サービス終了と俺たち
「はぁ…」
ミキオがため息をつきながら教室に入ってきた。
「どうしたんだよ、ミキオ。そんなため息をついて」
カズが聞く。
「あぁ、実はな、俺のやっているゲームがサービス終了しちゃうんだよ」
ミキオは鞄を机をかけると、またため息をついた。
「あぁ、それは残念だな」
タクローが同情する。
「はぁ、結構やり込んでたんだけどな」
ミキオのため息が止まらない。
「一体どんなゲームなの?」
カズが聞く。
「パズル系なんだけど、ブロックが石みたいな感じで、消すと相手にブロックが飛んでいくんだ」
「どこかで聞いたような…」
タクローがボソッと言う。
「さらに使用しているキャラによってスキルみたいなのがあってさ。例えばブロックを全部消すとかブロックをたくさん飛ばすとか」
「ほう」
「そして、負けたらアイテムを全て取られてしまうんだよ」
「全部?」
タクローがミキオの方を向いた。
「うん、全部取られちゃうんだよ」
「でも、それじゃリベンジできないじゃん」
カズが言う。
「そう、だから戦う時は命がけなんだよ」
「…パズルゲームだよね?」
タクローが若干引いている。
「うん、パズルゲームだよ」
ミキオは断定した。
タクローとカズは、
「サービス終了してよかったよ…」
と心の中で思った。




