第一話
うぅー、、寒い、、」
そんなことをぶつくさと言いつつ自転車をぎこぎこと漕ぎ続ける青年がいた。
「はぁはぁ、なんで毎回山を登り降りしなくちゃならないんだよ!!」
青年、修は田舎でも特に田舎に住んでいるため駅もなければバスもなく自転車で学校を毎日遠い距離を通い続けなくてはならなかった。
「これからどうしよう、、」
そんな毎日を繰り返していたらあっという間に18歳の12月、部活は途中で退部し、今まで受験勉強を重ね続けてきたが、大学に行く意味を見出せず途端にフリーターになることを選んだのだ。
「怖い、、、やっぱり大学行った方がよかったか?いや、僕はこれでよかったんだ、、、はぁ、また悪い癖だ」
自分の決定を納得させるように後からもっともらしい理由を付けて自分を、他人を欺く、悲しくなる自分の性を叱責し自転車を必死に漕ぐことで忘れさせた。
そんな時
「え、え、やば」
気づいた時には曲がり道のガードレールから飛び出しており考える暇もなくそこで修の意識は途絶えた。
「ん、、」
パッと目をなんとか開けるとそこは見知らぬ天井だった。身動き一つ取れないその体は修に想像を絶する怪我をしてしまったと思い込ませるには充分だった。ある意味想像を絶するが、、
病院にしては少し材質が違う?ここはどこだろうか?、、え?
見渡すとなんととても大きな空間で修道着?を着ている巨人達がいるではないか。
実際には修が小さい赤ちゃんなのだが、
なんだここは、、声もでないし、、
「はぁーい、起きたんですねぇ。よしよし、かわいい子だね」
巨人の1人が自分をまるで赤子の様にあやしてくるのをみて、修は理解せざるを得なかった。自分は赤ちゃんなのだと。
意味がわからない。なぜ自分は赤ちゃん?しかも世界観がまったく違う、、ここは現代だぞ?まるで異世界じゃないか、、異世界?
「おぎゃぁー!!(はぁ!!)」
異世界?異世界?なんで?!そんなことを考えても無意味なことはわかっているが考えずにはいられない。いくら考えてもわかるわけもなくそこで修の思考はストップし深い眠りについた。
修はまた眠りから覚めると前回よりは意識がはっきりとしており、状況をなんとか整理しようと試みていた。
えっと、考え事をしたら確か崖から落ちて、、目覚めたらここにいたと。
意味がわからない。
僕が何してたって言うんだ!ただ捻くれた考えを持ってるだけの純然たる高校生だったろうが!! 異世界だと言うのなら女神連れてきて能力渡して概要伝えておくのがテンプレだろうが、どうした!?
そんな考えが自分をダメにしそういう運を引き寄せないのだろうなと自分自身理解していたのだが今ばかりは不満が止まらない。
そんな愚痴をぶつけていた時後ろから足音が聞こえてきた。
「はぁーいご飯の時間でちゅよー、どうですかぁーー?おいしい?」
そんな笑顔で修道着の女性はミルクを飲ませる。飲み終わった後には背中をトントンされ、あやされ寝かしつけられてしまった。
修はこの赤ちゃんプレイにどうしようもない充実感を感じていた。
仕方ない、仕方ない、不可抗力。と思い満喫していたのだ。だが、それも仕方のないこと。修は今、キャパオーバーで頭が混乱しており、それに加え18歳なのだ。性にはそれはもう多感な時期でしかも赤ちゃんプレイだ。ネットでそんな赤ちゃんプレイをみて恥ずかしさはあったがどこか憧憬のような物はあった。だから、こんな形でされるなんて思わなかったが心が軽減されたのを確かに感じた。
「確かに軍関係者や、責任感の重い人ほど赤ちゃんプレイは好きというしな、、僕も先人達にならってストレスを軽減してもらおう。」
こんなロクでもないことを考えている修だったのだがこれのおかげで確かにだがストレスは軽減されているのだった。まだまだストレスは降りかかるのだから。