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先生と俺たち
ミキオ達のクラスの担任は笹川涼子という女の先生だ。
先生になってまた5年目ぐらいだが、かなり信用がある先生だ。
元々、ドラマを見て先生に憧れを持ってこの職業についた。
実際に教師になって分かったのだが、教師という職業は生半可な気持ちでやってはいけないということである。
だが、その分やりがいがあるのも教師の仕事である。
笹川は日々それを感じて仕事に臨んでいた。
今日も笹川は誇りを持って教師の仕事を努めようとしている。
朝、道行く生徒に挨拶して回っている。
こうして声をかけるのも、笹川の務めである。
もうすぐ始業時間である。
なのに、まだ学校に来ていない生徒が3人もいる。
噂をすれば、その3人がやってきた。
ミキオ、タクロー、カズの3人である。
「ミキオくん、タクローくん、カズくん、遅刻ギリギリじゃない。一体どうしたの?」
「すいません、ゲームしてたら夜遅くなっちゃって」
ミキオが照れ臭そうに言う。
「ちゃんと夜は早めに寝るのよー」
「はい、すいません」
ミキオ達は校舎に駆け足で入っていく。
その姿を見て、笹川は、
「…私も気をつけなきゃね」
と呟いた。




