迷子と俺たち②
無事にアナウンスもしてもらい、ミキオ達と正平君はその場で待つことにした。
「お母さん…、来てくれるかな…」
正平君はすごく不安そうだ。
「大丈夫だよ。必ず迎えに来てくれるよ」
ミキオは正平君を励ました。
「本当に?」
「本当だよ。必ず迎えに来てくれるよ」
ミキオは正平君の肩を叩いた。
「そうだ、しりとりでもしようか」
タクローが言った。
「しりとり?」
「そう。正平君からでいいよ」
「じゃあ、『チョコレート』」
正平君はしりとりに参加してくれた。
「じゃあ、『鶏肉』」
カズもしりとりに参加した。
そうしている内に10分が経過した。
「なかなか来ないね…お母さん…」
さすがに正平君も不安になってきた。
「だ、大丈夫!ちょっと時間がかかっているだけだよ」
ミキオも正平君を必死に励ます。
その時だった。
「正ちゃん!」
正平君の母親が現れた。
「お母さん!」
正平君は母親の元に駆け寄った。
「あのね、このお兄ちゃん達が僕を助けてくれたんだよ」
正平君はミキオ達を母親に紹介した。
「そうなんですか…。ありがとうございます」
母親はミキオ達に向かって頭を下げた。
「いえ、僕は大したことしていないので」
ミキオは謙遜した。
「じゃあ、正ちゃん帰るよ」
母親に促されて、正平君は帰っていく。
「大変だったな」
カズが伸びをした。
「でも、楽しかったな」
ミキオがそう言うと、3人はその場を後にした。




