駄菓子屋と俺たち②
偶然見つけた駄菓子屋に入ったミキオ達は、そこの店主らしきおばあさんにそばに入るように促された。
「君たち、なんでこんな店に入った?」
ミキオ達が座ると、おばあさんが聞いてきた。
「あ、いや、今どき珍しいなって…」
ミキオが答える。
「珍しいか…」
おばあさんは少し目を反らす。
「昔は駄菓子屋なんでどこにでもあったのに、今じゃすっかり珍しくなってしまったんだねぇ…」
しみじみ語るおばあさんを見て、
「ねぇ、ミキオ、なんかまずいこと言っちゃったんじゃない?」
とカズがミキオに耳打ちした。
「え?俺、変なこと言った?」
ミキオが慌てる。
「いいんだよ。本当のことだし、私じゃどうすることも出来ないからね…」
おばあさんは少し遠い目をした。
「私は、佐藤久代っていうんだよ。50年以上この駄菓子屋をやっている物好きさ」
久代は3人に自己紹介した。
「また機会があったらおいで。話ぐらいだったらいくらでも聞いてあげるからさ」
「はぁ…」
3人はそのまま店を出た。
ミキオは店の名前を見る。
「佐藤駄菓子屋」と書かれていた。
「すごいキャラだったな」
カズが言った。
「そうだな」
ミキオは相槌を打ちつつも、
「また行きたいな」
と呟いた。




