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8・私が異世界転移者となった経緯
ではそろそろ
私がこの世界に来た時の事を話そう。
あまりにも昔の事なので
記憶が曖昧になっているが
確か、童話の本を読んでいた時のこと。
時空の歪みが発生して
ある雪国にゲートの様に繋がってしまった。
それがきっかけでこの世界にやってきた。
その時は、今と違って
静かで、それでいて街では飾り付けがされていて
子どもたちも集まって
田舎街として楽しい雰囲気だったのを覚えている。
私は古い一軒家で孤児院を営んでいる婦人にお世話になって
何とか冒険者としての心得を身につけようとしていた頃だと思う。
その頃は、こうやって退屈だけど
のんびりとした時間が流れていくものだと
考えていた。
しかし、それから2年ほど経った時
村では事件が起こった。