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蜂と俺たち
ミキオ達は授業を受けていた。
みんなが先生が黒板に書いていることをノートに書き写している。
紙にシャープペンシルが擦れる音が響いている。
ミキオ達も時々黒板を見ながら、ノートに書き写している。
その時だった。
換気のために開けていた窓から、1匹の蜂が入ってきた。
「うわっ、蜂だ!」
「こっち来んな!」
教室はパニックになった。
「おい、蜂が入ってきただけで騒ぐな」
先生が注意をする。
その後、蜂はひとりでに外に出ていった。
「いやぁ、焦ったな」
休み時間、ミキオはタクローとカズに言った。
「え?ミキオ、蜂にビビったの?」
カズがニヤリとする。
「いや、刺されるかもしれないじゃん。怖いじゃん」
ミキオが弁明する。
「えー、そうかな」
カズはニヤケが止まらない。
「本当にだ!」
ミキオが大きな声を出す。
タクローはそのやり取りを見て、
「カズも結構毒々しいな…」
と思った。




