サービス終了と俺たち
「・・・おはよう」
ミキオが元気がない様子で登校してきた。
「ミキオ、なんか元気ないな。どうかした?」
カズが声をかける。
「・・・あぁ、ちょっとな」
ミキオのテンションはまだ上がらない。
「ミキオ、何か悩み事か?良かったら話してくれよ」
タクローも声をかける。
「そうか、ありがとう・・・」
ミキオは2人の方に向き直ると、
「実はな・・・」
と口を開いた。
「今までやっていたゲームが、サービス終了しちゃったんだ」
とミキオが言った。
「・・・は?」
カズが言った。
「明日からどんなゲームをやればいいんだろって・・・」
ミキオの声は沈んだままだ。
「ちょっと待って。それだけ?」
カズがミキオに聞いた。
「うん」
ミキオが頷く。
「あぁ、なんか心配して損した」
タクローが天を仰いだ。
「だって、10年ぐらいやってたんだぞ!色々思い出もあるし!」
ミキオは少し涙ぐみながら言った。
「俺は思い出ないからわからないよ」
タクローは冷たく言う。
「タクローには俺の気持ちが分からないんだ!」
「分からなくてもいいよ」
タクローはあくまで無関心を貫く。
「カズもなんか言ってやれよ!」
ミキオはカズに助け舟を出す。
「ごめんミキオ、俺も分かってやれない」
カズは苦笑いしてミキオの誘いを断った。
「もうおしまいだ・・・」
ミキオは机に突っ伏したまま、しばらく動かなかった。




