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缶けりと俺たち②

「缶けりでリベンジするぞ!」


三輪が公園でそう宣言した。


公園には、ミキオ、タクロー、カズ、立花と中尾、そして三輪が集まっていた。


「え?これは何?」


ミキオが言った。


「2ヶ月前に缶けりやっただろ。それで俺が惨敗して悔しかったからこうしてリベンジしたいんだよ。いや、させてくれよ」


三輪がお願いした。


「そうだっけ?」


タクローがすっとぼける。


「そうだよ!俺が最後鬼になってそれで最後まで残ったんだよ!」


「そんなに2ヶ月も前の日常回なんて誰が覚えてんだよ」


カズが言う。


「うるさい!いいから缶けりやるぞ!」


「いや、俺たち忙しいし」


ミキオが言うと、


「ねぇ、缶けりやろうよ。1回だけでもいいから」


と三輪が食い下がる。


「しゃあないな。1回だけだぞ」


とミキオが言うと、


「三輪くんが満足するならいいよ」


と中尾が言った。


「明らかに気を使われているな」


とタクローが言った。


「気を使われているわね」


と立花も言った。




「よし、じゃあ行くぞ!」


こうして三輪が鬼になり、泣きの缶けりが始まった。


「よし、今度は全員見つけてやるぞ…」


三輪は公園を探し始めた。




三輪は用意周到に公園内を探し回った。


もうこれ以上はないぐらいに。


「中尾、見っけ!」


三輪は中尾を見つけると、缶を踏んだ。


「あぁ、見つかっちゃった」


中尾はその場に座りこんだ。


「立花、見っけ!」


三輪は立花を見つけると、缶を踏んだ。


「見つかっちゃったか」


立花はその場に座った。


「あとはあいつらだけだな」


三輪はニヤリと笑った。




「今だ!」


突然大きな声がした。


と思ったら、カズとタクローが草むらから飛び出してきた。


「あ、カズとタクロー見っけ!」


三輪はそう言うと、缶の方に向かって走り出した。


「今度は蹴らせない…!」


三輪は懸命に走った。


そして、タクローとカズに追いついた。


「は、これで終わりだ!」


三輪は勝利を確信した。




「かかったな!」


声がしたと思うと、缶の周りの草むらからミキオが現れた。


「そんなのアリかよ!」


三輪の絶叫がこだまするのと同時にミキオは缶を力一杯蹴った。


「また、負けた…」


三輪はその場に倒れたままうずくまった。


「見事な負けっぷりだな…」


タクローが三輪を見て言った。


「かける言葉も見当たらないな…」


ミキオも言った。


「うるせぇ、ほっとけ!」


三輪はしばらくその場に横になっていた。

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