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特別ストーリー*.♪❀♪*゜桜まつり(人間界ver.)

春の訪れを祝う────桜まつり。

深夜といえど人は多く、足取りは絶えない。


そんな中、一つの屋台に目が留まる。


「魔法くじ……?魔界定番の屋台がどうしてここに?」


カラフルな灯りで彩られている店の中には、沢山の景品が並んでいる。


一見普通に見えるその景品は、どれも魔道具だ。


「どうやら魔族には魔法くじを、人間には普通のくじを提供しているみたいだね。ちゃんと人間側には、魔法くじの存在は見えないようにしているようだけど……うーん、見えてる人には見えているね……。思ったより雑だなこの術式」


大雑把に組まれた術式は、本来の効果が発揮されず……多少感覚が鋭い人間には、一部だけ見えているようだった。


「懐かしいわね。せっかくだから、久しぶりにみんなで引いてみる?」


マイナとスイの後ろからユキが声をかける。


店主から木の枝を受けとると、それぞれ魔力を込め始めた。


すると────。


スイ、ヒヅキ、ユヅキの枝は、蕾が開き満開に咲き誇る。


「開花は、一等だね。どれにしようかな。簡易式古代魔法のブレスレットか……いいね、これにしよう」

「俺もスイにぃと同じ一等だ。精霊召喚と近くにいる精霊を呼び集める笛……割とレアだな。ユヅキは……濃いピンクに変わっているから、4等か。どれにするんだ?」

「…………。………守護の、ピアス……。これで、快眠……zZ」


すぅーと意識を手放したユヅキに、スイとヒヅキは軽く苦笑をこぼした。


「あら?私は開花と蕾だから、2等ね。2等は……コスメ系なのね!いいじゃない!これにしましょ。存在感を消す香水……!面白いわね」


ユキが景品を選び終わると横から、枝を強く握り締めて力むショウの声が聞こえてくる。


「枝垂れ桜……枝垂れ桜になれぇぇぇぇぇ!!!」


バーバン.ᐟ.ᐟピコピコピコピコ……ピコン!


「ん?変わらない……蕾のままだと3等か。本当は5等の、どんな食材も最高級の味に変わる杖が良かったんだが……」


シュゥゥゥン……。


「まぁ、いっか!」


ピコン!


「この保存ケースにしよう!!食べ物や植物、あらゆる全ての劣化を防ぐ優れもの万能ケース!!」


ジャジャーン.ᐟ.ᐟ


「ちょっとショウ。あんたさっきから効果音が漏れているわよ」

「あ?効果音?そんなもん、漏れるわけないだろ?おもちゃじゃあるまいし何言って……」


ぷぅん?


「「…………」」

「うぉっ!?なんだこれッ!!?俺、効果音でてるッ!!!」


ババーン.ᐟ.ᐟ


2人は一斉に音が鳴る方へと視線を向ける────。


ピコン!


振り向いた先には……口角をわずかに上げた、ミヅキが立っていた。


「マークした対象の気持ちに合わせて鳴る効果音の指輪。咲いて散っちゃったから、ハズレだったの」


ガガーン。


「お、おう。俺のと交換するか?」

「私のあげるわよ」

「大丈夫。2人ともありがとう。割と気に入ってるんだ」


ジャーン!シャカシャカシャカ♪


「……あいつ似たような物、持ってなかったか?」

「ええ、一日の占いと天気を教えてくれる指輪だったかしら……きっと同じシリーズね」


ショウとユキは、幼いミヅキが手に嵌めてたもう一つの指輪の存在を思い出した。


「マイナはどうだった?」


スイが隣りにいる妹に視線を落とす。


その途端────。


パンパカパーン.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ

────カランカラン♪


マイナの枝が満開に咲き誇り、桜が舞う。それと同時に、トランペットやホルンなどの楽器を持った、妖精たちが飛び出してきた。


『特賞.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ』

『特賞.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ』

『おめでとう.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ』

『特賞だよ.ᐟおめでとう.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ』

『イェーイ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟやったね.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ.ᐟ』


沢山の妖精に囲まれる中、杖を持った妖精が一振りする。


────ポン。


煙の中から現れたのは、大きな兎のぬいぐるみ。


「わぁー、ふわふわ!かわい〜!!ありがとう」


小さな妖精たちから受け取ったぬいぐるみは、ふわふわで柔らかい。


兄と同等の身長を持つぬいぐるみに、マイナは必然的に抱きしめるかたちとなる。


「おめでとう!やったね。今回も特賞。マイナは、運に愛されているなぁ〜。さすが僕たちの天使」

「おめでとう!!!すごいじゃない!!これで、10回連続よ!」


スイとユキがぬいぐるみを支えながら、嬉しそうに笑う。


「すげーじゃん!!!てか、でかくねっ?!!昔は、自由に大きさ変えられたのになぁ〜。最近の護衛ぬいぐるみは、デフォルトがこのサイズなのか?ミヅキと同じぐらいあるんじゃねーの?」


ショウは兎のほっぺたを軽くつついてみる。


すると────兎の瞳が紅く光り、勢いよく横を向く。


「うぉっ!」

「さすが護衛ぬいぐるみだね」

「かわいい見た目に反して、結構強いのよね。以前よりかなりパワーアップしたそうよ」


(パワーアップ?……アレよりも……?)


ショウはスイとユキの話を聞きながら、妹の部屋に飾られてあるであろう……歴代のぬいぐるみを思い浮かべて顔面蒼白になる。


「おめでとう!よかったな。かわいい上に触り心地もいいんだな、この兎……」

「ふわ、もふ……沈む……溶けそう……」

「本当だね……しかもなんかちょうどいい温もりを感じる」


三つ子をも虜にする可愛らしい兎は、その後────。


リビングに設置され、今日も今日とて静かに見守るのでした。




カクヨム様の方には【ゔぁんうら】も載せているので、よろしければそちらもお楽しみください。❀·̩͙꙳。

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