張った。


「うちも“ホームページ”ってやつを作るぞ!」


まるで平成初期の発言である。


◆制作開始──そして即挫折


父は近所の本屋で買った初心者向け本を開いた。


『誰でも作れる!やさしいホームページ』


父「ふむふむ……タグ……?

  画像……?

  リンク……???」


ページを3枚めくったところで本を閉じた。


「無理。」


祖母「早っ!」

母「3ページで諦めるってある?」

麗奈「せめて画像の貼り方まで頑張って……」


しかし父には奇妙な発想があった。


「画像を貼らなきゃ軽いだろ?

 文字だけなら爆速だぞ?」


その結果──

文字だけ、背景白、写真ゼロ、装飾ゼロ、CSSゼロ、

HTMLタグすら怪しい紙のようなホームページが完成。


◆伝説の爆速ページ、誕生


ホームページのTOPはこうだ。


——————————

大宮ふとん店

営業中

(写真なし)

——————————


下に書かれているのは、

明らかに古い市内局番のままの電話番号。


0482-6X-XXXX


さらに下には意味不明な一文がついていた。


『この店は上尾市にあります』

(住所は書かれていない)


◆ネット民の発見


誰も見ていないと思われていたサイトは、

ある日ネット民の“爆速ランキング”に突然ピックアップされた。


「読み込み0秒ww」

「紙の方が重い」

「ブラウザが“瞬間移動した”」

「アクセスした瞬間、ページがもうそこにある」


謎の賞賛が集まり、

ついには──


“日本三大爆速ホームページ”

に数えられてしまった。


父「すげぇ!俺は天才か!?」

祖母「何もしてないのが功を奏したのねぇ」

母「写真がないから軽いのよ」

麗奈「写真がないと全然か伝わらないんだけど!?」



◆何も更新されないまま伝説に


爆速ランキングに載ったあと、

ネット民が期待して再アクセスした。


……が、内容は全く変わっていない。


トップページの一番下にある更新日だけが

「2012年」

で止まったまま。


リンクをクリックするたび:

・404

・空白

・謎のHTML断片

のどれかが必ず出る。


だがページは爆速。


ネット民「更新されたら逆に遅くなるから、このままでいい」

「このサイトが残ってるだけで安心する」

「令和でこの軽さは奇跡」


いつの間にか、

大宮ふとん店は“爆速の象徴”として保存されるべき存在になっていた。


父「よし。もう更新はいいな」

母「え、更新してたの?」

祖母「そもそも触ってないよ」

麗奈「……何もしてないのが一番強いってどういうこと?」


クロじい「ニャー(多分勝ち)」


大宮ふとん店のホームページは今日も爆速だ。


なぜなら──

軽すぎて、ほぼ無だが残っているから。


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