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二つ名と俺たち
「二つ名ってカッコイイよな」
いきなりミキオが言った。
「二つ名って、『〇〇の〇〇』みたいな?」
カズが聞く。
「そう、そんな感じ」
「で、それがどうしたの?」
タクローが聞く。
「俺も二つ名が欲しいなって」
ミキオが言った。
「俺たちが付けるの?」
タクローが聞く。
「うん。いいのをお願い」
ミキオが期待した目でカズ達を見る。
「うーん、そうだな…」
タクローが考える。
「怒りっぽいミキオ」
とタクローが言った。
「それ、二つ名じゃなくて俺の特徴じゃねぇか!」
ミキオが早速怒った。
「ダメだった?」
とタクローがニヤニヤしながら言った。
「ダメに決まってるだろ!もっとカッコイイのを付けてくれよ!」
「だって、ミキオすぐに怒るじゃん。ちょっとイジったぐらいですぐキレるし」
「だからってそのまま付けていいって訳ないだろ!第一カッコ悪いだろ!」
「二つ名って別にカッコ良くなくてもいいだろ。その人の異名みたいなもんなんだから」
「俺はカッコイイ二つ名が欲しいんだよ!」
ミキオとタクローのやり取りを見ていたカズは、
「ぴったりじゃん…」
と思った。




