表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/442

帰る俺たち

赤神高校(あかがみこうこう)は部活動が盛んである。


野球はもちろん、サッカーバスケットボールなどの運動部は大会で好成績を納めている。


この部活動に入りたいがために受験する生徒もいるほどだ。


文化部も茶道部や美術部などが各大会で賞をたくさん獲得している。


赤神高校は「部活動の学校」という呼び名があるぐらい部活動が盛んなのだ。




「部活なんて何の意味があるんだよ」


学校の帰り道、ミキオが声を出して言った。


「それは、スポーツや創作活動を通して何かを得るためじゃない?」


タクローが回答した。


「『何か』ってなんなんだよ。わからないもののためにやるのかよ」


ミキオが口を尖らせる。


「そうだな…、例えば野球とかサッカーはチームプレーじゃない?そういったことを通して友情を育んでいくとか」


「俺たちはスポーツしなくても仲がいいぞ」


タクローの力説をミキオはさらっと流した。


「ミキオってなんか性格歪んでない?部活入って鍛えたら?」


タクローがちょっとムッとして言った。


「な…?俺は歪んでねぇよ!」


ミキオもこれまたムッとしてタクローに詰め寄った。


「ミキオは部活より山ごもりの方が効き目あるぞ」


カズがタクローに加勢する。


「やらねぇよ!必殺技なんかあみださねぇよ!」


ミキオの声が大きくなる。


「言葉づかいも悪いよね。その性格にそれじゃ人が寄りつかなくなるよ?」


タクローの言葉を遮るように、


「うるせぇ!」


とミキオがタクローに飛びかかった。


「散々俺の悪口言いやがって!そういうお前こそ性格歪んでるんじゃねぇのかよ!」


「ごめんミキオ、許して…」


ミキオがタクローともめていると、


「でも、部活なんてめんどくせぇし、俺はやりたくねぇけどな」

とカズが笑いながら言った。


一番歪んでるのはカズじゃないのか?


ミキオとタクローは止まってジッとカズの方を見た。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ