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黒歴史と俺たち
「さっきのミキオ、すごい笑えたな~」
カズが笑いながら言った。
「あんまり笑うなよ…」
ミキオがムッとしている。
「あそこであんな転び方するなんて。なんというかミキオらしいな」
タクローが言った。
「うるさいな」
ミキオは反論した。
「あぁ、今の転び方は確実に黒歴史だよ」
ミキオが頭を抱えた。
「ミキオは黒歴史いっぱいありそうだけとな」
カズが言った。
「え?俺、そんなにないだろ」
ミキオがカズの方を向いて言った。
「例えば、テストの回答は完璧だったのに、名前を書き忘れて0点になったりとか」
「あの時は俺だけ追試を受けて大変だったよ」
ミキオが項垂れた。
「後は、知り合いだと思って声をかけたら全く知らない人だったりとか」
「あれば本当に気まずかったよ」
ミキオはさらに項垂れた。
「後は…」
「もういいよ…」
ミキオが手で制した。
「俺、黒歴史多いな…」
ミキオはさらに項垂れた。




