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第二話

死にたい、、一回死んでるけど。と何回考えたことか。異世界と断定するのはまだ早いがどう考えても赤ちゃんは意味がわからない。あと環境面だ。

 どう考えても現代の物ではないし。確実に日本じゃない。そもそも赤ちゃんなのになぜ思考できている?そんなリソースあるのか?そんな修の考えが止まることはなかった。

 

「ばぶぅ(異世界、、か、」


 頭ではなんとか理解できているが心が追いつけない。心は強くないのだ。それに加えてこれからのことだ。確実に大変なことになるのは想像に難しくない。

 まだやりたいことがあったというのに、、いや、でもどちらにせよ将来が過酷なのは変わらないか、。

 修はなんとか心を落ち着かせ切り替えをしようと思ったのだった。

 

 ここは、教会なのだろうか?そう仮定するとして僕は孤児ということになる。うーん、宗教はあると考えていいのだろうか。そもそも異世界か?未来は無いとして過去の可能性も、、情報がなさすぎる、

 そもそもなぜ言語がわかる?そういう物なのだろうか、修の思考は止まらない。    

 とりあえずここは恵まれていると考えてもいいな。飢餓に苦しむことはないだろう。修道着の女の人も顔色が悪くなかったのでそこは安心できる点だな。

 

 「どうしたんでちゅかー?」


 そんな時にまた修道着の女が来た。ご飯の時間だろうか?

 

 「かわいいねー、」

 

 修のほっぺをツンツンしてくる。うざい、、そんなことをしてくる間に女を観察することにした。

 シスター、、なのだろうか。それに壁を隔てた向こう側にももう1人僕と同じ赤ちゃんがいるのだろうか?そちらにも女は何かをしている。

 1人ではないことがわかり安堵した。できれば僕と同じ境遇にあった人であれ。そんな縋るような願いをしつつ、女の観察を続けるのだった。


 よし、わかったことを整理しよう。ひとつ、自分はどうしようもない状況に置かれている。

 ただそれだけ。それしかないのだ。いや、必死に考えたよ?それしかでてこないのだ。本当に自分に腹が立つ。キリがない、、いや、ポジティブだポジティブに生きていくんだ。そう自分を奮い立たせる。考えるしかないんだ、これまでもそうだったじゃないか。


 手を挙げてみる。なんとか挙げられる。生まれて間もないわけじゃないってことか。それはいい情報だ。とにかく情報がほしい、求める物は本だ、ただ時代によっては本は高価な物になるのではないか?そこは願うしかないか、、この世界の現状把握と自分の立ち位置を調べないと、、。

 そんな風にジタバタしていると女が近寄ってきた。


 「あら?どうしたのぉ?リード」


 そうして僕を抱き抱える。ん?僕の名前だろうか、リード。いい名前じゃないか。名前からして日本じゃないな。海外?ヨーロッパあたりの名前か?

 修はどんどん数ある選択肢の中から消去していく。とにかくごく僅かな進歩だったが前には進んだのだ。そうして修は小さな満足感とともに、赤ちゃんプレイを楽しみ眠りに落ちるのだった。


 目から覚めるとまた変わらぬ景色。修道女からもらう離乳食みたいな物を食べ腹を満たして眠りに着く。最近の流れはほとんどそうだ。さすがに飽きてくる。何かしようにもゆりかごの中なので何もできない。外に行けないものだろうか。

 それに僕と同じ同居人が気になる、、少しの壁があるので見えないし、なんとか覗くことはできるだろうか、、まず立てるのか??足に力が上手く入らない。ただゆりかごの持ち手を掴みなんとか立ち上がることには成功した。


 「何してるの!!危ないでしょ?」


 あぁ、、邪魔が入った。シスター(仮)だ。まぁ結局立ち上がっても見れるわけなかったのだが。


 「なーに?気になるの?お友達のこと。ふふっ、かわいいわね。じゃああいさつしましょ~ね~、よいしょっと」


 おお、勘が鋭いじゃないか!ありがたいな。やっと同居人の姿をみれる。

 そうシスターに抱き抱えられて同居人を見てみると、、女の子、、?なのはいいが髪が少々どころかだいぶ派手じゃないか?

赤ってなんだ赤って。

 これはヨーロッパとかではないな、、となると異世界、、か。はぁ。ほんとに気が滅入ってしまいそうだ。だかそれにしても凛々しい顔立ちしてるなぁ、自分の顔も見てみたいものだ。


 「はぁーい、あいさつしてくださいね~。リードですよぉ~」


 そうシスターはリードの手をとってその女の子に手を振る。それに反応するように女の子はきゃっきゃっと何か声を発していた。


 「あ!レイラちゃんが反応した!!よかったねぇ~。よろしくだって!」


 「バァブゥ(よろしくな)」


 へー、レイラっていうのか。これからよろしくな、レイラ。

 

 

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