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動きたくない俺たち
「あ~、暑いな…」
3人はミキオの家に来ていた。
今日の気温は30度を越え、ムシムシとした暑さが続いていた。
「ホントに暑いな…」
「ジッとしているだけで汗が出てくるよ…」
エアコンをつけているのに、まるで効き目がないかのように汗がダラダラ出てくる。
「ねぇ、ミキオ、麦茶持って来て」
タクローがミキオに指示する。
「…動きたくない」
ミキオは寝転がりながら言った。
「ここ、ミキオん家だろ」
「だからこそだよ」
ミキオも譲らない。
「だったら、カズ、持って来いよ」
タクローは今度はカズに狙いを変更した。
「いや、めんどくさい」
カズも寝転がりながら言った。
「めんどくさくないよ。ちょっと起き上がって取ってくるだけだよ」
タクローがそう言うと、
「それがめんどくさいんだよ」
とカズが言った。
タクローはしばらく沈黙した後、
「あぁ!このやり取りがめんどくさいわ!」
と言ってキッチンに向かった。
「作戦成功だな」
「うん」
ミキオとカズはニヤリとした。




