夏祭りと俺たち①
「夏祭り?」
ミキオがカズからの電話で、夏祭りがあることを知らされた。
「うん、今年は久しぶりに開催されるんだって」
カズが電話越しに言う。
「それはいつなの?」
「今週の土曜日と日曜日だよ」
「土日か…」
ミキオはしばらく考えた結果、
「ちょっと行ってみようかな」
と返事をした。
「そう?じゃ、タクローにも声かけておくから」
「うん、わかった」
ミキオはそう言うと、電話を切った。
夏祭りか。久しぶりだな。
ミキオは窓の外を見た。
外は日差しが眩しいぐらいに差し込んでいた。
それと同じ頃、六花は友達と電話をしていた。
「夏祭り?」
「そう、今年は久しぶりに開催されるんだって。行かない?」
「夏祭りか…」
六花は少し考えこんだ。
「…ちょっと行ってみようかな」
少し控えめに答えた。
「ホント?じゃ、よろしくね」
友達が電話を切った。
六花は空を見る。
飛行機雲が1つ、くっきりと残っている。
「…台東くんも来るのかな…」
つい、そんなことを呟いた。
そして、夏祭り当日。
久しぶりの開催とあって、会場はかなりの人がいる。
「めちゃくちゃ人がいる」
ミキオが目を丸くする。
「ホントだ。めちゃくちゃいる」
カズが言った。
「ミキオ、迷子になるなよ」
タクローが注意する。
「小学生かよ」
ミキオはツッこんだ。
ミキオ達は屋台が立ち並ぶエリアに向かった。




