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キャベツと俺たち
ミキオ達はとんかつ屋に来ていた。
「ここ、キャベツ食べ放題だって」
ミキオが指さす。
「へぇ、そうなんだ」
タクローが言う。
「キャベツって何が1番美味しいと思う?」
カズが聞いた。
「うーん、やっぱりとんかつに添えられてるキャベツじゃない?当たり前過ぎて違和感ないもん」
ミキオが言った。
「俺はロールキャベツだな。あの肉とスープの染みた感じがいいんだよね」
タクローが言った。
「あぁ、確かにロールキャベツもあったな」
ミキオが身を乗り出す。
「俺は野菜炒めかな」
カズが言った。
「確かに野菜炒めも美味いな」
ミキオが今度はカズの方に身を乗り出した。
「オイスターソースで炒めるとスゴい美味いよ」
「うわ、今度やってみよ」
すると、とんかつが3人の前に運ばれてきた。
「うわ、美味そう」
「ホントに美味そう」
「マジで美味そう」
3人はそれぞれ声をあげた。
「やっぱり1番はとんかつのキャベツだな」
「間違いない」
そう言うミキオとカズを横目に、
「影響されやすいなぁ…」
とタクローが呟いた。
3人とも綺麗にとんかつを平らげた。




