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宿題と俺たち
「あぁ、分からない」
ミキオは頭をかいた。
今日はミキオの家で宿題をしていた。
「本当にこの問題難しいな」
カズも頭を抱えている。
「あぁ、この問題はね…」
タクローは問題集を見ると、あっという間に解説して見せた。
「すげぇ!タクロー、こんなの分かるんだ」
ミキオは感心している。
「じ、じゃあこの問題は?」
カズは分からない問題を指さし、タクローに聞く。
「あぁ、これはね…」
タクローはまたもや問題をいとも簡単に解説してみせた。
「タクロー、すげぇ!」
カズも感心している。
「タクローって頭いいよな」
ミキオが言う。
「いや、そんなことないよ」
タクローは謙遜した。
「いや、俺たちなんかよりずっと頭がいいよ」
「なんか俺、勝手にあまり勉強が出来ないことにされているんだけど」
カズが不満気な顔をした。
「いや、予習と復習をちゃんとしていればちゃんと成績が上がるよ」
タクローがそう言うと、
「よしゅう…?ふくしゅう…?」
とミキオが言った。
「タクロー、ミキオはゲームばかりしているから予習や復習なんてしたことないんだよ」
カズが言った。
「まずはそこからだな…」
タクローは頭を抱えた。




