食べ方と俺たち
ミキオの家で3人はお菓子を食べることにした。
ミキオは、クリームがサンドしてあるクッキーを剥がして2つにして食べた。
「え、ミキオ、そんな食べ方するの?」
カズが目を丸くした。
「いや、この食べ方はいいんだよ」
ミキオは自分の食べ方を肯定した。
「こういうクリームが挟んであるクッキーって、片方に塗られてることが多いんだよ。だからこう剥がして食べると、クリームが付いてるのと付いていないの両方楽しめるんだよ」
ミキオは自分の食べ方を解説した。
「そんなの一緒に食べたらいいじゃん」
カズが反論すると、
「分かってないな。1度で2種類の味が食べられるんだよ。お得じゃん」
ミキオも反論する。
「お得なの?それ…」
カズが目を丸くする。
「お得、お得!」
ミキオは声を大にして言った。
「タクローはなんかあるの?」
カズがタクローに話を振る。
「あ、俺はね…」
タクローは一呼吸置いてから、
「ロールケーキとかは剥がして食べるね」
と言った。
「えぇー!そっちの方が意味分からんわ!」
ミキオが声を上げた。
「俺もだわ。ちょっと理解出来ない」
カズも匙を投げた。
「なんでだよ!とっても美味いんだよ!」
タクローの力説に2人は耳を貸さなかった。




