41/442
クラスメイトと俺たち
「おい、ミキオ、この前借りたゲーム返すわ」
ミキオがクラスメイトからゲームを受け取った。
「おぉ、三輪、ありがとう」
ミキオは三輪にお礼を言った。
「ミキオって、三輪にいつもゲームに貸してるよね」
タクローが言った。
三輪崇は、ミキオの小学校時代からの同級生である。
ゲーム好きなのだが、こうしてミキオからゲームを借りたりする。
「もしかして三輪ってさ、自分でゲーム買ったことないんじゃないの?」
カズがそう言うと、ミキオの表情が曇る。
「え、そ、そんなことはないよ。あいつゲーム好きだから自分でも買ってるだろ」
ミキオは明らかに動揺している。
「いや、分からないよ」
タクローがけしかける。
「いや、三輪は絶対にそんなことはしない!」
ミキオは机を叩いて立ち上がった。
「そんなに言うなら、確かめて見れば?」
タクローが言う。
「…分かった。三輪に聞いてみる」
ミキオは三輪の元に向かった。
「三輪、お前、自分でもゲーム買ってるよな?」
ミキオの問いに三輪は、
「か、か、買ってるよ…」
と答えて目を逸らした。
あれ、これって…。
ミキオは何かを感じ取った。




