お泊まりと俺たち②
「で、話って何だよ?」
ミキオがタクローに聞く。
「俺たち、来年受験受験だろ」
タクローが切り出す。
「うん、そうだな」
「カズもだけど、俺たち卒業したら離れ離れになるかもしれないじゃん」
「まぁね」
ミキオはタクローの話をジッと聞いている。
「そうなっちゃうとさ、こうしていつものように会えないのかなって」
タクローはうつむく。
「そんなのわかんないじゃん。また集まることだってできるし」
ミキオはタクローの方を見る。
「でも、就職とかしちゃったら今のように頻繁に会えないじゃん」
「電話とかでも話せるじゃん」
ミキオの話にもタクローは納得いっていない感じだ。
「俺、あまり友達いなかったじゃん。周りの人ともあまり話せなくて」
「確かあまり話しかけられなかったんだよな」
ミキオが補足する。
「そんな時にミキオとカズが話しかけてくれたんだよな。そこで話しているうちに仲良くなってさ」
「うん」
「それから結構3人でよく遊ぶようになっていってさ。結構楽しかったな」
「よく一緒にいたよな」
ミキオが言うと、タクローは、
「…会えなくなっちゃうのイヤだな」
と寂しそうに呟いた。
「もっと、ミキオとカズと一緒にいたい」
タクローがうつむく。
ミキオはそんなタクローの肩に手を置く。
「大丈夫。離れていても俺はタクローの味方だよ。カズもそうだと思うよ」
ミキオの言葉に、
「絶対に?」
と振り向く。
「絶対だよ」
ミキオが笑う。
「良かった。安心した」
タクローはそう言うと、安心した様子で眠りについた。
ミキオはその顔を見て、眠りについた。




