17/442
あくびと俺たち
「ふわぁ…」
ミキオが大きなあくびをする。
「ミキオ、また夜ふかししたの?」
タクローかミキオに聞く。
「あぁ、昨日は見逃せない回でさ」
ミキオがまた1つあくびをする。
「あれほど早く寝ろって言ったじゃん」
カズが言う。
「でも、やっぱりリアルタイムで見たくてさ」
ミキオがまた1つあくびをする。
「またあくびしてる。あくびってうつるっていうんだから」
カズが口を押さえる。
「そんなのうつるわけないだろ…」
ミキオがそう言うと、
「ふわぁ…」
とタクローがあくびをした。
「うつった…」
ミキオが目を丸くする。
「な?うつっただろ?」
「たまたまだよ。ほんとにあくびがうつる…」
ミキオがそこまで言うと、
「ふわぁ…」
と今度はカズがあくびをした。
「うつった…」
ミキオがまた目を丸くする。
偶然などではない。
確かにあくびはうつっている。
「なんかごめんな。俺は次から早く寝る…」
ミキオはそこであくびをした。
つられて2人もあくびをする。
ミキオは改めて早寝早起きを心に誓った。




