14音*.♪❀♪*゜ダイヤモンドクラス
カクヨム様にも投稿していますが、なろう様の方が少し早めに投稿しています。【ゔぁんうら】ショートストーリーは、カクヨム様のみに載せているので、良ければそちらも楽しんでいただけたら幸いです໒꒱·̩͙.* ゜
魔法特進科──── その名の通り、魔法に関して最も秀でた者が集う、いわば“天才“の集まりだ。
少数精鋭で学ぶこの学科は、最上位クラスで十五人。他三クラスも、二十人に届くかどうかだ。
そんな才能の原石である、天才や秀才を集めた特進科は────四大宝石にちなんだクラス名となっている。
なかでもダイヤモンドを冠するクラスは別格で、すでに魔法ランクS級以上の実力者たちが通う、天才ぞろいだ。
同じ特進科であろうとも……圧倒的に、他のクラスとは異なる。
マイナたちが所属する【ダイヤモンドクラス】は────魔法•魔術、知識、技術などのあらゆる分野に長けた、オールマイティな天才•万能型のトップレベルの教室なのだ。
(いわば磨かれた宝石たちの宝石箱……このクラスのほとんどが、貴族……気を引き締めないと)
教室から感じる魔力の濃さに、まるで夜会に似た感覚を覚える。
貴族出身が多いこのクラスでは、他国からの遊学の生徒もいるため、油断はできないのだ。何か起これば、国際問題に発展しかねない。
ほんの少し緊張が混じる教室に、マイナは視線を滑らせた。
今いる八人の生徒は皆、貴族らしく微笑みをたたえて席についている。
落ち着いた雰囲気を漂わせながらも、その瞳の奥には……わずかな警戒が滲んでいた。
(それにしても……みんな制服なのに、オーラがキラキラ……。この顔ぶれだと、教室にいながらまるで小さな夜会にいる気分。特にあの五人組なんて、眩しいほどに……って……あれ?)
自分の席に向かう途中……クラスの中でひときわ目を引く、メンバーと視線が重なる。存在自体が輝かしい五人は、マイナへ優しく微笑んだ。
その次の瞬間────。
麗しい見た目とは反対に、アハハハと純白の長い髪を揺らしながら、大きく手を振ってくる青年の姿が。その大胆な行動に……横では、額を抑えながら溜め息をつく青年と、にこやかに小さく手を振る青年がいた。
前の席に座る金髪碧眼の青年は、美しい笑みを貼りつけた状態で、前方に視線を固定している。……後ろの変人と関わりがあると思われたくないのだろう、微動だにしない。
そんな彼らの傍らで……赤髪の青年は、穏やかな表情を浮かべたまま、そっと見守っていた。
(どうして、ここに……セブンナイツが?姿は見えないけど、残り二人の気配も感じる……)
イルヴェリーナ皇国の重臣である、セブンナイツ。
彼らは基本、国から出ることは滅多にない。
ましてや、国の要である七人全員でなんて、これまで一度もなかった。
そのことに、マイナが内心密かに驚いていると……弾んだ声で白髪の青年、ナヴィリオンが声をかけてくる。その背にはなぜか、花々が咲き乱れて見えた。
「やぁ!久しぶりだね!!我らの姫!元気だったか
い?」
『リオン……不必要な接触はよせ。姫に危険が及んだらどうする」
額から手を外したレヴィウスは、諭すように念話で語りかけた。
『だからこそじゃないか!姫とボクたちの仲がいいと思った誰かさんは、まっさきにボクたちを狙うはずだよ。人質としてね。なぜならボクたちは美しいからね!彼らの心を奪うなんて簡単さ!!罪だね!!!』
『美しさは関係なくない?』
気が抜けた声で、シグフォードは突っ込む。
だが琥珀色の瞳は、楽しげにナヴィリオンを見つめていた。
『まぁ冗談はさておき、利用価値が高いと判断するだろう?つまり!危ないのは、ボクたちってことなのだよ!あー、この美しさの前では敵も……』
途中から自分を抱きしめ、喋り続けるナヴィリオンに、レヴィウスは頭を抑える。
『これが、次期宰相だなんて……国の行末が心配だ』
『大丈夫でしょ。ああ見えて、頭はいいんだし』
楽観的なシグフォードはそう答えるが、レヴィウスはさっきよりも深く……ため息をついた。
『姫、すまない。このバカのことは、気にしないでほしい。俺たちは空気だと思ってくれ』
『大丈夫だよ、レヴィ。大体のことは、予想ついているから。ナヴィリオンの考えも。だから大丈夫だよ』
なんてことないように笑うマイナに、レヴィウスは心が痛んだ。
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あとから来たココイとアマネに挨拶し終えると、このクラスの担任が教壇に立つ。
「皆さん、入学おめでとうございます。ダイヤモンドクラスを担当する、ヴレシア•フィーデンです。一緒に魔法の深さを追求していきましょう。よろしくお願いします」
上質なマントに身を包むヴレシアは、柔らかな物腰で自己紹介を行う。
(公爵令嬢のイヴレシア様……。深窓の令嬢までだすとは、よほど慎重に動きたいのね)
あまり社交界に顔を出さない彼女は、限られた上位貴族にしかその姿は分からない。
世間が知るイヴレシアの特徴は、ライラックのような艶やかな髪に、マゼンタの瞳。その噂だけなのだ。
「そろそろ、入学式が始まりますね。ホールへ移動しましょう。正装である、マントと帽子は忘れずに着用してくださいね」
その言葉を合図に、みんな席を立った。




