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寝落ちと俺たち
「は!もうこんな時間!」
辺りはすっかり明るくなり、朝日が差し込んでくる。
そんな朝に、ミキオはかなり焦っていた。
「ヤバい!ヤバい!」
ミキオは慌ただしく家の中を駆け回った。
「…ということがあってさ…」
ミキオがその日の学校でタクローとカズに話した。
「本当は宿題とか明日の準備とか済ませたかったんだけど、寝落ちしちゃってさ」
ミキオが頭をかく。
「あ~、確かにそういう時あるよな」
カズが同調する。
「頭では『これやらなきゃいけない』ってわかってるんだけど、なんか気がついたら寝ちゃってるんだよな」
「わかる」
カズは頷きっぱなしだ。
「それって普段からあまり寝ていないってことじゃないの?」
タクローが聞く。
「痛いところつくなよ…」
ミキオがたじろぐ。
「集中しすぎて眠くなっちゃうってこともあるでしょ」
ミキオが言う。
「ただの寝不足だろ」
タクローははっきり言い切った。
授業中、ミキオは突然眠たくなり、寝てしまった。
「おい、台東、授業中だぞ」
ミキオは先生に起こされた。
「あ、すみません」
タクローはその様子を見て、
「やっぱり寝不足だな」
と思った。




